2010年10月31日(日曜日)
KS-01|多様性の包摂
人間の多様性を理解し、できる限り包摂(包含)することが、ユニヴァーサルデザインの基本である。多様性には年齢、性別、国籍、能力の違いはもとより、言語、文化、生活習慣の違い等も含まれる。いかなる人も不当に排除されることのない社会を構築するために我々は何をすべきか、英国とインドから招いた講演者に本会議初日の口火を切っていただく。
- 「多数世界の視点から見たインクルーシヴデザイン」
ジム・サンデュー(ノーサンブリア大学名誉教授/英国) - 「一体性―新たなグローバル・パラダイム」
シンガナパリ・バララム(DJデザインアカデミー教授/インド)
KS-02|世界を救うデザイン
アフリカやアジア等の発展途上国で安全な水が得られず命を落としている子供の数は年間約180万人(1日に約5000人)にものぼるとされている。その他、食料の欠乏、衛生や教育など、日常生活を送る上で多くの問題を抱えている発展途上国の人々を救うためにデザインに何が可能か、事例を紹介しつつ共に考える。特別展示「世界を救うデザイン」との連動企画。また特別ワークショップ「World Cause ~そろそろCauseの話をしよう~」も同時開催する。(別途参加者募集)
- 「世界を救うデザイン」
本村拓人(株式会社グランマ代表取締役社長) - 「企業が貧困削減に向けてできること」
岡田 仁孝(上智大学国際教養学部長)
KS-03|地雷原を農地に
現在、全世界で年間26000人(1日に約70人)が地雷の被害にあって死傷しており、手作業で一つ一つ取り除く今のままのペースでは、全ての地雷を除去するのに1000年以上かかるといわれている。雨宮氏が開発した地雷除去機は、安全に効率的にそして迅速に地雷を処理する画期的な機械で、カンボジア、アフガニスタン、コロンビアなどで既に70台が稼働している。展示会場では実機の運転席にも搭乗可能という。
- 「地雷除去に挑む 豊かで平和な大地への復興 ~大地よ 蘇れ~」
雨宮 清(山梨日立建機株式会社代表取締役社長)
PS-01|持続可能な共生社会の実現へ向けて 1 〜政治の役割〜>
民主党政権下においては、特に政治主導が強調されており、従来の官僚主導による縦割り行政の弊害を、政治(国民)主導により、どのように変革できるかが注目されていますが、当ディスカッションでは、現職の国会議員、及び浜松市長にパネリストとしてご登壇いただき、ユニヴァーサルデザインが目指す共生社会の実現に向けて、政治がどのように機能すべきかなど、政治家の皆様からのUDに対する期待や思いを率直に語っていただく。
L-01|TOTO 特別セミナー
「TOTOのものづくりの取り組み」
TOTOが持続可能な共生社会の実現に向け取り組んでいる環境への配慮やUD研究所で「UDサイクル」によって生まれた商品開発事例をご紹介します。
L-02|乃村工藝社 特別セミナー
「眼球運動測定装置(アイカメラ)での調査による展示設計のユニバーサル化」
発表者:集客施設サービス改善コンソーシアム
(構成メンバー:乃村工藝社、慶應義塾大学SFC研究所、長崎歴史文化博物館)
- 慶應義塾大学環境情報学部 専任講師 福田 亮子
- 慶應義塾大学総合政策学部 准教授 玉村 雅敏
- 株式会社乃村工藝社経営企画本部マーケティング部 部長 小島 敏明
乃村工藝社、慶應義塾大学SFC研究所で構成する集客施設サービス改善コンソーシアムは、経済産業省が主導する『サービス産業生産性向上支援調査事業(サービスプロセス改善事例開発分野)』において、長崎歴史文化博物館をフィールドとした、「眼球運動測定装置(アイカメラ)」を用いた来場者の動態調査を実施した(平成21、22年度)。そこでは、来館者の見方は施設を設計した側やサービスを提供している側が考えているものとは異なるものであり、来館者、すなわちサービスを受ける側の視点に立って施設計画、運営サービスを考えることの重要性が示された。また、高齢者、車椅子利用者を被験者とした調査を併せて実施したところ、若年健常者とは異なる眼球運動パタンが観測され、今後の空間デザイン、展示デザインにおけるユニバーサル化に向けての示唆を得ることができた。