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KS-03: 特別講演・報告

地雷原を農地に

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地雷除去に挑む
豊かで平和な大地への復興 ~大地よ 蘇れ~

雨宮 清

山梨日立建機株式会社代表取締役:日本

Kiyoshi Amemiya

President, Yamanashi Hitachi Construction Machinery Co., Ltd.: Japan

Profile >>

何十年にも渡って地雷に脅かされてきた人々に地雷がない大地が戻ってくる。家族の誰かが今夜の夕食にいないかもしれないとう不安がなくなるのだ。家族の笑い声が草原の一軒家に木霊する。地雷を除去する機械を開発して始めて命があることの幸せを実感した。自動車社会でもないのに忽然と訪れる不幸が信じられない。慰めの言葉も出ないくらいの惨劇に慟哭の苦しみから逃れたかったのが地雷除去機を開発する 本当の動機だったのかもしれない。

埋設地雷は、世界で1億もの数にのぼる。200種類ともいわれている地雷の埋設状況はその一つ一つがすべて違う。地雷の狙いはすべてが悪質だ。爆発して手足を奪うものから命まで奪うものまである。中には特殊な薬で失明させたり、皮膚を焼くものまである。一度、事故が起きると人々はその土地周辺に近寄れない。土地のない者は、敢えて地雷原に住んで土地を耕し、その危険に命を晒す。地雷原に住む人々の生活は日本人では想像できない劣悪な環境だ。

1995年カンボジアにて(右端が雨宮)

 

人手による地雷除去は、劣悪の条件下で行われている。カンボジア、アフガニスタン、アンゴラなどでは、気温が日中40℃以上にもなるジャングル化した密林の中で地雷を探す作業は、爆発の危険に加え、蚊によるマラリアやデング熱、毒蛇の危険も待ち受けている。そして雨季の氾濫で除去した土地にまた地雷が流れ込む悪条件は極まりない。

これらの状況を解決するためにも対人地雷除去機は必要である。対人地雷除去機の開発は今年で16年目を迎える。この間、地雷を直接除去するアタッチメントは、旋回式対人地雷除去機“ロータリカッタタイプ”、プッシュ式対人地雷除去機“フレールタイプ”など現在では8機種にのぼる。生活を脅かし復興の妨げになっている地雷を取り除き、緑豊かな大地に復興する取り組みを行っている。

旋回型ロータリカッタタイプ

旋回型フレールハンマータイプ


(2010年10月11日現在)
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