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住空間PJ 平井副主査(3/4)

2011.03.20掲載

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次にご紹介するのは夢のみずうみ村という、山口県にあるデイサービスセンターの事例です。

高齢者介護施設

たとえば、廊下のいたるところに、クイズなどチャレンジしたくなる仕掛けがあります。それらに挑戦していくことで身体的には負荷になるスロープを歩くことになります。その結果、杖を必要としていた方が杖無しで歩けるようになった、というお話も聞くことができました。
まさにUDプラス的な施設だといえます。

モチベーションの維持

この夢のみずうみ村に通うみなさんには「自分の足で歩けるようになる」、「自分で出来ることは自分でできるようになる」といった目標があるのですが、そのために、ただ鍛える、というだけでは辛くなってきます。そこで楽しく鍛えるための仕掛けとして、歩き回りたくなる仕掛けがあり、施設内を歩き回ることにつながるモチベーションとして、他の人とのコミュニケーションや施設内でのみ利用できる地域通貨の獲得があります。
この地域通貨は色々なことにチャレンジ、すなわち身体や認知機能を鍛えることで獲得できるわけですが、それにより、マッサージや仲間との創作活動、あるいは非常に盛り上がるというギャンブル性要素のあるゲームなど、様々な楽しみにつながり、楽しいから更に鍛える、という「より楽しく、元気になる」スパイラルを生み出すことに一役かっています。

夢のみずうみ村での効用をまとめてみました。
施設内を歩き回ることにつながるモチベーションとして、他の人とのコミュニケーションがあり、歩き回りたくなる仕掛けとして、他の人の作品を見て回れる廊下があります。それらが楽しく鍛えるための仕掛けとして機能し、その結果、杖無しで歩けるようになる、という効用がもたらされるのです。
まさにUDプラスだといえます。
以上のように、私達は住空間事例の視察やワークショップの開催を通じ、UDプラスの事例収集と研究をすすめています。

そして、モチベーションに環境・機会をかけあわせたところにUDプラス的な効用があるのではないか?という仮説の検証を行っています。ここに示すのは、これまでの視察物件の分析等を通じて導き出した「UDプラスを具体化していくための仮説」を、まとめたものです。

UDプラス具現化に向けた仮説

縦軸に、個人/コミュニティ/地球環境という3つのステージを設定し、ステージ毎に、心理的要因と物理的要因のキーワードを抽出しました。それぞれに対応する、UDプラスの効用もまとめています。
このようにUDプラスを具体化していくには、人がその能力に合わせながらも「モチベーション」を持って、多少の負荷や刺激のある活動を誘発するような「環境や機会(すなわちキッカケ) 」を、あらかじめ用意しておくことが重要だと考えています。そして、ここに示した関係式がUDプラスを具体化する「仮説」として提案できると考えています。


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