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住空間PJ 平井副主査(1/4)

2011.03.20掲載

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平井副主査

こんにちは、住空間プロジェクトの平井です。

私たち住空間プロジェクトでは、「UDプラス」身体的、心理的に適正な負荷、すなわち刺激を与えることで機能の低下を防ぎ向上させるという新たなUDの視点にフォーカスし、3つのWGで活動しています。


活動テーマ

下記の図は、UDプラスのコンセプトを図にしたものです。縦軸が心理面の軸、横軸が身体面の軸です。
段差を無くしたり、少ない力で使えたり、判りやすい表示にしたりと、生活する上での様々なバリアやストレスといったマイナスの部分をゼロにしていく活動をUDの基本とすると、身体的、心理的に適正な負荷や刺激を与えることでただ使いやすいだけで無く「使って楽しい」、さらには、心身の機能の低下を防ぐ、機能を向上させる、快感や達成感を追求するといった新たな視点を、私たちはUDプラスと呼び、研究を進めています。

コンセプト概念図

はじめに、私たちがUDプラスを研究テーマとするにいたった背景となる、UDプラスの気づき体験についてお話したいと思います。この住宅は、「五感を呼び起こす住まい」という事で、建築家の荒川修作氏が企画・設計された東京・三鷹にある共同住宅です。

UDプラス研究の原点

私たちが、UDプラスという新しい視点のUD研究を進めるキッカケとなった調査物件です。中央にキッチンを配置し、それを取り囲むように、様々な空間がレイアウトされています。そこに居る私たちの身体が、建物や空間設備から影響を受けていることを実感できる住空間でした。

訪問した当日、偶然にもこの住居内で「視覚障害者の擬似体験ワークショップ」に参加することができました。

五感を呼び起こす空間体験

手や足をフルに使う(触覚) 、お互いの声を利用する(聴覚) 、さらには空気の流れまで肌で感じる(触覚)など、感覚をフルに使うことで自分の居場所が確認でき、予想に反して、身体をぶつけたり、つまずいたりせずに動き回ることができました。また、部屋の中央に配置された「ポール」が、動き回る時の「バリア」ではなく、空間を認識するのに非常に有効な「部材」となることも判りました。 このワークショップへの参加を通じ、私達は五感を呼び起こす空間体験を自ら経験することができました。

また、この住宅の床面は、凸凹のある仕上げになっています。しかも、全体が5%傾いていることで、平行感覚を高める仕掛けにもなっていました。この空間で、私達は、日常的な生活動作をしているだけで「身体機能や感覚機能」が研ぎ澄まされる、ということを、実際に体験する事ができました。

感覚が研ぎ澄まされる体験

その結果、 凹凸の少ないUD配慮された均質なデザインというものは、視覚以外の「情報量」がとても少ないことが判りました。
一方、変化に富んだ空間では「自分の居場所を認識しやすい」ということに気づきました。視覚を閉じることで「形の新しい意味」が見えてきます。特に「床面の仕上げの違い」は、触覚情報の大きなデザイン要素となることがわかりました。

このような空間によって五感が呼び起こされ、感覚が研ぎ澄まされる実体験から、住んでいて楽しくなる、嬉しくなる、気持ちよい、といった快感や達成感を追求するUDプラスの世界があるのではないか?といった視点に着目するに至りました。そして、私達は、UDプラス的だと考えられる住空間事例の視察、その使用者とのWSといった活動を通じ、UDプラスの研究を行っています。


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