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2024.01.30掲載
オンライン開催された「2023年度第3回IAUD定例セミナー」
IAUDは、幅広い分野での専門家を招致してUDに関するテーマで講演いただく「2023年度第3回定例セミナー」を、2023年12月14日(木)にオンラインで開催しました。
今回は、「防災のためのファッション&グッズ~防災グッズ大賞から~」をテーマに、講師には防災活動専門家の吉田明生・災害防止研究所代表理事をお迎えし、平常時のみならず災害時の衣服はどうあるべきかを考察しました。
今回のセミナーを主催した衣のUDプロジェクトは、おしゃれで機能的、安心・安全で非常時にも役に立つ「ユニヴァーサル・フェーズフリーウエア」を研究しています。
当日はIAUD会員や、共催したUNIFA(ユニバーサルファッション協会)会員、アパレルや防災関連企業関係者、教職員や学生など31名が参加しました。
初めに、吉田氏は災害防止研究所について説明しました。同研究所は、「自分の安全は自分で確保する」という自助の精神を啓発することを目的として2018年に設立され、「一人一人が強くなれ!強くなろうニッポン!」を合い言葉に、企業の力を活かしながら災害防止の普及活動を通じて、安全安心な社会の実現を目指して活動しています。
つづいて、コックコートやトレンチコートなど優れた機能性と由緒がある衣服の紹介や、耐久性や操作性など現場の必要性と実現の可能性の双方向から開発が進められる軍隊装備について話しました。
そして、「何かの役に立つ」「喜んでもらう」「形にあらわして行く」という点で、防災もUDも共通性があると述べました。
次に、同研究所が毎年開催している「防災グッズ大賞」についてお話がありました。
「防災意識」は目に見えないものなので普及が難しいことから、目に見える防災グッズを手に取ってもらい防災を意識してもらうため2019年に「防災グッズ大賞」を創設しました。
優れた品質の防災グッズを表彰し、防災グッズを広く普及することで、災害への備えの必要性や自助意識の啓発を目的としており、創設以来、数多くの企業から応募を得ています。また、受賞商品を紹介しながら防災関連の啓蒙活動を行う「防災グッズ大賞展」も毎年開催しています。
防災非常用品の重要なポイントは「日常の延長で備える」とし、防災グッズ大賞の選定では、「防災グッズは日々の生活の中で使われ、役に立つものでなければ、決して災害時に使われることがない」という観点から、「毎日、便利に楽しく使う」という視点で選出されていると述べました。
さらに、これまでの受賞製品から、防寒ウエアや手袋、下着など防災時の衣服に関連する9件の事例を紹介しました。
そして、防災グッズ開発の際には、「災害に対処」「災害環境に適応」「時代のトレンドに乗っている」ことが重要だと述べました。
最後に吉田氏は、防災や危機管理を習慣化し、ライフスタイルとして定着するまで活動を継続することが重要とし、今後も企業と連携しながら、暮らしに役立つ新しいライフスタイルを提案することで、防災コンシャス意識を高めていきたいと述べました。
さらに、「防災とUD」はどちらも「かわいそう」「便利」「儲かりそう」だけでは普及しない、直接関係のない人にも波及効果があると伝えることが大切だと指摘し、「こんなにいいことがある」「立派だね」と言われるような共通する使命と役割があるとしました。
そして、「防災とUD」は共に優れた社会性と人間性を兼ね備えた、愛に溢れた活動である、と締めくくりました。
今回の定例セミナーでは、災害時の衣服について理解を深め、「ユニヴァーサル・フェーズフリーウエア」研究への意義を再確認できた、素晴らしい機会となりました。
参加者からも「目から鱗の講演だった」「“防災は日常から発想”が強く印象に残った」「“防災を想像できる習慣をどう創るかが大切”に示唆を受けた」など、高い評価をいただきました。
今後もIAUDは定例セミナーを開催します。開催が決まりましたら、追ってIAUD公式サイトに掲載します。IAUD会員の方は参加無料です。皆様のご参加を心よりお待ちしております。
※災害防止研究所及び防災グッズ大賞の詳細をご覧ください。
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