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衣のUD-PJ 2011年度成果報告

2012.04.10掲載

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活動目標

伊豆野隆信主査

「機能性とファッション性」を兼ね備えたユニヴァーサルな衣服を研究開発すること、それを基本コンセプトとしております。
そして産学共同で取り組みながら、その思想を社会に広めることを活動軸としております。最終的には目に見える形として世の中に出してゆきたいと考えております。




これまでの取り組み

2008年より主として参画団体であるNPO法人ユニバーサルファッション協会と協業しながらUD製品の研究に取り組んでまいりました。
平行して大学教授に衣服と人体の関係について講義を頂き、また素材メーカーにはテキスタイルの勉強会を開催して頂き最新の情報を得ながら、正に産学一体となり開発を進めて参りました。
そして試着試験、アンケート・検証を繰り返す中、UDジャケットの試作品の完成に至り、2010年の浜松での国際UD会議にて発表いたしました。
現在、そのUDジャケットを更に前進させるべく研究開発を重ねております。



今年度の活動実績

3つのプロジェクトに取り組みました。一つ目は今申し上げましたUDジャケットの開発の継続、二つ目は災害時のUD衣料の研究です。三つ目は、これは期の途中から始めました衣のUDパンフレットの作成です。



UDジャケットの研究開発

UDジャケットの研究開発

初めに、浜松での国際UD会議で発表致しましたジャケットについて再度簡単なご説明をさせて頂きます。
素材は帝人ファイバーのサイネックスという素材を使っており軽量で伸縮性、撥水性に優れております。また、片手でも操作できるYKKのスナップトラックというファスナーを両サイドに付けることで左右どちらからでも着脱可能です。また、アームホールにも工夫を施し、腕の可動域を大幅にアップさせました。
国際会議以降、新しい素材・付属品などの情報を得ると同時に、介護施設などでの展示、またメーカーとの商談などを行いながら頂いた評価を現在検証中でございます。 ちなみに介護施設での展示ですが、高齢者や車いすに乗られた方には着脱のしやすさで高評価を頂き、バイクをお持ちの方にはライダースジャケットとして使いたいとのご意見を頂きました。
このことは正にユニヴァーサルファッションそのものを意味し、改めて方向性が正しかったことを認識いたしました。
その改良点ですが、不満のあった点を特に考慮し、素材・パターン・付属などの見直しをし、改良並びに検証を進めております。この作品の発表は少々お待ちいただきたいと思います。未完成の中でのデザインの流出だけは防ぎたいので、どうかご理解下さいませ。 現在、このジャケットの製品化を目指し、アパレル企業との交渉を続けております。2012年度中には交渉をまとめ、商品化の足掛かりを築きたいと考えております。



災害時におけるUD衣料の研究

災害時におけるUD衣料の研究

ご存知の通り東日本大震災から1年が経ちました。あの災害の中で私たちは改めて衣服の重要性というものを再認識させられました。寄付されてくる衣料は数多くありますが、被災地で真に必要とされる衣服は他にあるのではないか?
IAUDとして取り組むべき問題ではないだろうか?そう思い課題の1つとして研究を進めております。

その第一歩、情報収集の一環として講演会を開催致しました。直接被災地に行く前にまず災害復興に携わっておられる方から実情を聞きし、そこから進めてゆくという選択を致しました。
ダイバーシティ研究所所長であり、東日本大震災復興対策本部ボランティア班企画官でいらっしゃる田村太郎氏をお招きし、「災害とUD」をテーマに講演して頂きました。 高齢、障がいを負った方々が避難所や仮設住宅でどういった問題に直面しているのか多くを学ぶ事ができました。この講演はあえて衣服に限定した形を取りませんでした。 打ち合わせの際、田村氏はIAUDのパンフレットをご覧になりながら8つの研究部会すべてが被災地の求めるUDに関わっている、そうおっしゃった為です。
この講演会の内容はIAUD Newsletter 12月号に掲載してありますのでどうぞご参照くださいませ。

災害時用衣料というものはインナーウエア、アウターウエア等世の中にはいくつか出ております。現在サンプルを集めて検証すると同時に被災地の情報を集めながら衣のUDPJとしてどこにスポットを当てるべきか研究を続けております。最終的には一つのオリジナルな形を作り出したい、そう考えております。
福岡での国際会議では何等かの形で経過報告させて頂く予定です。



衣のUDパンフレットの作成

衣のUDパンフレットの作成

「衣のUD」とは何か?人と衣服の関わり方、誰もが差別なく楽しめるファッションとは何か?などを解りやすく解説したものを1つの冊子にまとめるべく現在校正を重ねております。
福岡での国際会議にはその完成版を皆様お手元にお届けしたいと思っております。




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