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国際会議のご報告 成川理事長(4/4)

2011.03.20掲載

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この後のセッションで研究部会の発表、あるいは48時間デザインマラソンの内容、アウォードの内容なども発表させていただきますが、ここでは後半に、IAUDの今後についてお話をします。
具体的には中期ビジョン、中期計画を検討しています。

IAUD理念は、ユニヴァーサルデザインのさらなる普及と実現を通して社会の健全な発展に世界に情報発信する、という普遍的なものでありまして、ビジョンは、生活に不便さを感じることなく、1人でも多くの人が快適で暮らしやすい社会づくりを目指すというものです。そのために3つの視点があります。


ヴィジョン <活動の3つの視点> ●社会全体のUD基盤整備 ●企業・団体によるUD製品・サーヴィスの提供 ●生活者のためのUD風土の醸成

1番目は、社会全体に貢献する。
2番目は、いろんなプロダクトをつくるための支援をする。
3番目は、生活者のためということで使う方の立場にたった活動をする。

この3つの視点で、3年毎の中期ビジョン・計画を掲げています。
今回は第三次中期計画を検討中です。これは第二次、2008~2010年度の中期活動計画をもとに立てています。
現在、ここから先はまだ議論検討中ですので、資料で示すことはできませんが、できる限り今の段階の状況を口頭で伝えていくことに努力します。

まず、2008~2010年度の振り返りをしました。
そして更にプラスアルファの計画を加えて、新しい中期計画を立てようということで、IAUDでタスクフォースを作り、検討している段階です。
先ほどの3つの視点から鑑み、何ができて、何ができなかったかについて、概略の説明をします。
2番目の企業・団体による製品・サービスの提供は、会長からもさきほどお話がありましたが、この数年間、実際にはかなりの成果が出てきた、UDに関する製品も、各企業からどんどん出すようになった、それは日本が一番進んでいる状況です。
サービスにおいてもそういうことで、色々できてきました。
したがって、こういう活動に関しては、我々の中期計画の振り返りとしても、かなりの成果が得られることが1つ。

国際会議の影響はすごく大きかったのです。情報発信だけでなく、いろんな意味で刺激になる。成果の発表など、非常に有意義なことでした。開催してみると、いろいろな方から高い評価をいただきましたし、海外からも高い評価をいただき、関心をひくこともできました。国際会議は重要です。

この2つが大きな「できたこと」。できなかったのは、2番目の社会全体のUD基盤整備。
これについては、我々はこういうことを国や自治体と連携した活動をという目的を掲げていましたが、この3年間ほとんどできていませんでした。今回、国際会議をやってみて、国や政治家、省庁のみなさん、非常に積極的に我々に協力いただきました。自治体の皆さんもです。
こういう活動がなぜできなかったのかと、むしろ思うぐらい社会整備に関わる皆さんとのつながりができたと感じています。
これをチャンスに、これからはこの辺をやっていかないといけない。
それをやるためには、IAUDは、例えば研究活動という時、製品開発や小さなサービスの開発ももちろんあってもいいですが、それだけではなく、社会システムに貢献できるような、あるいは国や自治体と協働していけるようなテーマの設定がこれからは一番大事です。
それをIAUDとしてまとめ、自治体や国の皆さんと協働して、一緒に働くシステムを作る。
これは個別の企業、個別の個人ではできない。IAUDがやるべきで、今までできてなかったことです。

3番目の、生活者のためのUD風土の醸成。簡単に言うと、生活者、ユーザとの情報交換です。それをした上で情報を取り上げていく。目標を掲げていましたが、まだまだ十分にはできていない。会員の方からもいろいろご意見いただいて、そのご意見がちゃんと反映できているかを反省する。以上ができた点とできなかった点の大きなことです。


これを踏まえて、これからのIAUDはどうしていけばいいのか。中期活動計画を考えました。
さきほどの裏返しですが、サブタイトルとして、IAUDにおける新たな成長計画を考えて、1つはUDの製品・サーヴィスにとどまらず、会員企業、各団体の方、業界の垣根を越えた社会システム、UD基盤の構築という研究テーマを設定して、普及活動の観点でもやる。
その成果をもとに、国・自治体に具体的な提案ができるようにする。
我々が提案するだけではなく、ともに検討して、汗を流してとは言いませんが、一緒に検討していきましょう、という土壌をつくる。
目標として、大きく言えば法律、政策、条例などのしくみ作りに貢献できるようにしたい。
いわば、研究、普及の段階から、それを超えて、実現の段階へ進んでいきたい。そういうステップアップを図ることが1つの大きな柱です。

併せてこれも裏返しですが、生活者のみなさんには、情報提供にとどまらず、声の収集、それをどう活用するか図るための仕組みづくりを行いたい。これが2つめです。
3つ目、国際会議のことです。過去3回の国際会議の経験などを鑑み、国際会議をもう少しちゃんとしたIAUDの事業の1つの基軸としてとらえよう。
今は4年ごとの開催ですが、インターバルが4年ごとでは長い、という意見もあり、期間を考えようと。期間を短くすると大変なこともありますが、あわせて規模ももう少し考えねばならない。いつもいつも4年ごとなのかという、それも鑑みながら、国際会議の位置づけを大きくしていこうと。
今回は、国際会議の規模を考えながら、2年おきにやってもいいのではという議論もありますので、そこも踏まえつつ、今回の中期計画は3年ではなく、4年間を考えている、ということで議論の最中です。

参加されている企業の団体からみると、各業界の垣根を越えたテーマをつくり、そのテーマにいろんな業界の方が参加できる。そういうテーマ作成、それが社会システムとして実現できる取り組みをしていこうと、ステップ・アップしていきたいと思っています。
既に、今回の国際会議の影響もあり、いろんな自治体の方から、いろいろお話、一緒にという提案もきています。それを見ていると、例えば、まちづくりに関する提案があります。
あるいはIT化が進んできたことにより、ITを使ったUDシステムの実証実験プロジェクトができないかとか。詳しく言えませんが、こういう具体的なテーマ、公園に関するテーマ、ロボット関係などもあります。地域開発やコミュニティ、暮らしの観点もありました。
こういうことで、みなさんと協働しながら進めていきたいと考えています。


長くなりましたが、私から国際会議の概略と、先ほど申し上げた中期計画はまだ議論の最中ですので、結論は申し上げられませんが、そういったステップ・アップしようという議論をしていることを御承知おきください。
間もなく、新しい中期計画としてホームページなりで皆さんの目に触れることになると思います。その節はどうぞよろしくお願いします。
我々としても、いろいろな企業・個人・団体の方に、さらに会員になっていただきたい。今の会員の方にもさらにいろんな活動に参加していただきたいという思いを込め、今のような計画を考えつつあることをご理解ください。

私からは以上です。ありがとうございました。


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