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2016.07.06掲載
身体的、心理的に適正な負荷(刺激)を与えることで、機能の低下を防ぎ向上させるという新たな視点を、私たちは「UDプラス」と呼び研究を進めています。
これまで新空間を視察したりワークショップを開催しながら、UDプラスのコンセプトを構築してきました。
2012年に仮設住宅を視察し、高齢化や世帯人数の減少、コミュニティや住戸計画など、日本が抱えているこれからの課題が山積していると実感しました。
そこで、住空間PJとして取り組めないかと、2014年度から「これからの日本の住宅を考える」を2020年までの継続テーマに設定しました。
2014年の国際会議では、「仮設住宅を考える」をテーマにワークショップを実施しました。
「住戸の間取り」「コミュニティ」を切り口に、仮設住宅についてダイバーシティ研究所の田村太郎氏からのレクチャーやメンバーからの調査報告を行いました。
さらに、仮設住宅居住者への暮らしと住まいについてのヒアリングから気づきを抽出し、今後継続検討をしていくテーマを抽出しました。
その後の定例会で内容をもう一度整理し、2015年度には防災にクローズアップしてその中でコミュニティや住戸を考えながら様々なワークショップを重ねることにしました。
2015年10月に、おばあちゃんコンシェルジュが掃除や家事全般をするシェアハウス「シェアネスト東横」(横浜市港北区)を視察しました。
古い一軒家に6つの個人部屋があり、「一人暮らしより楽しい空間を」をモットーに住民が打ち合わせをしながら、快適に住めるよう話し合いながら暮らしています。 入居者も殺到してりおり、主催者がこういう人に入って欲しい、と選別できるようになっています。
視察後には、「住戸」「コミュニティ」「住人」をテーマに、気づきのワークショップを実施しました。
2015年12月には、これから増加が見込まれるシェアの住まいや多世代の住まい方の絶好の事例として、「シェア金沢」(石川県金沢市)を視察しました。
事前に視察方針を事前検討し、「施設・住戸」「人」「コミュニティ」「今後」をテーマにしたヒアリングシートを作成しました。
シェア金沢は、「仏子園」という社会福祉法人が2013 年にオープンしました。障害児童がちゃんと名前で呼んでもらえて暮らせることを目的としています。障害児童の幸せを考え、施設内に学生用のアトリエ付住宅やサーヴィス付き高齢者向け住宅を作り、子供たちの生活を支える担い手として住んでもらっています。
また、毎日40名の障害者が施設内に働きに来ており、障害者の就労の場にもなっています。
視察後、荒井利春実験工房で気づきのワークショップを行いました。
住戸について、シェア金沢は設計時に「特別な建物は不要。家庭的な環境で暮らしたい」と要望し、プラバシーよりも関わりを重視しています。
人については、障害児童たちを支え、共感する人が集まって住む人が選ばれています。また、参加させる役割、目標を持たせる仕掛けがあり、自主的なコミュニティが生まれています。
シェア金沢は50年にもわたる障害児の暮らしを考えてきた集大成です。これからの施設として、部分ケアでは連続性がなく、手を掛けすぎることもためにはならない、また活動には「人」を育てることが最重要といった意見がありました。
継続テーマ「これからの日本の住宅を考える」に基づき、今後はワークスタイルプロジェクトと協働で事例視察と気づき抽出を継続していきます。
また、住戸のプロトタイプ設定し、今の当り前と個人への対応のための「標準+オプション」を試行します。
さらに、共通価値やたよる、たよられる心地よさなど、コミュニティのきっかけにつながる仕掛けを紹介していきます。