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2012.04.10掲載
UDの普及に向け、1つ目はIAUD各会員で活用できるUD標準化を推進すること、2つ目は広く社会で活用できる標準化の提案です。
「UDマトリックス」をテーマとした研究は、これらの実現のために2004年より取り組んでまいりました。
活動の軸をUD製品開発に活用するマトリックスへの織込み内容を充実させる事を目標に活動してきました。
世間における関係する各UD情報を関係者講演会なども含めて調査し、その結果をUD開発ツールとして、まずはマトリクスの作成、次は情報事例集のWeb版、冊子版をそれぞれ開発作成してきました。
本年度は、更に多様化したユーザーのニーズに即して、今後のUDツールの織込み内容充実に向け、各種勉強会・調査の機会等を継続し、更に各ツールの使い易さを改善することも各目標にして進めて参りました。
マトリックスの内容を充実させるため、講演会を開催して情報収集をしました。その中から3つをご紹介します。
まずは、震災関係で日経デザインの下川編集長をお呼びし、ポスト3.11に求められるデザインという題目でご講演頂きました。緊急時や今後に備える為のデザインはどうあるべきかを具体例を交えながら講演頂き、今後のUD標準化活動にはカラーUD、ヒストグラムの各標準化や、市場多様性に対応する事の重要性を認識しました。
次は、グローバル化に対応した標準化のあるべき姿について、産総研の持丸センター長から、『人間中心設計ガイドラインの国際標準戦略』のタイトルでご講演頂きました。特にグローバル化の中での製品安全に関係する標準化の価値、意義や、その仕組み、プロセスについてご講演頂きました。
我々、UD標準化活動における各成果に対しても、グローバル化に対応する事で存在意義の新価値を作り出せる可能性がある事をご指導いただきました。
最後に、震災関係で、大東文化大の前田講師から「やさしい日本語」のタイトルでご講演頂きました。先の阪神淡路大震災を機に、災害時において日本語に不慣れな外国人にどのような情報提供をするかを考える、「減災の為のやさしい日本語研究会」の共同研究プロジェクトでの主な活動内容を紹介頂きました。
我々の標準化活動に対してはグローバル化だけでなく、製品安全の為の表示デザインのあり方についても今後の検討内容と認識しました。
マトリックスのWeb版情報・事例集をより使い易くする活動について説明します。従来のマトリックスでは、例えば、「加齢性」に関して情報を検索しようとすると、ごらんの様に関係する様々な情報中から、沢山の時間をかけて探し出す必要があり、活用された多くの方々から課題を指摘いただいていました。
そこで、その課題を解決する為に、ごらんの様な「検索機能を追加する事」で、あらかじめカテゴリーを絞って、簡単に検索できるようになりました。
次年度の取組み案の三本柱を紹介します。一本目の柱は、マトリックスの更なる充実の為のスパイラルアップ活動です。これまで調査してきた内容や、研究部会の他のプロジェクト活動成果の織込み充実を図ってゆきます。
二本目の柱は、震災関係の対応です。今後も我々の身の回りに起こりうる災害時の備えとして、UD標準化に求められる項目は沢山ありますが、着実に対応できるように進めてゆきます。
最後の柱は、ユーザーを取巻く様々な環境、使用の多様性に対応や、また、本年秋の国際会議にも関係して、標準化のグローバル化への具体的な対応方策を検討してまいります。