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手話用語サブワーキンググループ 2015年度成果報告

2016.07.06掲載

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仁宮 浩氏

これまでの取り組み

仁宮 浩氏

2012年より手話使用者が利用しやすい製品やサーヴィスづくりを目指して、手話化活動を開始しました。
これまで勉強会や講演会、ワークショップを通して専門用語の手話が不足していることを認知し、新しい手話を作り普及させるためには、直感的でわかりやすい手話表現の創作が必要であることを確認しました。

2014年からは、外国人や高齢者、および身体障害者が、災害時に確実に避難できるよう、視覚的にわかりやすいグローバルボディランゲージを提案する活動に取り組んでいます。

災害時という場面を設定した背景には、2011年3月11日に発生した東日本大震災があります。放送が聞こえず、どこに避難すればよいのか、身を守るために必要な情報へのアクセスが困難な方々も実際に多くいました。外国人や高齢者、身体障害者が抱える「日本語が通じにくいハンディキャップ」「周囲の音が大きく騒がしい環境下で音声によるコミュニケーションが困難」などの問題に対して、「視覚的にわかりやすい緊急時コミュニケーションや誘導方法」を検討し、提案する活動を開始しました。
活動を通して考え方やポイント等を確認し、新しい手話作成のヒントにつなげようと考えています。

2014年の国際会議で実施したワークショップでは、グローバルボディランゲージの有効性や重要なポイントを確認できました。
2015年は、2016年の国際会議までにグローバルボディランゲージのプロトタイプを検討するために、2つのワークショップを開催しました。



ワークショップ「災害緊急時コミュニケーションを考えよう」

2015年8月には「第35回全国ろう学生の集い」の中で、ワークショップ「災害緊急時コミュニケーションを考えよう!」を実施し、グローバルボディランゲージの有効性ならび重要なポイントを再確認しました。



ワークショップ「いざ!という時のボディランゲージについて考えてみよう」

東京ワークショップや「第35回全国ろう学生の集い」のワークショップから出たキーワードを元に、定例会を開催して避難や誘導を促す表現を検討し、「津波」「火事」「地震」それぞれのボディランゲージ案を用意しました。

2015年10月、聴覚障害者や留学生を含む筑波技術大学と筑波大学の学生に参加いただき、「いざ!という時のボディランゲージについて考えてみよう」をテーマに、ボディランゲージ案を評価するワークショップを実施しました。

言葉が通じない、聞こえないなど様々な背景の方々からご意見をいただき、グローバルに通じるボディランゲージの実現に向けた問題点の明確化および改善のフィードバックを得ることができました。

参加者は、グローバルに通じるボディランゲージの重要性を認識されていたほか、「特に学ばなくてもできることが大事」「まず逃げることを伝えてから状況を説明するといった二発芸が必要」などの意見もありました。



今後の活動

筑波技術大学で開催したワークショップの気づきから、わかりやすく、使いやすいグローバルボディランゲージを実現するためには、もっと多様なユーザーを対象にした評価が必要だとわかりました。

子どもから高齢者まで対象年齢の幅を広げ、様々な国籍を持った方々に簡単に覚えられ、いつでも誰にでも使えるような表現を考えていく必要があると感じています。
今後も様々な方からのフィードバックを受けながら、グローバルボディランゲージ提案活動を継続します。

そして、障害者、高齢者、外国人がお互いに理解しあい、安心でいきいきとした社会の実現につながるよう、取り組んでいきます。




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