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標準化研究ワーキンググループ 2015年度成果報告

2016.07.06掲載

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深野 さゆり氏

これまでの取り組み

深野 さゆり氏

活動目標を、(1)IAUD各会員様で活用できるUDの標準化を推進すること、(2)広く社会で活用できる標準化のご提案、としてこれまで活動してきました。

2004年より「IAUD・UDマトリックス」を活動の軸に取り組んでおり、使い手と作り手を結ぶUD製品の開発ツールとして、エクセルシート形式のマトリックスを作成しました。

UD対応状態を明示して把握でき、タスク分析やベンチマーキングにも活用できます。また、多様なユーザーに対応する為に、様々な情報が含まれ検索が可能となっています。



図:これまでの取組み

2013年には会員向けアンケートや、東日本大震災被災者調査を実施しました。2014年度は、これらをふまえてUDマトリックスに「非常時の対応」項目を追加し、UDマトリックスの活用について広報、啓発してきました。

2014年の国際会議では、UDを学びたい人やおとな向けの体験ワークショップを行いました。そして、これまでの「UDマトリックス」を活用する上で、実際に「なりきって考える」観点から視覚系と動作系の模擬ツールを使って体験してもらい、「気づき」を抽出しました。



小学校でのUD体験ワークショップ実施

2015年度の活動では、東京オリンピック・パラリンピックを見据え、10月に東京都江東区立第六砂町小学校でUD啓発の体験型ワークショップを開催しました。このUD授業は、自ら体験して気づきを得られるプログラムとして、座学と体験、発表が90分で構成されています。1クラスを6グループに分け、メンバーが1名ずつ付いて説明と体験誘導を行いました。

事前準備として、座学で使用するテキスト「UDってなんだろう?」を作成し、当日配布しました。このテキストでは、UDの定義と、おとしよりや障害者が何に困っているのかを紹介し、その後、体験のしかたについて説明しています。

対象ユーザーごとに見開きでページをつくり、左ページには実施例と注意事項、右ページには体験中に気づいたことを書くメモ欄を設けました。


図:小学校用UD体験ワークショップ テキスト冊子作成

会場には、「車いす」「目がみえない人」「いろいろな見え方」「おとしより」「外国人」「妊婦さん」という6つの体験コーナーを設け、児童たちはグループごとに熱心に体験を進めてくれました。


図:車いすに乗った人

体験後、グループごとに気づきや感想を発表してくれました。このようにいろいろな人の立場に立って考えるきっかけをあげることが、日常や有事の際に、思いやりをもって人々に接する気持ちを育てることにつながるのではないかと思います。



UD体験ワークショップツールの作成

ワークショップの実施後、このようなUD授業を行ってほしいというご要望を複数からいただきました。
そこで、学校の先生方がご自身で授業ができるように、UDテキストをもとにしたアニメーションをパワーポイントで作成しました。

「UDとは何か?」をひも解く部分、各コーナーの体験マニュアル、そして最後のまとめと今後へのいざない、という3つの構成になっています。パワーポイントなので操作しやすく、データのブラッシュアップも容易です。



2016年度の取り組み

更なるUD標準化の充実に向け、小学生向けUD体験ワークショップのパッケージ化に取り組みます。

ワークショップ用テキスト改訂と増刷やワークショップの運営方針の検討をし、名古屋でも実施します。また、2016年の国際会議でも報告予定です。
さらに、IAUD・UDマトリックスの各企業製品実例の更新と外国語版も制作予定です。




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