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余暇のUDプロジェクト 2015年度成果報告

2016.07.06掲載

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松森 果林主査

CM字幕を取り巻く環境の変化とこれまでの活動

松森 果林 主査

2006年より「テレビCMにも字幕を」というテーマで活動しています。テレビの番組には90%以上に字幕がつきますが、会員企業の皆様が作られているCMにはほとんど字幕が付きません。

字幕のありなしでは、情報量が違います。これを「情報格差」といい、私たちはこの格差をなくしていきたいと活動してきました。


図:CM字幕を取り巻く環境の変化とこれまでの活

2006年、IAUD会員企業を対象に、「CMに字幕がないことを知っていたかどうか」調査を行いました。同時に生活者に対しては、「CMにも字幕が必要かどうか」というアンケートを行いました。
その結果、90%以上が必要だと答えました。

そこで、私たちは生活者の声をもとにして、広告主、放送局、民放連、広告業協会、アドバタイザーズ協会、総務省などに働きかけました。

2010年にはIAUD会員企業のパナソニック株式会社が日本で初めて、字幕を付けてトライアル放送を行いました。その後、いくつかの企業が後に続いています。

2014年には総務省が「CM字幕」をテーマに、国の検討事項として委員会を開催しました。当プロジェクトメンバーも委員会で発表したり、傍聴してきました。



2015年度の活動

(1)広告主と生活者との意見交換会

2015年9月に、広告主2社(JR東日本株式会社、花王株式会社)と生活者6名(ろう者、難聴者、難聴児の母親、難聴の大学生、聴導犬ユーザー等)が参加して意見交換会を実施しました。
「話題になる音楽や歌詞も知りたい」「企業HPの動画には全て字幕がほしい」「CMに字幕が付くのが当たり前の社会になってほしい」などの意見がありました。


(2)CM字幕オリジナルコンテンツ制作

東京都市大学の学生4名と一緒に、共同でCM字幕オリジナルコンテンツ制作に取り組みました。
仮想清涼飲料水「Su-to(スーット)」を想定したCMを3パターン(1.音なし、字幕なし 2.音なし、字幕あり 3.音なし、自由な表現での字幕あり)を制作しました。
共同で映像作りに取り組むことにより、学生とメンバー双方で新たな気づきを得られ、有意義な機会となりました。
2016年度には、オリジナルCMの上映会と意見交換会を行う予定です。


(3)Facebook「CM字幕応援団」による情報発信

CM字幕の情報を発信し、視聴者が気楽に感想や意見を言える受け皿づくりのために、2013年よりFacebook「CM字幕応援団」による情報発信を続けています。
毎日、字幕付きCMがどの番組で放送されているのか、放送時間や番組名など手作業で更新しているほか、CM字幕に関するセミナー等の案内や報告もしています。
現在、約2000の「いいね」が集まっております。ぜひ一度ご覧ください。

CM字幕応援団 https://www.facebook.com/cmjimaku



CM字幕の現在

長年活動してきた結果、CM字幕の環境は大きく整備されてきました。

一社提供枠の字幕付きCMトライアル放送は通常運用となりました。2015年からは複数社提供枠でのトライアル放送も開始しています。
また、「字幕付きCM普及推進協議会」も立ち上がり、毎年、東京や大阪でセミナーを開催しています。

現在は広告主が希望すれば、字幕付きで放送できる環境になりました。 2015年5月現在、IAUD会員企業は6社、非会員企業が9社、合わせて15社程度がCM字幕の放送をしています。



2016年度の取り組み

東京首都大学の学生と一緒に作ったオリジナルCMを活用し、豊かな字幕表現を考えるワークショップを開く予定です。

足音やボールを打つ音などの環境音、食べる音や飲む音などの擬音、音楽など、表現の難しい字幕表現の研究や、関係者との意見交換会をしていきます。

また、FacebookのCM字幕応援団で引き続き情報発信や、積極的に取組む企業へのヒアリングとその情報発信を通じて、CM字幕普及に貢献していきます。

2016年4月から障害者差別解消法が始まりました。事業者は差別の禁止と合理的配慮の提供を努力義務としています。字幕をつけないことが差別となりうる可能性もあるのです。

IAUD会員企業は、率先してCM字幕に取り組まれることを希望します。




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