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第2回 IAUD住宅学生コンペ 入賞作品①

2018.11.19掲載

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入賞作品:壁間に住まう

入賞:
「壁間に住まう」

法政大学院デザイン工学研究科建築学専攻
木下 将吾、飯塚 まり亜



コンセプト:

大人になると忘れがちな大切な何かを追憶し、都市における住宅の在り方を再考する。これは現代社会に生きる私たちの暮らし方に対するアンチテーゼである。
壁間が生む心地良い距離感は、人々の振る舞いに豊かさを与え、バラエティに富んだアクティビティを誘発する。
普遍的な一般住宅は、ドアを開けるとすぐそこにプライベートな空間があった。それに対し、本設計は土間や縁側といったエレメントを用いることで、私的領域の割合が徐々に高まるような計画とした。
外部空間にある道を土間というエレメントを介し内部まで延長させ、内と外をシームレスに連続させる。縁側に人が集まれば、そこは向こう三軒両隣の結節点となる。
壁間に住まう。
それは多様化する核家族世帯の住まい方に一石を投じ、閉じられた家のオルタナティブとしての、ゼロから作る日本の住まいとなる。


審査委員による講評①

審査委員長:古瀬 敏/静岡文化芸術大学 名誉教授

この提案は、6戸の住宅をセットにして設計し、それらの間にできる「壁間」を相互の関わりの場として捉え、災害時にはそこが近隣の人の応急避難所の代わりの空間になるという主張をしている。提案された住宅の住人はいずれも他人との付き合いをいとわないという設定になっているが、現実にそうなるかどうかはなかなか難しく、ことによるとこの住宅群はかつて試みられたコーオペラティブ集合住宅のように、気の合う人があらかじめ示し合わせて集まってくるということでなければうまくいかないかもしれない。


審査委員による講評②

「敷地」の既成概念を取り払い、迷路を構成するかのような“壁”の可能性や普遍性を示した作品である。さらに、壁の高さや厚さ、壁穴の位置や大きさによって多様性を持たせたり、領域を分けるのに地面のマテリアルを変える、土間や縁側によって空間や人をつなげる、このエリアは道路より高くするなど、住人や周囲には何気なく感じさせながらも、意図的かつ効果的な提案が満載で、内と外の概念を変える面白い提案である。災害時の使い方についてはやや後付の感じがあり、どういう状況で人が集まり、暮らしているかの納得性が弱く思えた。一方、UDプラスの観点からは、この多様な場で生まれるデライトな展開についての案も検討いただけるとより良かった。


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