講演者
【写真01】基調講演の様子
ホワイトハウス氏は、自身のUDに対する理念と取り組みについて、アクセシブルデザイン、インクルーシブデザイン、サステナブルデザインの3要素から成る「レスポンシブルデザイン」と表現した上で、その意味するところを、ニューヨークの「ライトハウス」や「ハーレムゲートウェイ」などのプロジェクトの事例を通して説明した。
ゴールドバーグ氏は、テレビ放送、DVD、ウェブなどのメディアにおける字幕や音声解説技術開発に対する様々な取り組みを、ニュースや料理番組、そして「ライオンキング」や「シンプソンズ」などのアニメや映画番組の例を交えて紹介した。
講演者
【写真02】基調講演の様子
プライザー氏は、空港、病院、美術館、競技場、オフィスビル、大学、交通信号機、エレベータ、トイレなど、世界の様々な建築物、設備などの事例をUDの7原則に沿って概説した。
ジュイエ氏は、「『障害者』を区別して考えるのではなく、『特別なニーズのある人』、つまり、障害者、貧困者、英語を話せない人、子供、高齢者などを含む大きなグループとして考えることが大切」と、基本的な考え方を示した上で、米国で起こった災害と政府の対応、緊急時に対する備え等について紹介した。
【写真03】基調講演の様子
はじめに、上田氏から、「全人間的復権としてのリハビリテーションとUD」と題して講演があった。上田氏は、患者本人が幸せになれる人生をつくれるようにするためには、「医学モデル(個人の問題を治療するという考え方)と社会モデル(参加を妨げる社会を改善するという考え方)の両方を統合したアプローチが重要」と、総合リハビリテーションの基本的な考え方を示した上で、医学的リハビリテーション、特別支援教育、職業的リハビリテーション、社会的リハビリテーションといった、幅広い分野が連携することの重要性を強調した。
次に、「良くする介護とUD」と題して講演した大川氏は「介護は不自由なことを手伝うのではなく、生活機能を良くすること。やり方によって、生活機能を良くすることもできるし、逆に悪くすることもある」と、介護予防、廃用症候群、つくられた歩行不能などの話を通して説明した。
両氏から、WHOのICF(国際生活機能分類)の活用はUDにおいても有益との貴重な助言があった。
パネリスト
コーディネーター
【写真04】特別セッションの様子
はじめに、澤田氏から、ドイツやスウェーデンの例を紹介しながら、団地再生における今日的な課題が、そして、細野氏からは、日本のニュータウンにおける団地の実態と課題が示された。
続いて、宮川氏から社会システムの観点で、黒岩氏からは、地域医療の観点で、それぞれ団地再生における課題が示された。
続いて、カセム氏から、医療システムに関する取り組みが紹介され、小野氏からは、社会システムのIT支援、システムの特徴、方向性が示された。
最後に、田尾氏から、「縦割りの社会であることが、社会システムデザインの弱点になっている。今後、ネットワークを拡げて刺激しあい、生活者も含め、どういった関係でデザインし、運用していったら良いのか、追求していきたい」と、議論をさらに拡大していく意向が示された。
講演者
【写真05】特別セッションの様子
バララム氏は、インドや中国を例に取り、発展途上の多数世界のUDを取り巻く現状や課題の全体的な傾向、急速な近代化が引き起こす伝統文化や宗教観との軋轢など、自身の取り組みを交えながら紹介した。
ザザイ氏は、アフガニスタンが20年以上続いた戦争の影響で、安全、教育、医療サービス等を含むすべてのインフラが崩壊している事実、そしてその中で赤貧に喘ぐ障害者の生活実態を紹介した。また、貧困や差別をなくし、教育や生活環境を整備するための国際的支援の必要性を訴えた。
サチディーバ氏とアガワル氏は、主にインドにおけるバスや地下鉄などの輸送面でのUDの取り組みを紹介した。
【写真06】IAUDセッションの様子
本セッションでは、IAUDの理念や活動方針、各部会の活動内容などが紹介された。
戸田議長の挨拶に続き、川口理事長からIAUDの理念と活動方針の概要が披露された。
続いて、研究開発企画部会の神宮秀一部会長と事業企画・広報部会の片上義則部会長から、両部会における組織構成、運営体制、活動内容等が説明された。
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はじめに、住空間PJの宮脇伸歩主査から、「国際比較を踏まえた『入浴』のUD研究」というテーマで研究発表があった。
次に、移動空間PJの近藤勝之氏から、「シームレスモビリティーの実現を目指して」というテーマで研究発表があった。
続いて、まちづくりPJの鷲見三郎主査から、「まちづくりのユニヴァーサルデザイン」というテーマで研究発表があった。
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本セッションでは、各WGやPJ、Gで進めているUDガイドラインの研究について、発表された。
はじめに、標準化研究WGの野村昌敏副主査から「使い手と作り手を結ぶIAUDユニヴァーサルデザインマトリックス」をテーマに、研究発表があった。
次に、広報G出版企画チームの高田知之チームリーダーから「IAUD会報のガイドライン」をテーマに、研究発表が行われた。
続いて、労働環境PJの室井哲也主査から「会議のユニヴァーサルデザイン」をテーマに、研究発表があった。
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はじめに、IAUD事業企画広報部会アウォード担当の小島辰夫主査から、IAUDアウォードの意義やねらいについて説明があり、2005年度に実施したIAUD会員企業を対象としたアウォードの試行審査の概要が紹介された。
続いて、試行審査の委員長を務めた早稲田大学・小松原明哲教授から、IAUDアウォードにおける社会的意義、進める上での大切な視点などについて解説があった。
続いて、2005年度に行われた試行審査への応募事例より、「日産ヒューマンマシンインターフェース開発活動」(日産自動車・堀内陽子氏、美記陽之介氏)、「トッパンのUD活動」(凸版印刷・竹島寿子氏)、「企業、団体の壁/利益を越え、ユーザー本位のユーザーインターフェースデザインを提供」(CRXプロジェクト・石田章氏)、「日立のCSRとユニヴァーサルデザイン(UD)」(日立製作所・久保田太栄氏)の4件につき、それぞれのUDへの考え方や具体的な取り組みについて、紹介があった。
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【写真07】パネルディスカッションの様子
はじめに、普及啓発WG・細山雅一主査から「IAUDが進めて来た、使い手と作り手の対話」と題して、発表があった。
続いて、ワークショップWG・市場純生主査は「IAUDワークショップにおける対話から生まれるUD開発の可能性」と題して発表した。
続いて、フリーランス・UD研究者の松森果林氏からは「IAUDの対話の成果と課題は?」と題して、発表を行なった。
最後に、「日経デザイン」の編集長・勝尾岳彦氏が「UDに取り組み、進化する日本の企業」と題して発表した。
その後のパネルディスカッションでは、「対話」をどのような視点でとらえるか、UDと経済的効率性をどのように両立させていくか、今後UDが主流となっていくためには何が必要か、IAUDの今後の課題は何かなどについて、4名のパネリストによる活発な意見交換が交わされた。
※会議の各セッションで行われた講演の詳しい内容につきましては、講演集としてまとめ、出版することを予定しております。
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