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UD2006テーマ

さりげなく、大胆に

使い手と作り手の対話、実践そして実現


使い手と作り手の対話が指摘されて久しい…。
具体的な実践を求める声もまた日増しに大きくなっている…。
ユニヴァーサルデザインの本質は、人を慈しみ、思いやる心…。
さりげない配慮を大胆な発想で実現していこう!



開催趣意書

 国際ユニヴァーサルデザイン協議会は、2006年10月、京都において「第2回国際ユニヴァーサルデザイン会議」を開催いたします。
この会議は2002年11月に横浜で開催した国際会議の理念を継承し、この4年間で進展した研究や活動の成果を披露する場として位置づけています。
 ユニヴァーサルデザインとは、できる限り多くの人々に利用可能なように最初から意図して、機器、建築、身の回りの生活空間などをデザインすることですが、2002年の横浜会議の最後を飾る「国際ユニヴァーサルデザイン宣言」では、一歩踏み込んで、一人一人の人間性を尊重した社会環境づくりをユニヴァーサルデザインと呼び、使い手と作り手の関係を再構築することで、社会のすべての面に適用されるべき人間中心のしくみ作りを急ぐことが重要と提言いたしました。

 昨年、日本は65才以上のいわゆる高齢者の割合が全人口の20%に達し、未だかつていかなる国家も経験したことのない超高齢社会(SUPER-AGED SOCIETY)に突入しつつあります。視力や筋力の衰えなど加齢に伴う身体機能低下が顕著となる50歳以上の世代を加えれば、その割合は実に全人口の40%を超えているのです。
 こうした社会の深刻な変化にもかかわらず、都市空間や交通機関はまだまだ未整備であり、高齢者や身体障害者、子供や妊産婦、あるいは言葉や生活習慣の異なる外国人など多くの人々が不便や不自由を強いられ、また時として生命の安全が脅かされる場合もあります。不便さや事故につながる危険性は家庭の身近な場所や、ふだん何気なく使用している生活機器の中にも存在します。年齢、性別、能力の違いなどによって、不当な扱いをされることのないよう、人間性や多様性に配慮したデザインを徹底しなければなりません。
 社会的責任(CSR)や顧客満足度(CS)の向上を掲げる企業にとって、ユニヴァーサルデザインはもはや必須条件であり、これを無視しては企業の健全な発展は望めません。行政においては、さまざまな住民が共に安心して暮らせる街づくりを進めるための基本政策ともいわれています。
ユニヴァーサルデザインの実践は、我が国の国民すべてにとって有益であり、ひいては地球上のあらゆる人々の福祉向上に貢献することなのです。

 今回の国際会議は、米国のADAPTIVE ENVIRONMENTSが開催する「21世紀のためのデザイン」や英国のHELEN HAMLYN RESEARCH CENTREが主催する「INCLUDE」とも理念を共有するものですが、むしろ日本国内の街づくりやものづくりの優れた事例を積極的に世界へ発信したいと意図しています。そして、産、官、学の垣根や言語や文化の違いを超えて、多様な人々が一堂に会し、情報の共有化と人的交流を行うことで、より質の高いユニヴァーサルデザイン社会の実現をめざしています。
 ユニヴァーサルデザインが可能とする新世界の創造へ向けて、さまざまな立場の方々の幅広いご支援とご協力、そして積極的なご参加をお願いいたします。

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