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2021.03.04
「第8回国際ユニヴァーサルデザイン会議2021 in ザ・クラウド」開催速報
2021.02.11
第8回国際ユニヴァーサルデザイン会議 2021 in ザ・クラウド 開催のご案内
2019.06.25
2014.12.25掲載
欧州と米国、それ以外の地域におけるユニヴァーサルデザインの最新事情を報告。
日本におけるユニヴァーサルデザインのさらなる普及発展に参考となるポイントは何か、BRICsほか。
新興国や発展途上国へのユニヴァーサルデザインの円滑な知識移転、トランスファーが可能か等を検証。
母国ルクセンブルクを中心に欧州地域のユニヴァーサルデザインの取り組みについて講演。
欧州の地域的な特徴(多様な言語、伝統、価値観など)の違いから活動が困難であったなか、人中心のアプローチによりアクセシビリティを考えようと具体的な環境づくり、公共輸送、住宅、公共サービス等へもアプローチ。
その取組みの中で、みんなのためのデザインフォーオールというコンセプトが生まれる。デザインフォーオールによる意思決定のコミットメント、コーディネートと継続性のある組織をつうじたネットワークづくりが必要。
今後は次世代の事も考え、サステナビリティにグローバルなコミットメントをすることでデザインフォーオールをみんなのための社会にしていく事が必要。
アクセストゥーデザインプロフェッショナルプログラムを通じてサンフランシスコ 州立大学での取り組みを紹介。
このプログラムは工業学部だけでなく、障害者プログラムセンターやそれ以外 の各部門、エンジニアプロセスとも組合わせ各学業分野をまきこんで大学全体 で取り組んでいる。
単にデザインのプロを集めるだけでなく、コミュニティーや大学をサポート。 学生を募集し、デザインのプロを希望する人を受入れ、ユニヴァーサルデザイン を広める。
いろいろなキャンペーン、インクルーシブな活動を通じて、すべての参加者が 「何がユニヴァーサルデザインか」がわかる指針をしめす。
アフリカ ウガンダでの活動を中心に高齢者とインクルーシブ、ユニヴァーサルデザインの取り組みについて講演。
インクルーシブでは誰でも使えるもの、例えば提供するツール、サポート、お世話することが必要。私たちが支援するとき参考にできるのは、ユニヴァーサルデザイン、デザインフォーオールが考えの枠組みとなる。
ものやサービスを平等に楽しめる事、環境・整備をあらゆる年代が使えるようにするアクセス、モビリティが大切。支援だけでなく、いろいろな方が文化の分断を乗り越え、コミュニケーションを取れるようにすることが重要。
人々が意思決定をし、リソースを使える場所をつくることが、インクルーシブな環境をつくることにつながる。
総監修の荒井先生と藤木委員長が、目的やテーマなどについて説明されました。目的はユーザーとの対話などを通じ一人ひとりの人間性を尊重し、使い手中心の考え方を重視したものづくりや、社会環境作りです。今年のテーマは人や街、そして未来を繋ぐ意味をこめて「おもてなし」としたとのことです。続いて6チームの代表からそれぞれの提案について発表が行われました。自然に止まれる機会をつくりだす「駅のとまり木」、みんなで楽しめる場所「SEASIDE CLIP」、風が道案内をする「ウインドガイドパブリック」、お買い物サポートロボット「BUDDY」、香りや匂いがランドマークとなる「Kaotter」、障害の内容を表す「WA」が紹介されました。
穐本研究部会長よりIAUD研究部会の活動概要が紹介された。
木暮研究副部会長より東京ワークショップの概要が紹介された。
(IAUD研究部会:移動空間プロジェクト/メディアのUDプロジェクト)
(IAUD研究部会:衣のUDプロジェクト)
(IAUD研究部会:ワークスタイルプロジェクト)
(IAUD研究部会:標準化研究ワーキンググループ 手話用語サブワーキンググループ)
(IAUD研究部会:住空間プロジェクト)
(IAUD研究部会:標準化研究ワーキンググループ)
木暮副部会長よりワークショップのまとめと今後の活動予定が報告された。
今回の国際会議を総括し、成果は何か、新たに明らかになったことは何か、今後の議論ポイントは何か等について、川原 啓嗣氏(IAUD専務理事)をコーディネーターに話し合われた。
福島・東京開催とし、被災地を訪問することが福島の体験の一部になったことは良いやり方であった。また被災地復興とオリンピック・パラリンピックの2テーマ設けたことも良かった。日本の文化の根底にある「おもてなし・思いやり」の力は素晴らしく、日常生活の基盤となっている。2020年東京オリンピック・パラリンピック開催はIAUDにとってチャンスであり、設備、道案内、プロモーション、交通、などいろいろな要素にUDを優先できるかが重要である、と述べられた。
福島では、自然と人間の要素の2つが相まって状況を変えたことが言える。新しい持続可能な社会を作る、安定した社会を作る価値を受け入れたなら、ユニヴァーサルデザインのイノベーションを通して、実践的にその知識を適用していける。東京は、2020年までの間、ユニヴァーサルデザイン、特に環境持続性を実践する都市との連絡が必要である。新しい日本の持続可能な未来へ向けて、経済的、社会的、生態的な持続可能性が揃えば、本当の意味での持続可能な社会となる、と述べられた。
UDは伝統と進歩のバランスである。私たちが今後どう発展するかを考える上で、作業性だけでなく、戦略、先見性を考えていくことが必要である。ユニヴァーサルデザインにはグローカルなチャンスがある、ユニヴァーサルデザインには何が含まれるのか、アプリケーションも広げられる、機能面だけでなく夢を考えていく、南半球と北半球のこともメインストリームを考える、今までは個を見ていたが、今後は全体を見ていければ、ユーザーではなく人を考えることが大事である、と述べられた。
人々の個性を尊重するためには、UDの心の普及が有効である。そのためには多様な個性を自分のこととして受け止めることが重要である。しかし、多様な個性への配慮の推進は、権利のバランスという葛藤が生じ、UDも避けられない。デザインはそうした葛藤を高いレベルで超えることのできる形や使い方、情報や価値を創り出し、より豊かな社会を生み出すことに貢献できる。UDを推進する際には、サービスの作り手がその心を理解し、体験できる機会を増やすことが重要である、と述べられた。
川原IAUD専務理事の挨拶に引き続き、古瀬氏から優秀論文の発表が行われた。最後に加藤実行委員長から、会議全体の議論状況を踏まえ、「国際ユニヴァーサルデザイン宣言2014」が読み上げられ、5日間にわたる国際会議が閉幕した。