2021.03.04
最新記事
2021.02.11
第8回国際ユニヴァーサルデザイン会議 2021 in ザ・クラウド 開催のご案内
2019.06.25
2014.12.25掲載
福島のプレカンファレンスで実施されたフィールドサーヴェイと公開ワークショップの報告が行われた。福島県各地をバスで巡りながらの現地調査により様々な問題が浮き彫りになったとのこと。東日本大震災で大きな被害を受けた福島県および東北地方の復興と再生に向けた事業提案などが4名のプレゼンターから述べられ、その後パネルディスカッションが行われた。質疑応答では、福島県庁からの参加者から次のような言葉があった。「日本には、『百聞は一見にしかず』という言葉があります。聞いているだけでは誤解が生じたりします。是非福島に来て、元気な福島を見て、応援していただければと思います。」
それぞれのフィールドサーヴェイの報告に先立ち、東日本大震災の被害状況、現在の福島の姿、復興にUDでできることなどについて述べられた。まず東日本大震災がもたらした大きな被害状況やその後の復興の現状について、具体的なデータをもとに説明された。続いて3つのルートに分かれて行われたフィールドサーヴェイとワークショップの概況報告が行われた。最後に今の課題として、風評と風化について述べられた。「原発事故に伴う風評は根強いものがあり、また発生から3年8カ月が経ち、風化も進んでいます。これらを払拭するために、会場にいる参加者に実情を正しく発信してほしい。」と語られた。
沿岸部と小高区、相馬市復興住宅などのフィールドサーヴェイを経て実施されたワークショップの内容について報告された。農耕ベースの社会からどう移行するか、高齢者は地元に戻ってきているが若い人は離れているなどの問題点を共有し、その後3つのチームに分かれて解決策を討議したとのこと。例えば「目標を持った都市にするためにはどうするか。その中で人々がつながり、帰属感を共有するにはどうするか。新しい福島の未来を市民のあいだでどう発展させるか。」など。解決策として、福島に戻ってきた人たちに親善大使になってもらい、遠く離れた人が戻ってくる理由を伝達していくなどが提案された。
浜風商店街、仮設住宅などのフィールドサーヴェイの内容について報告された。スーパーマルトでは、どうすれば顧客の特別なニーズを受け入れることができるのかと考え始めており、標識の大きなフォントの使用などを見学された。また震災後に仮設商店街として作られた浜風商店街では、皆さんの優しさに触れ、通訳がいなくても笑顔、明るさでコミュニケーションできることに感動したと述べられた。仮設住宅では、同じ地域の方々が離ればなれにならないよう一緒に移ったと聞き、ユニヴァーサルデザインは物理的にアクセシブルなだけでなく、個人の行動、考え方に通じることを示していると思われたとのこと。
会津木綿工房や会津漆器工房、女子の暮らしの研究所などのフィールドサーヴェイを経て実施されたワークショップの内容について報告された。伝統の会津木綿の新しい用途としてのアクセサリーや、器を作るのに10年以上かかる木製の工芸品などを見学された。その際に職人が自然を愛しており、彼らの経験や実践的なアプローチがより深い直感的なグッドプラクティスを生み出すことを理解したとのこと。「伝統から自然との対話が生まれ、新しい価値がうまれ、ユニヴァーサルデザインの革新が起こる。それが成功につながる」というサイクルを福島から世界に示すことができますと提言された。
第1期 1960年より前の時代から
第2期 1960年という象徴的な年
第3期 1961年からオリンピックの準備が進んだとき
オリンピックには高度経済成長が背景にあるが、1つの結節点となり、「デザインの社会化」が実現した。シンボルマーク、ピクトグラム、多くの競技施設、新しいインフラストラクチャー、こういった競技用デザイン、都市デザインなどが出現。デザインのもつ優れた効用、力というものを人々の目に強く焼き付けた。
ランチタイムに開催されリラックスした雰囲気で聴講できるお弁当付きセミナー。 同社のUDの理念が具体商品や研究を交えて解説された後、超高齢社会に向けた最新取り組みが紹介された。
2020年にオリンピック・パラリンピックが開催される東京、かつての江戸からの変遷、そして未来の東京のビジョンへの考察をテーマとして、江戸の伝統文化と先端技術が渾然一体となって融合している大都市東京の魅力を、米山氏が「江戸時代から近代の江戸東京の町の建築」を、内田氏が「先端テクノロジーを通した日本文化」を、アラガイ氏が「江戸しぐさからの今後の進むべき道」を、比較文化論的なアプローチにより考察、ユニヴァーサルデザインの観点からも今後どのような改善や提案が望まれるかなど、議論された。
臨海副都心まちづくり構想に代表される東京の未来都市ビジョンや復興地や被災地での街づくりはどのように描かれるべきなのか、そこにはユニヴァーサルデザインの考えがどのように生かされているのか、 またビジョンを現実に落とし込む上で、どのような苦労や問題点があるのか等、それぞれの講師のプレゼンテーションと会場との意見交換を通して考察する。
災害時にどこへ逃げたら安全なのかがわかる地図を作る活動を開始。浸水しやすい場所・逃げ遅れやすい場所がどこかをわかるようにすることを目標に作成。
後期高齢者の歩行スピードを参考に、3分での移動量を計算(129m/3分)、3分ごとに色分けを行った。結果、どちらに逃げれば早いかが見えるように。
さらに、各個人が抱えるリスクと照らし合わせて生活環境をデザインすることがこれからの社会に必要。災害のリスクを低減する方法を地元の方と協力して、地図を作る事が「安全・安心のまちづくり」に重要。
東京で進行する都市づくりのうち、ユニヴァーサルデザインの思想を踏まえながら、「できるだけ多くの人が、スムースに、心地よく、移動・利用できる」インフラ整備計画を中心に、「移動の円滑性・連続性」,「快適性」,「安心」に関連して講演。
一般道路のボトルネックは踏み切りの存在。都内には約1,000箇所の踏切があり、交通渋滞・緊急車両の通行にとってバリヤになっている。鉄道の一定区間を高架または地下にする「連続立体交差事業」を推進。
大きな交通結節点として、東京駅・新宿駅・渋谷駅周辺で利用者がスムースに、快適に、かつわかりやすく移動・滞留できる改善に取り組む。
新宿駅周辺では、鉄道線路上空を活用した人口地盤をつくり、歩行者広場やタクシー・一般車の乗降場、高速バスターミナルなどを一体的に整備。 改札内中央通路を改造して、改札を移動し、自由に行き来できる「自由通路」を整備中。
駅周辺のエレベーターをワンルートから2ルートへ。ホームからの転落事故防止のため、各車両ドア位置に対応した新しいタイプのホームドアも開発。
歩行者空間整備として、ゆとりある歩道と地域交通をさばく車道を整備。歩道空間を利用したオープンカフェや沿道と一体空間を創り出す「東京シャンゼリゼプロジェクト」を推進。
建物の不燃化を推進し、「燃えない」「燃え広がらない」街の実現や、地震等による災害時に緊急輸送道路を定め、緊急化を高めるなど「安全・安心」につながる防災都市づくりにも取り組む。
サービスアーキテクチャーは、都市空間だけでなく、社会的な人とのつながり、 パーソナルチョイスを作ること。
フィックスマイストリートというイギリスのHPでは、自分の住む道路で、電気が切れている、駐車の仕方が悪いなどと入力すると公共サービスの担当者が改善してくれる。サービスアーキテクチャーは、サービスや医療、友人、店などアクセスを提供するもの。
インクルーシブデザインという遺産、さまざまな基準を維持し、新しい生活ができるよう、さまざまな年齢や能力を持った市民をとりこみパラリンピックの精神を生かす取組みも推進。人間中心のサービスデザインの重要性をロンドンオリンピック・パラリンピックの事例の中で紹介。