セッション1 UDのグローバル展開
オンニ・エイクハウグ氏のコーディネイトで、「UD」をアラガイ氏が、「インクルーシブデザイン」をギーラオ氏が、それぞれ事例等を交えて紹介し考え方の違いを紹介したが、UDをツールとして同じ目的を達成するためには共通点を導き出し、さらにアプローチを統一的なものにすべきであるとして、閉会式で発表する展開となった。また、質問時間では、会場の川原IAUD専務理事がこのセッションの背景と目的を聴衆に補足説明した。
コーディネーター
○オンニ・エイクハウグ(ノルウェーデザイン協議会プログラムリーダー:ノルウェー)
代表
○フランセスク・アラガイ(デザインフォーオール財団代表:スペイン)
代表
○ラーマ・ギーラオ(英国王立芸術大学院ヘレンハムリンセンター副所長:英国)
会場風景
3氏討論
セッション2 大震災を乗り越えて
講演風景
○佐々木 一十郎(宮城県名取市長)
- 被災状況の説明、地震発生後1時間5分で津波
- 被災後の情報入手(1位ラジオ、2位家族・隣人、3位テレビ)
- 災害対応での課題→わかりやすいシステム、ローテク、V-Lowラジオ
○須川 哲治(元福岡市都市整備局玄界島復興担当部長)
○スリニバサ・ポプリ(国連人間居住計画(ハビタット)上級人間居住専門官)
- 災害、再建の後の活動プログラム(97年設立)
- アジア太平洋オフィスは福岡
- 訓練する予防、アプローチ
ランチョンセミナー
各企業のUD方針や製品事例を、昼食をとりながら紹介する特別セミナー。
花王株式会社
パナソニック株式会社
株式会社丹青社
公開セミナー/セッション3 救難・救助~災害出動におけるUD
それぞれ陸、海、空の立場で述べていただき、機能や役割の違いがよく理解できた。また、しっかりユニヴァーサルデザインの視点を述べていただけたことが印象的でした。人の問題が重要であることを再認識。
○冨井 稔(陸上自衛隊第5施設団長兼小郡駐屯地司令 陸将補)
今回の災害の特徴は「津波」「原発」の複合災害
対応時系列 人命救助→行方不明者捜索→生活支援→住宅地造成
ユニヴァーサル的配慮
現場に寄り添う活動
- 「御用聞き」:木目細やかな対応
- 「女性には女性隊員」:ユーザー安心対応(生理用品、肌荒れ防止化粧品)
- 「お話伺い隊」:それぞれの地域方言対応(=会話のユニヴァーサル)
- 「救援物資仕分け」:女性隊員仕分け参加、カタログ作成
○米丸 祥一(海上自衛隊佐世保地方総監部監察官2等海佐)
海上(護衛艦隊)からの救助の特徴(四面環海)
- 陸路不使用対応、単体長期間滞留可能、小型小回り、広域対応など機動性の発揮
- 主な任務作業 補給、物資搬送、人命救助、港湾調査
○杉山 政樹(航空自衛隊西部航空方面隊副司令官 空将補)
- 先ずの作業 滑走路確保
- 対応時系列 遺体搬送→支援部隊搬送→集中捜索/救助→生活(炊出、入浴)支援→物資整理支援
総括
指揮命令系統について
- 被災者に寄り添うことを基本に陸/海/空各隊でそれぞれ切り分け
- 責任区域(地区)を明確化
- 通信系遮断に対しては 予測範囲内で行動
隊員のケア
- 特に若い隊員への心の負担軽減策
- 夜のグループ討議(10名程度)今日やったことを全員で共有
- 戦力回復センター設置
- 現地から離れた地域(一時的回避)即時性の猶予(移動4時間程度の距離)
- 心の癒しに有効
セッション風景
右から
冨井陸将補、米丸二等海佐、杉山空将補
被災地を訪問された故親王殿下のコマも
公開セミナー/セッション4 安全・安心~治安・防災におけるUD
海上保安庁、福岡市消防局、福岡県警察本部からそれぞれの役割分担と活動の展開をプレゼンテーション
○太田 吉一(海上保安庁第七管区海上保安本部警備救難部長)
- 安全と治安の確保、海難救助、法令の執行、警備など
- 防災:「救助を求める人の声を聞く」「どのようにして行くのか」「どのような手順で(運ぶのか、治療するのか)」
- 通報:118番(110番や119番と同列)
○藤原 謙治(福岡市消防局警防部長消防司監)
- 救急出動時間の平均速さは全国1位
- 消防組織法(応援体制・連携強化、市→県→国)※東日本大震災では被災地3県を除く44県が応援
- タイムリミット「72時間」
○柴田 和敏(福岡県警察本部警備部警備課管理官)
- 東日本大震災では現地に出動(現場の捜索、交通検問、警邏活動等)
- 事前準備の重要性と隊員の健康管理にも配慮
- 地域住民との交流で激励される
市民の心構えとしては、先ずは、自分の命は自分で守ること(頼らない)。我々が行く前にコミュニティが活動している。つまり、「自助・共助・公助」である。むしろ、公助は復興等に頼って欲しい。
また、救難・防災・治安等の活動にそれぞれが連携を心掛けているが、地域にも参加して欲しい。
そして、時と場合に応じたリスクを認識した対応は、「正確な情報入手・判断と行動」が基本である。
公開セミナー/セッション5 安全・安心な地域社会づくり
災害に見舞われた場合、自治体としてどのような対応が゙望まれるか、普段より備えるべきことは何か、さらにUDの観点から今後どのような改善や提案が望まれるか等、清水 鳩子氏(右写真、主婦連合会 参与)をコーディネーターに、それぞれの自治体の特殊な事情も踏まえつつ、お話いただきました。
公開ワークショップ ビジネス&デザイン:人間中心デザインの考え方
講師:ラーマ・ギーラオ氏、オンニ・エイクハウグ氏、フランセスク・アラガイ氏
UD手法を体験するワークショップとして各国からデザイナーが参加。UDは誰に聞くか、何に注目するかが重要で、多人数に聞くより少人数から多数のインスピレーションを得ることを重視。実際のユーザー自宅写真を基に6名程度のチームで自由な発想で困り事を解決するアイデアを展開し相互に発表をおこなった。非常に活発で楽しく、新たな体験に満ちたワークショップとなり、指導の3氏からもメンバーへの賞賛の言葉があった。
全景
チーム指導
発表
講師陣
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