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「第8回国際ユニヴァーサルデザイン会議2021 in ザ・クラウド」開催速報
2021.02.11
第8回国際ユニヴァーサルデザイン会議 2021 in ザ・クラウド 開催のご案内
2019.06.25
2012.10.20掲載
冒頭に本年薨去された故寬仁親王殿下と故山本IAUD会長に黙祷を捧げ、伊久副会長の開会の辞により『第4回国際ユニヴァーサルデザイン会議 2012 in 福岡』が開幕した。瑶子女王殿下のご臨席、野田首相のメッセージ代読、小川福岡県知事、高島福岡市長のご挨拶など、この会議への大きな期待が伝わる開会式となった。大震災の経験を活かし、安心・安全~UDの基本を考え、福岡という開催地にふさわしくUDをアジアに拡げることを目指すと確認した。
故寬仁親王殿下への感謝を黙祷で表明、殿下のご指導によるIAUD発足の経緯などを具体的なエピソードを交えて紹介した。また、第1~3回の国際会議の内容と成果を紹介しその意義を確認した。大震災については世界の支援に感謝するとともに、被爆国、津波被災国、原発事故経験国である日本は災害に備え、人間性を大切にするUDによる課題の克服を各国と協力しようと呼びかけた。
自身の経験したエピソードを中心に、世界の困難な状況にある人への支援などを紹介した。アフリカでの支援事例では現場任せにしない同氏ならではの活動から、日本との文化や社会環境の違いを指摘、震災については日本の終戦直後との比較で、いかに現在の日本が恵まれており、世界では特殊な環境かを指摘した。各国の良いところも見て、老人がより活躍できる国にしようと締めくくった。
それぞれの専門の観点で、これまでの災害の現場で見えてきた課題などが議論され、今後の有効な施策の方向性が提示された。
防波堤の高さや避難路の長さ、坂道斜度、階段、車の渋滞など災害時にいかにバリアになるかが現地調査のデータと共に報告された。徒歩による避難が有効ではあるが課題も多いことが指摘された。また、非日常性のためにメンテナンスコストが割高になる災害特化施設の課題も提起された。
課題解決の策として「ユニヴァーサルアクセス」が提案された。移動時間の最短化や緩い傾斜地を随所に取り入れた公園のデザインが示され、日常から利用できる町作りが示された。
さらに、有る程度の高さのエリアのアクセス(上でのつながり)可能な動線確保も提案され、2次的避難所(食料庫兼ねる)の設置も提案された。
災害に備えるための仮設住宅のデザインについて報告があった。避難中、避難所での死亡原因として肺炎、心筋梗塞が多いことの顕在化が報告された。長い通路、階段などトイレに行くことの困難や、暗い、和式トイレに行きたくない現状や、そのために水を飲まないなど、喉/血管系のトラブルの証との報告。日本の避難住宅の基本的な考え方(水害、台風対応、数日対応仕様など)が地震などの長期化にそぐわない、また、仮設住宅(2年標準)の長期使用実態(神戸震災5年)、生活の場としての適性、工事現場的建物などデザインの問題が多く指摘された。(ユニットバス各戸に必要か? 共同浴場の希望、公園や田んぼの上への設置=水はけが悪い、湿気)。今後は50代男性の肝疾患(仕事が無い)、80代女性の心血管疾病が課題になる
災害、暴動、テロの災害の観点で課題が指摘された。人は多様であり人権の尊厳はミニマムであることや、プライバシーを守ることの有効性が提起された。災害時の排斥行動など国や宗教、文化に起因する諸例も報告された。(国際的な特徴)ソリューションにデザイナーが参加することの重要性や合目的デザイン(テントに水をかけるとコンクリート化する仮設住宅、ホイール折りたたみ式の車椅子など)災害時を想定したシーンをデザイナーと開発者とが一緒に考えることの重要性が提起された。
災害時UDの効率的な開発方法として以下のいくつかのキーワード場提示された。
研究部会活動報告の後、全員でディスカッション。以下のキーワードで議論が進んだ。
見事に若い人の知恵が福岡に集結でき立派な成果が出た
ユーザー参加型がしっかり機能していた
ここ福岡でみんな参加型のデザインの成果が出た
いろいろな得意分野の人が集まってみんなで楽しく進められたのが良かった
行進曲と童謡、テレビドラマ主題曲を合わせ多彩で厳格な演奏技術が披露された。
特に「祝典行進曲」は1959年、当時皇太子であった天皇陛下の成婚を祝して作曲された象徴的な曲であり日本を代表する行進曲。東京オリンピック(1964)、ロサンゼルスオリンピック(1984)でも演奏され、即位の礼(1990年 平成2年)、紀宮清子内親王の結婚式(2005年 平成17年)など皇室の行事でも演奏された。
瑶子女王殿下にご臨席いただき、本会議出席者への歓迎の意を表すために開催された。合わせて関係者の懇親の場として活発なコミュニケーションがされた。