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2021.03.04
「第8回国際ユニヴァーサルデザイン会議2021 in ザ・クラウド」開催速報
2021.02.11
第8回国際ユニヴァーサルデザイン会議 2021 in ザ・クラウド 開催のご案内
2019.06.25
2012.10.20掲載
韓国、中国、香港より参加された3名の専門家から、自国におけるUDの現状や問題点についてプレゼンが行われました。UDの普及に関しては、高氏は自治体や企業の協力が不可欠であるが、韓国では大企業の関心が薄いのに比べ日本では大企業が率先してUDに取り組んでいると賛辞が送られました。董氏は中国ではUDの普及はこれからであり、そのためにはニーズに合わせたデータベースの構築やベストプラクティスの研究、ガイドライン等の作成が必要であると述べられました。また陳氏からは過密な香港の居住環境が紹介され、UDの普及には空間の解決が必要であると提示されました。
内容:韓国のUDの状況
高齢化の進行、韓国を訪れる外国人の増加、大学におけるUD教育の充実、各企業がUD製品開発に力をいれた結果、韓国のUDは進化している。実例をいくつか述べると、公共の場におけるサインは英語とハングル文字の併記。
ソウル市内を走る地下鉄のほとんどのプラットホームには落下防止柵が設置され、ギャップカバーが設置され車椅子用のリフトが設けられ乗り降りが容易。
低床バスの運行により車椅子で移動する事が容易になり、自然公園の遊歩道はスロープ付きで車椅子での移動もし易くなった。
サムスンはじめ多くの企業がユニヴァーサルデザインを取り入れている。韓国におけるUDアプリケーションはできてきているし、更なるデヴェロップメントが必要。また自然災害への備えも考えてゆきたい。
内容:中国におけるUDの状況
2008年オリンピック2010年万国博覧会によりバリアフリーの環境が約100都市により整備された。113万人のデザイン学生がUDを学んでいる。
また高齢化社会におけるデザインが進められている。
内容:香港におけるUDの状況
自分は建築家であり、UDの専門家ではないが、建築は人への奉仕であり、バリアフリーは大切な取り組みだったし、実践もしてきた。家族との付き合いでUDを積極的に生活に取り入れることにもなった。
香港は垂直方向に密度の高い都市。リフトが発達したのはその環境のせいであり、一方で災害時の危険性をはらむ。土地活用は全体の25%位で後の75パーセントは緑地とオープンスペース。
公共交通機関のUDは発達している。狭いスペースを有効活用するために色々なアイデアが生まれた。この環境で快適に暮らす為にこれからもUDの発展が継続される。
これら東アジアのUDの近年の発展は共通の背景として
などが挙げられる。これからもこの地域でのUDは進化を続けるだろう。また 地震など自然災害に対する備え、過密都市での安全、安心な生活を送るための様々なアイデアが求められるだろう。
ユニヴァーサルデザイン、高齢化問題、サステイナブルデザインそれぞれの分野の専門家を迎えて、「サステイナビリティ」について議論が行われました。荒井氏は実例を交えて「使い手と作り手の見えない壁を破る」ためにも両者が話し合う場が必要であると強調されました。白石氏からは高齢化社会の現状と、社会との接触が豊かな人ほど元気で長生きであり、移動手段の重要性が提起されました。益田氏はバックキャスティング(未来に視座を置いて現在を見る)によるサステイナブル社会の実現と、東日本大震災を踏まえて「自然災害に際して全ての人間は障害者となる」と述べられました。
34件(海外からの応募2件)のエントリーの中から、IAUDアウォード2012審査委員会(委員長:ロジャー・コールマン 英国王立芸術大学院名誉教授)による厳正・中立な審査の結果、「特別賞/寬仁親王賞」、「大賞/経済産業大臣賞」、ほか各部門の「金賞」および「銀賞」として11点が選定され、表彰状が授与されました。「特別賞/寬仁親王賞」には「株式会社リコーにおける東日本大震災被災地復興支援活動」、「大賞/経済産業大臣賞」には「納得工房体験型研修とSH-UDマスタープランナー制度によるUD啓発活動 積水ハウス株式会社」が選ばれました。引き続き受賞者によるプレゼンテーション(金賞以上)とコールマン委員長から各受賞対象の評価されたポイントなどの講評が行われました。
両氏の専門分野である「風力」「地熱」の再生可能エネルギーをいかに活用するのか、具体的な事例を交えてご紹介いただきました。また、将来の安全・安心なエネルギー資源としての活用に向けた課題についても提言をいただきました。
風力を利用して、より効果的に発電できる「レンズ風車」の活用方法について具体的な事例をご説明いただきました。将来的には、世界でも第6位と広い日本のEEZ(排他的経済水域)を有効に活用した、多目的な「洋上浮体式複合エネルギーファーム」の実現に向けた課題を提起されました。
世界で第3位とストックされている量が膨大な地熱資源の有効活用に向けて、設備コスト・国立公園との関係等の課題を克服する必要性を述べられました。将来的には、長期的展望に立ったシステムの構築・各技術開発・人材育成等の必要性を訴えられました。
今回の国際会議を総括し、成果は何か、新たに明らかになったことは何か、今後の議論ポイントは何か等について、川原 啓嗣氏(IAUD専務理事)をコーディネーターに話し合われました。
UD活動を展開するに当たり、どこにフォーカスし何を実行するべきかがこの会議で明らかになった。企業も自治体も生活者とともに、その立場に立ってUD活動を実行することが大切。幅広く応用できる方法論と人にやさしい施策で社会を変えられる。少数の人々のためではなく、みんなの生活を良くする活動を実践し、その内容を共有することが大切である、と述べられました。
大震災後の日本での対応事例を世界に広げる必要がある。日本のUD活動は多くの企業が参加していることがすばらしい。活動は個人にのみ頼っていては難しい。今後、エコノミスト等も巻き込む必要がある。全世界の人口70億人のうち、10億人が障害者であり、決して人ごとではない。IAUDの活動はユニークでありグローバルに展開して欲しい。活動は学術と一般市民のバランスを取る必要性がある、と述べられました。
情報や知識をいかに共有するのか、シェアドナレッジに興味をひかれた。障害者のために作られたものが、みんなで使えるものになっている。UDの活動は権利としてではなく、心から生まれるものであるべき。親身になって考えるということであり、非常に日本的な発想だが、そこから学ぶべきことは多い。各機関の結集が大切であり、市民の熱意で力は増幅する。今はUDを社会の各分野で実行に移すときである、と述べられました。
企業・国・自治体が一緒に活動を進める必要がある。あまり、専門的にならずに、多くの人に参加してもらい、理解してもらったことは有意義であった。良い事例を横展開し、共有するとともにグローバルに展開していきたい。しかし、事例は年とともに古くなるため、さらに発展させる仕組みがあるとよい。若い人がリーダーとして頑張る仕組み作りも必要である。今後、グローバルという横の関係と、世代という縦の関係のつながりが出来ることが望ましい、と述べられました。
岡本組織委員会会長の挨拶に引き続き、ヴァレリー・フレッチャー氏から優秀論文の発表が行われました。その後、「グローバルコミットメント」の調印が行われ、最後に小島実行委員長から、会議全体の議論状況を踏まえ、「国際ユニヴァーサルデザイン宣言2012」が読み上げられ、3日間にわたる国際会議が閉幕しました。
商品やサーヴィス等を正しく選択できる知識・能力を身に付けるなど、UDに関する基礎的、基本的知識を問う講習会&試験
集合制の講習会(2時間)と理解度テスト(1時間・50問)のセット形式で実施
会場には40名ほどの受験者集まった