バナー:国際ユニヴァーサル研究講座 受講生募集中

メニュー

「第3回定例セミナー」開催速報

2013.05.27掲載

LINEで送る

平成25年5月20日、株式会社NTTデータ 豊洲イノベーションセンタ INFORIUM セミナーイベントホールにて、「第3回定例セミナー」が開催されました。

今回は、これまで「テレビCMにも字幕を」を活動テーマに研究および提言をしてきた研究部会「余暇のUDプロジェクト(以下余暇のUDPJ)」の企画により、CM字幕勉強会「CM字幕に関する最新動向」を実施しました。
講師には、CM字幕を推進する方やCM字幕トライアル企業の方、さらには長年CM字幕に取り組んできた方など6名をお迎えし、今後のCM字幕放送の本放送開始に向けて、それぞれの立場から意見や提案をお話ししていただきました。
当日は会員やCM制作関係者、プレス関係者など約115人が参加し、大盛況のうちに終了しました。



会場の様子
会場の様子


開会の辞:IAUD研究部会長 河原 弘

IAUD研究部会長 河原 弘
IAUD研究部会長 河原 弘

研究部会の説明の後、IAUDは今後、各業界の垣根を超えた社会システムやUDの基盤構築に向けた研究テーマにさらに取り組み、その成果を基に国や自治体への具体的な提案を行っていくが、そのために、外部機関・専門家との連携による研究部会活動の推進や、省庁や自治体などとの恊働に積極的に取り組んでいると述べました。
さらに、今回のセミナーがCM字幕の理解と実現に大きく寄与することを心から祈念し、日本におけるUD推進活動のネットワーク作りの更なる前進や連携強化となることも期待している、としました。





開催経緯:余暇のUDPJメンバー 高橋 雅尚

余暇のUDPJメンバー 高橋 雅尚
余暇のUDPJメンバー 高橋 雅尚

余暇のUDPJが、「・・なぜCMには字幕がつかないのだろう?」という疑問をもとに2006年より活動を始め、広告業者や関係団体の実情をヒアリングしながら、広告主である企業への広報や働きかけをおこない、ついに2010年よりCM字幕のトライアル放送が開始されたことなど、これまでの活動について説明がありました。さらに、「CMに字幕が付くと、見ていてワクワクする!」この流れが加速することを目的に、今回の勉強会を企画したと述べました。





トライアルCM字幕放送の紹介:

CM字幕放送をより理解していただくため、講演の前に、実際にトライアル放送おこなったライオン株式会社様と花王株式会社様のCMを、字幕付きと字幕なしで上映しました。





講演1:「CM字幕を含めた字幕放送に関する総務省の考えと取り組み」

長塩 義樹氏 総務省 情報流通行政局地上放送課長

長塩 義樹氏

CM字幕を推進する立場からのお話しとして、視聴覚障害者向け放送について、放送法の改正や字幕番組・解説番組等制作費の一部助成など、これまでの行政の取組について解説していただきました。さらに、総務省は字幕解説放送推進のなかでも、CM字幕を重要なポイントとして指摘しているとし、放送局やスポンサーの業界などと連携して実用化に向けて努力していると述べました。





講演2:「2013年度字幕付TVCMトライアルはどうなる?」

佐多 直厚氏 株式会社電通 電通ダイバーシティ・ラボ(DDL)障害ワーキンググループリーダー

佐多 直厚氏

CM字幕を推進する立場からのお話しとして、2013年4月に日本民間放送連盟が開示したトライアルにおける字幕付きCM素材搬入ガイドラインによって、運用と制作のルールが規定されたことを受け、字幕CM制作作業の概念やキー局各局のオンエアが統一化など、説明してくださいました。さらに、字幕CM見方についてもお話ししていただきました。





講演3:「CM字幕トライアル放送を実施して」

末武 貴氏 ライオン株式会社 宣伝部 副主席

末武 貴氏

CM字幕トライアル企業からのお話しとして、まずは2010年のCM字幕トライアル放送までの過程や、2013年4月からのトライアル放送再開について、また字幕付きCM作成の基本ルールや表現事例等、具体的に説明していただきました。さらに、字幕付きCM推進の目的として、CSR活動としての意義や損失していたコミュニケーションチャンスの獲得、さらに「CMの内容を知りたい!」と思っていただける人への情報伝達である、と述べました。





講演4:「CM字幕トライアル放送とその反響」

多治見 豊氏 花王株式会社 作成センター長

多治見 豊氏

CM字幕トライアル企業からのお話しとして、まずは字幕CMに取り組む理由として社会的な責任や事業の活性化であるとの説明の後、トライアル放送に寄せられたお客様の声のご紹介がありました。
さらに、今後はあらゆる人たちと向き合った広告づくりを考えなくてはならないため、広告主のみなさんにぜひ字幕CMに関心を持っていただき、1社でも多くトライアルに参加してほしいと述べました。





講演5:「CM字幕のニーズと効果」

井上 滋樹氏 博報堂ユニバーサルデザイン所長、IHCDジャパン代表、明治大学講師

井上 滋樹氏

長年CM字幕に取り組んできた立場からのお話しとして、字幕の有効性をUDの観点から多角的に検証した学術論文3本をご紹介していただきました。また、CCを付与することは障害者への情報保障としてだけでなく、より多くの人に寄与していること、さらに60歳以上の高齢の方は字幕CMに対する興味・関心が高い傾向にあり、必要としていると述べました。





講演6:「ジャーナリズムの観点からCM字幕について」

吉井 勇氏 株式会社ニューメディア 月刊ニューメディア編集長

吉井 勇氏

長年CM字幕に取り組んできた立場からのお話しとして、IAUD余暇プロジェクトと月刊ニューメディアが連携して実施したアンケート調査の説明や、トライアルから一日も早く本放送を実現してほしいなど、お話しがありました。さらに、CM字幕のネガティブな反応への意見を述べていただきました。





閉会の挨拶:余暇のUDプロジェクト 松森 果林

余暇のUDプロジェクト 松森 果林
余暇のUDプロジェクト 松森 果林

講師やご来場者への謝辞と共に、「今の皆様のお仕事は、必ず20年後30年後の自分たちに返ってきます。皆様も年齢と共に確実に聴力は落ちていきます。自分のこととして、あるいは家族や身近な人のことを思えば、「何が大切なのか」おのずと分かるはずです。これはCM字幕に限ったことではなく、UDを考えるうえで一番大切なことです」としめくくりました。







ご意見・お問合せ

>> ご意見・お問合せはこちらからお願いします(お問合せページに移動します)

関連記事

ページトップへ戻る