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21世紀のためのデザインIII、UDに関する国際会議報告 最後の全体会議

2004.12.20掲載

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11日 最後の全体会議(Closing Plenary)by Susan Szenasy (Metropolis magazine編集長)

要約:専務理事 川原啓嗣(インダストリアルデザイナー)


写真:会議を総括する Susan Szenasy (Metropolis magazine編集長)

このリオの会議に世界中から多くの人々が参加されたことには、大変勇気づけられました。米国でUD商品というとOXOのキッチン用品くらいしかなく、車や電気製品などは英国や日本がずっと先を行っており、米国は遅れています。8000万人のベビーブーム世代は高齢者になりつつありますが、UDの恩恵をまだ受けられないでいるのです。米国のUDは市民権と社会正義をもとに発展しました。そして、ADA(障害を持つ米国人法)の成立へと繋がったのです。


英国の歴史家・トインビーは「21世紀は政治的事変や技術的変革の時代というだけではなく、人間社会が人類全体の福祉を実際問題として真剣に考えた時代だったと未来の世代から語られるだろう」と述べましたが、発展途上国におけるUDについては、我々はまだ答えを導き出せないでいます。リオで目にする裸足で街を歩く子ども達の存在をどう捉えたらよいのでしょう。彼らの人間性は守られているのでしょうか。


恐怖におびえることなく隣人と安心して語らえる都市を創るにはどうしたらよいのでしょうか。社会システムをどのようにデザインし、どのように運営していけばよいのでしょうか。疑問は多く、答えはあまりにも少ないのが現実です。

といって、リオの街角で起こっていることに決して目を背けることはできません。我々、そしてこれからの若い世代に課せられた義務は、まず自然環境や文化、慣習の違いを学び、知り、そして理解することです。


暗いことばかりではありません。多くの先進国が莫大なエネルギーを消費している一方で、ブラジルは太陽からのクリーンなエネルギーを作り出すことに挑戦している国です。風や太陽のエネルギーをどのように生かして、生活に役立てるかは学際的で豊富な知識を持つデザイナーとのコラボレーションが不可欠です。日本のデザイナーは人間性を大事にしたデザインを実現しているのを知りました。ぜひ、専門性と新しい思考を生かして、我々の社会を素晴らしい形に創り上げてくれることを願います。世界を形成する上でデザイナーに期待されるものは大きいのです。


我々はここからどこへ向かうべきなのでしょうか。

私の見る限り、これは誰にでもアクセシブルな環境の創造と、人類全体の福祉を実現しようとする近年で最も大きな社会運動なのです。

次の対話に向け、すべてのデザイナーがコラボレーションすべきです。

Sustainable DesignとUniversal Designの二つが共に原動力(POWERHOUSE)となるでしょう。別々ではうまくいきません。


さあ、ネットワークを組んで、スタートしましょう。

(要約文責:川原啓嗣)


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