バナー:IAUD国際デザイン賞2022 募集期間延長9/30まで

メニュー

21世紀のためのデザインIII、UDに関する国際会議報告 アクセシブルな携帯電話の開発(東芝)

2004.12.20掲載

LINEで送る

発表:UDの実践:アクセシブルな携帯電話の開発

東芝 デザインセンター 富岡 慶



写真1:発表する富岡さん


<講演サマリ>

北米向け携帯電話の開発を事例に、東芝におけるユニヴァーサルデザイン(UD)の実践をプロセスという観点から報告しました。

Ron MaceやVanderheidenの定義にもあるように、UDとは製品や環境のアクセシビリティやユーザビリティを高める活動(過程)です。そしてUDを実践する具体的な方法が人間中心設計:Human Centered Design(HCD)であると東芝は考えています。HCDの本質はユーザー参加型のデザイン活動で、反復設計を行うことにあります。このHCDを様々なユーザーを対象に製品開発に適用することは、すなわちUDの実践であると考えています。東芝におけるデザインの仕様を決定するまでのHCDプロセスは、ユーザリクアイアメントの獲得(User Requirement Capture)とプロトタイピング(Prototyping)に大別することができます。これらプロセスの詳細について、北米向け携帯電話の開発を事例に説明しました。

HCDはUDを実践するための効果的なプロセスであり、また製品開発における効率的なプロセスです。東芝は様々な製品で様々なユーザーとともにHCDを適用することでUDを実践し、より多くのユーザーにとって使いやすい製品を今後も開発し続けます。


<Q&A>

Q)ブラジルではそのような(事例として紹介した)携帯電話を見たことがないが、今持っているのか?(視覚障害者の方)。

A)持っています。後でお見せします。



写真2:セッション終了後、携帯電話の説明をする富岡さん


<感想>

セッションを聴講されていた視覚に障害を持つ方々から、事例として紹介した携帯電話を見たいとのご要望を受けお見せしたところ、機能や使い方について事細かなご質問を受けました。自らの発表でも触れましたが、携帯電話が障害を持つ人々にとってQOL(生活の質)を改善する可能性をもつ機器であり、このことを改めて実感すると同時に、アクセシビリティやユーザビリティ上の課題がまだまだ山積していることも再認識しました。

また、セッションの最後にRoger Coleman氏からのいただいた、「UDを社会に普及させていくためには、どうユーザーとコミュニケートするか?」というご質問は、UDの取組みや開発プロセスを確立しつつある企業における次なる課題であると感じました。Coleman氏ご自身、自らの取組みの中で、「UDというだけではユーザーに訴求できない」と感じていらっしゃるとのことです。個人的には、UD的な配慮は製品の一品質であり、UD的配慮を含む様々な品質がトータルとしてユーザーにどのような経験価値を提供できるか、ということが重要ではないかと考えます。

UDへの取組みのフェーズが進むにつれ、新たな課題もまた生じてくるでしょう。そういった新たな課題に対する回答が得られる場として、2006年の国際UD会議に乞うご期待、といったところでしょうか。



UD国際会議報告 目次へ
ページトップへ戻る