バナー:国際ユニヴァーサル研究講座 受講生募集中

メニュー

国際ユニヴァーサルデザイン研究学院 開設趣意

2023.07.31掲載

LINEで送る

国際ユニヴァーサルデザイン研究学院 International Institution for Universal Design


一般財団法人国際ユニヴァーサルデザイン協議会(IAUD)は、この度、より研究教育的な事業として、新たに国際ユニヴァーサルデザイン研究学院(International Institute for Universal Design)を設置いたします。
ICT化の裏に潜む情報格差、最低賃金制度、女性の管理職登用、人権問題、南海トラフ巨大地震対策、国防、SDGsなど、最近のニュースに取り上げられる話題のほとんどはユニヴァーサルデザイン(UD)に関わる課題といっても過言ではありません。
2023年10月より開講する国際ユニヴァーサルデザイン研究講座では、拡大進化するUDの課題を解決する思考法を身につけるためのリカレント教育、リスキリングのコースを提供します。
さまざまな立場の方々の積極的なご参加を期待しています。



国際ユニヴァーサルデザイン研究学院
International Institution for Universal Design
開設趣意

2023年7月12日
一般財団法人国際ユニヴァーサルデザイン協議会理事長 古瀬敏

一般財団法人国際ユニヴァーサルデザイン協議会(International Association for Universal Design:略称IAUD)は2023年11月で設立20年の節目を迎えます。
設立のきっかけとなったのは、何人かの有志が集まって実行委員会を組織し、2002年に日本で初めて開催したユニヴァーサルデザイン(UD)の国際会議でした。国際会議は予想以上の大成功を収め、当時の日本社会にも多大なインパクトを与えたようで、総裁の故寛仁親王殿下から、実行委員会をそのまま解散するのは惜しいので団体を設立しては如何かとのご助言を頂き、その1年後の2003年に国際ユニヴァーサルデザイン協議会が発足したわけです。

以後、IAUD主催として2006年に京都府、2010年に静岡県浜松市、2012年に福岡市、2014年には東京と福島の2都市にて、2016年には名古屋市、そして2019年にはタイ王国首都のバンコクにて第7回目の国際会議を開催するに至りました。その後は新型コロナウイルス感染拡大、いわゆるパンデミックの影響で対面での国際会議開催が困難となりましたが、2021年にインターネットを介してオンラインによる国際ユニヴァーサルデザイン会議を開催することができ、さらなる知見と新たな交流を得ることができました。

IAUDの活動は国際会議に留まらず、IAUD国際デザイン賞事業、UD検定事業、その他、ワークショップやセミナー、そして様々なテーマに基づく研究開発などでUDの普及と振興に努めてきましたが、この度、より研究教育的な事業として、新たに国際ユニヴァーサルデザイン研究学院(International Institute for Universal Design)を設置し、2023年10月より国際ユニヴァーサルデザイン研究講座を開講いたします。

この事業の目的は、一旦企業や団体などに就職した社会人が必要なタイミングで再び専門教育を受ける、いわゆるリカレント教育、また最近特に政府が奨励するリスキリングの支援であり、再教育を通してユニヴァーサルデザインの本質を理解し、それぞれのビジネスに活用していただくことです。

ユニヴァーサルデザインとは、民族、文化、慣習、宗教、国籍、性別、年齢、能力の違い等にかかわらず、できる限り最大限多くの人に利用可能であるように最初から意図して、機器、建築、空間、システムなどをデザインすることです。IAUDでは、さらに一歩踏み込んで、「一人ひとりの人間性を尊重した安全・安心な社会環境づくり」こそが、ユニヴァーサルデザインの本質であると考えています。
IAUDが設立当初から唱えている通り、UDの根底には「人権擁護、人間性の尊重」があります。また、「多様性の包摂(Diversity Inclusion)」も重要な概念です。

昨今、UDは障害者、高齢者向け対応のデザインという狭い解釈で「もうUDから学ぶべきものはない」と誤解している人が多いのを聞くたびに困惑しています。
ある経済団体の関係者の一人と話した際にも、「UDは終わったもの」と解釈しており、目下の関心事は「人権」問題だそうです。
あるアパレルメーカーが中国の新疆ウイグル自治区からコットンを輸入して製品を製造しているが、そのサプライチェーンの末端で人権侵害が起こっているのを放置していたことで国際的なバッシングを受け米国での取引が停止され青くなっているとのことなのですが、UDのなんたるかを全く理解せず起こるべくして起こった、いわば「不作為の罪」以外の何ものでもありません。
こんな企業こそ、UDを一から学んで、「デザイン経営(デザインシンキング)」の第一段階である「ユーザ共感」を徹底的に理解することから始めなければならないのです。

また、下記のような疑問を感じつつ日々の生活を送っている人や企業は、やはり一旦立ち止まって考え、早急に対策を打つ必要があるでしょう。

  • コロナが5類に移行したことで、リモートワークが終了し、時差通勤も無く、以前のようにすし詰めの満員電車に長時間揺られて通勤している人
  • 果たして、世の中が前より快適で暮らしやすくなったと言えるのか困惑している人
  • いつ起こるかしれない大規模災害や他国からの侵略に不安を感じている人
  • 障害者法定雇用率2.7%を達成できず、ペナルティを課せられている企業
  • 女性の管理職登用が一向に進まない企業(2019年のILOの調査によれば、日本は世界189カ国中167位)
  • CDO(チーフ・デザイン・オフィサー)を置いていない企業

ちなみに、CDOとは単なるデザイン担当取締役のことではありません。デザイン経営(デザインシンキング)の所定のプログラムをマスターし、CEO/COOなど経営トップに適切な助言ができる、スーパーデザイナーやデザインゼネラリストのことです。

解決しなければならない問題は世の中に山積していますが、その多くがUDで解決できると言っても過言ではありません。おそらく、国連が2030年までの達成目標として掲げている持続可能な開発目標(SDGs)の17項目の半数以上がUDで解決可能でしょう。
「誰一人取り残さない」というSDGsの精神は完全にUDと合致しているのです。

今回、募集を開始する国際ユニヴァーサルデザイン研究講座が皆様の持っておられる疑問に少しでもお答えし、ビジネスを新たなステップに押し上げることに貢献できれば望外の幸せです。

ぜひ、これらの趣旨をご理解賜り、さまざまな立場の方々の幅広いご支援とご協力、そして積極的なご参加を切にお願いいたします。



国際ユニヴァーサルデザイン研究学院 設置要綱

ページトップへ戻る