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ワークショップ委員会の活動報告

2014.04.10掲載

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藤木 武史 委員長

48時間デザインマラソンin 神戸 実施概要

藤木 武史 委員長

48時間デザインマラソンは、障害を持つ生活者(ユーザー)が参加するデザイン開発ワークショップです。ユーザーとデザイナー、学生が1チームとなり、共通の行動や対話を通じて切実な問題を共有します。そして、48時間という制限の中で、創造的に問題を解決し、人々に新しい生活価値を提供するUD開発をチーム一丸で行うものです。
今回は神戸市にご後援をいただき、2013年9月17日から9月19日の3日間、神戸芸術工科大学で実施しました。AからEの各チームは神戸市内に出掛けて問題や課題を発見し、実際にデザインをして発表しました。




ワークショップテーマ


今回のテーマは、「暮らしと絆~未来を繋ぐ、街を繋ぐ、そこに住まう人の心を繋ぐ~」です。1995年に阪神・淡路大震災の被害を受けた神戸市は美しい町として復興し、2008年には「ユネスコ創造都市ネットワークデザイン都市」に認定され、現在も活動が進んでいます。
その神戸市から、これからの街づくりを、暮らしを復興するだけでなく、心豊かに、人と人が通い合えるデザインをしようと提案しました。



各チームの発表内容

Aチーム

車いすユーザーやスーツケースを持っている方、赤ちゃん連れの方は駅の改札を通行するのは負荷が大きいことから、改札の高さを変えて、いろいろな方が通過しやすいような新しいデザインを考えました。
高さが低く短いので見通しがよく、立っている人でも車いすユーザーでもタッチしやすい高さになっています。また、車輪をセンサーで検知し、必要な方へ目的地に進む方向を床面に示し、上り下りの各ホームのEVに向けた床面の誘導灯とつながるようにもなっています。


Aチームの発表内容

Bチーム

視覚障害者もコミュニケーションを通じて色や柄イメージを楽しく共有し、 自身のファッションコーディネートや他の人と受け応える色情報の幅を広げるために、スマートフォンに後付で装着する新しいデヴァイスを開発しました。
スマートフォンのモニターでカラーの情報を共有できます。筐体部分はドット、ジェルに定量的を浮き沈みさせることでテクスチャを表現し、パターン情報を共有できます。また、スマートフォンへの脱着はワンタッチで可能なので、必要なときだけ携行できます。 これまでのストック(時間)も共有することで、より豊かなコーディネートの幅が広がります。


Bチームの発表内容

Cチーム

震災後、新長田商店街は非常に美しくなり、UDもきちんと整備されており、車いすユーザーも普通に通行できます。
今回はさらにその商店街を通過する場から、人が交流する場にしようと、新しいベンチ兼カウンターを提案しました。このベンチを置くことで、街の人や買い物に訪れたお客様、子供から高齢者までが立ち寄ることで、豊かな時間に変えようというものです。


Cチームの発表内容

Dチーム

杖を使用する方でもたくさんの所有物を持ち歩けて、取り出しもしやすいように、オシャレなバックを提案しました。おしゃれに歩いて、誰もが街を一緒に楽しめる絆をプラスしよう、というものです。


Dチームの発表内容

Eチーム

会話において、私たちが自然に使っている「身振り手振り」を、視覚障害者にも伝えるために、音に変えて伝えるという提案です。
ペンダントのようにかけて、カメラがユーザーのモーションを感知し音に変えます。視覚障害者だけでなく、健常者の方も、普段の会話で身振り手振りによる感情表現が伝われば、コミュニケーションがより豊かになるというものです。


Eチームの発表内容


このように、全チームがいろいろなフィールド調査のもと、非常に面白い提案をしてくれましたが、ワークショップで大切なことは、USER REALITY、MARKET REALITY、PRODUCT REARITYの3つです。
ユーザーは存在するのか、世の中に出す市場はあるのか、商品として成り立つか、の3つを追求することが最も大切で、今回のワークショップでも議論を重ねたポイントです。 そして、USER REALITYの追求の一環としてCチームが考案したベンチを設置できないか、そしてお客さまの声を聞けないか、実際に長田区役所様とも相談させていただきながら、現在も試作と検証の可能性を模索しています。また、Bチームが考案したアプリに関しては、実際に稼動するものを4月下旬に発表予定です。
このように、単純に発表するだけではなく、実際にプロトタイプを使ってもらいコミュニケーションを作りながら次のフェーズに進める事がワークショップにとって大切です。 2020年のオリンピック・パラリンピックには、世界中からお客さまが来られます。48時間デザインマラソンは、日本がより豊かに暮らす2020年を世界に発信するために、今後も活動を続けて行きたいと思います。




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