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ユニヴァーサルデザイン研究所 CEO:ドイツ
■インタヴュアー:北村 和明(IAUD情報交流センター長/株式会社岡村製作所)
■日時:2016年12月10日 12:30~
―バーデさんは、何回も来日していらっしゃいますよね?
トーマス・バーデ(以下 バーデ):4回来ていますね。
―日本にいらっしゃって、日本の印象はどうですか?
バーデ:日本は、このユニヴァーサルデザイン(以下UD)に関してはリーダーシップをとっている、と考えています。
特に、今回のこの会議に出て思ったのは、UDがこれまでの製品のデザインという所から、もっと全体的なプロセスへと進化させ、他の国よりも一歩先をいった観点でUDを論じていると感じています。
―今回のIAUDアワードの審査員だけでなく、ドイツでもデザイン賞・ユニヴァーサルデザインのデザイン賞で長く携わってきていらっしゃいますが、ドイツと比べて日本のIAUDアウォードはどのように感じていますか?
バーデ:両方の賞に言える事なのですが、どちらも自国の企業の受賞が多い・参加者が多い傾向が強いです。(一部、日本・ドイツ以外の国の参加もありますが)我々としては、ベストプラクティスを色んな所から学んでいきたいという事の観点から考えますと、自国以外の参加者の割合をどちらも増やしていく必要があると考えています。
私どももIAUDアワードの応募者を増やしていきたいと考えているのですが、それがなかなか進んでいきません。
―ドイツでも応募者を増やすために何か試みている事があれば教えてください。
バーデ:もちろん、我々も同じように取り組みをしているのですが、人を集め、実際に色々な商品を出してもらう、もしくはその審査員を招くとしてもやはり時間とお金がかかってしまうという事で、なかなか簡単には出来ないです。何をするにしても、やはり資金(お金)がついてくる。ですから、我々としてはもっとプロモーションをして、企業に対して「参加すれば会社の業績にどういったプラスのメリットがあるのか」という事をしっかりふきょう宣伝していく活動が必要だと思います。
―あと、今後日本におけるユニヴァーサルデザインの取り組みとか、IAUDという組織に何かご期待されるような事がありましたら教えていただけますか?
バーデ:できれば日本、あるいはIAUDの方からヨーロッパに対して情報の提示・展開をして頂けると非常にありがたい、と考えています。ユニヴァーサルデザインに関してこれだけ多くの会社を招致できるような素晴らしい結束力をお持ちですので、皆さんが持っている考え方や戦略をヨーロッパに対してもっと提示してほしい。もし可能であれば、ヨーロッパに来ていただいて今回のような形でのセッションを行い、ヨーロッパのパートナーに対してオープンに会を持っていただけたら、という風に考えています。
―海外に向けての情報発信なども、これから頑張ってやっていきたいと思います。
あと、2020年に東京オリンピック・パラリンピックが開催されますけど、2020年に向けて日本のユニヴァーサルデザインに対しての取り組みや現在の状況で「もっとこうした方がいい」というようなアドヴァイスがありましたら、教えてください。
バーデ:実際にオリンピックが行われる前に、オリンピックに参加する予定の国の方々・それから障害を持った方々に日本に来ていただき、日本のユニヴァーサルデザインをまず見てもらう。その中で、「東京ならびに日本として、どうすればよりこれから2020年に来られる方達にオープンな環境を提供できるのか?」という意見をもらう事が大事なのではないか、と思います。
―実際にそういった方に来ていただいて、実際に見て感じていただき、そしてご提案いただくのが重要という事ですね。
バーデ:そうです。実際に来られた方々が体験した事を自国に戻って報告する、「日本のここは良かった」とか色んな発見を報告する事になると思いますので、それを組み合わせる事でさらに改良・改善できるのではないか、と思っています。
―ありがとうございました。
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