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「第6回国際ユニヴァーサルデザイン会議2016プレイヴェント」開催速報

2016.04.17掲載

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満員となった会場

IAUDは、2016年に開催いたします第6回国際ユニヴァーサルデザイン会議2016のプレイヴェントを2016年3月17日 木曜日に名古屋学芸大学(愛知県日進市)にて開催いたしました。
IAUD総裁 瑶子女王殿下のご臨席およびご挨拶、来賓として大村 秀章 愛知県知事、河村 たかし 名古屋市長にもご臨席をいただき、大盛況のうちに終了しました。
2つの基調講演と特別セッションの概要レポートはNewsletter(PDF)をご覧ください



開会の辞~歓迎の辞

瑶子女王殿下のご臨席のもと清水隆明IAUD理事長の挨拶で開会。本年12月開催の本会議でのテーマ「ユニヴァーサルデザインによる共有価値の創造」や2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けてのUDの必要性、重要性、また政官民学それぞれが理解を深めていき、日本発のUDを広く世界へ発信していくことを話し、お礼の言葉と共に開会の挨拶とした。

清水理事長
清水 隆明氏(IAUD理事長)




IAUD総裁であられる瑶子女王殿下からは、前総裁の寬仁親王殿下のおことば「100%の障害者はいない。100%の健常者もいない。」の次に瑶子女王殿下のおことばとして、「だからこそ、ありのままの自分と向き合い、そして人とのつながりを持ち、助け合い、補い合っていくべき」と続けられた。その意図は、UDを知ろうとすること、またすべてにおいてボーダーレスであることが必要であり、しっかりと議論することが大事であるなど、おことばを賜った。

瑶子女王殿下
瑶子女王殿下(IAUD総裁)




西垣淳子経済産業省商務情報政策局生活文化創造産業課長は、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けてユニヴァーサルデザインへの関心が高まっており、あらゆる人々が安全で安心に暮してゆける街づくり、国づくりを日本から発信していくことが重要である。今、各業界の垣根を越えて、様々な社会システム、地方活性化が重要になっており、デザインが果たす役割が重要視されている、など挨拶した。

西垣淳子経済産業省商務情報政策局生活文化創造産業課長
西垣 淳子氏(経済産業省商務情報政策局 生活文化創造産業課長)




大村秀章愛知県知事は、すべての人が輝き、すべての人が活躍をする日本一元気な愛知県を目指し、併せて豊かさを実感できる県民生活の実現を目指すとし、愛知県のキャッチフレーズ「ハート・オブ・ジャパン(テクノロジー&トラジション)」を掲げた。すべての人にやさしい環境を作ることが必要であり、ユニヴァーサルデザインの考え方で地域、まちづくりを行う、など挨拶した。
また、萩野幸三日進市長から、「まち」の中を発展させるためにも、UDの考え方がしっかりと根付き、この地域に住む人たちにとって、より豊かな、より健康で、より心広いまちになるようする、など挨拶した。

大村秀章愛知県知事
大村 秀章氏(愛知県知事)

荻野幸三日進市長
荻野 幸三氏(日進市長)




最後に井形昭弘名古屋学芸大学学長から、いろいろな人たちがともに楽しく快適に過ごせるように、思いやりを持って行動し、また生活環境の改善のためにユニヴァーサルデザインの理念は、未来社会にとって魅力的であり、不可欠である、など挨拶した。

井形昭弘名古屋学芸大学学長
井形 昭弘氏(名古屋学芸大学学長)




基調講演1:「日進市におけるUD教育について~3年間の実践~」

宮道 弘巳 日進市竹の山小学校校長

宮道校長

「日進市におけるUD教育について~3年間の実践~」と題し、日進市立竹の山小学校でのユニヴァーサルデザインの取り組みを紹介。竹の山小学校と日進北中学校の併設校は、横の空間を有効利用し、「広がりとつながりを大切にした絆づくり」がメインテーマであり、よりUDが意識された学校である。施設面の特徴として、施設一体型の小中併設校であり、職員室、中庭、図書室、体育館の紹介。さらに市内唯一の肢体不自由児学級や車椅子児童送迎用の昇降口や各階に多目的トイレも設置されていることが紹介された。また、小学校中学校がつながる、地域、家庭、他校、環境とつながるとし、行事も避難訓練、体育祭、文化祭も共同で実施している。本学の建設期間中にも見学会にて、試作品に対して子ども達の意見を聞きながら仕様を決定。さらにUD授業として、車椅子体験などを実践されており、実際の授業資料や学校施設の教材化として専門誌にも取り上げれたことを紹介。最後に取り組みの成果として、子ども達に「きっかけ」を与えたことであるとともに視野が広がり、世界へ「つながる」とした。



質疑応答の様子
質疑応答の様子


基調講演2:「デザインの新しい時代」

木村 一男 名古屋学芸大学メディア造形学部長

木村名古屋学芸大学メディア造形学部長

世界のデザインの動向や名古屋におけるデザインの捉え方を踏まえてデザインの意義や、さらにデザインの守備範囲が拡大しており、新しい時代を迎えていることを述べられた。最近台北を訪問し、「WORLD DESIGN CAPITALS」という会議に参加してきたが、その趣旨はデザインを活かした快適ですばらいい都市を作り上げていこうというものである。名古屋も27年前(1989年)に市政100周年を機会に「デザインによる街づくり」を掲げ、デザインの積極的な活用を提唱し、さらに「デザイン都市宣言」を決議した。デザインは戦後になって企業へ導入が始まり、その範囲を拡げてきている。グッドデザイン賞大賞をみても、その範囲の拡大が見て取れる。「色・形・模様」の世界からから新しい領域(ユニヴァーサル、エコ、サスティナブル、ユーザーエクスペリエンスなど)へ拡大している。最近「Design Thinking」という考え方が新たに注目されている。デザイナーの発想や展開方法をデザイン以外の領域にも活用させていこうというもので、デザイナーだけでなく営業や企画の人々が参加し、自由な討議を繰り返して開発を進める手法である。こんのように、デザインは人間の生活や都市そしてそれらを取り巻く文化や環境などあらゆる領域に拡がっており、デザインの役割・責務は大きい。



会場の様子
会場の様子


特別セッション:「名古屋観光ビジネスのデザイン提案~市民意識の変化~」

安部 武利氏 公益社団法人日本インダストリアルデザイナー協会(JIDA)中部ブロック

安部氏

「名古屋観光ビジネスのデザイン提案 ~市民意識の変化~」と題し、最初に2020年東京オリンピック・パラリンピックに向かって、「名古屋を魅力的に見せるためにはどうすればよいか」をデザイナーの視点・思考で何か見えてくるのではないかという本研究に取り組んだ動機を説明。次に中部国際空港から大須観光までの移動実地調査でのデザインの観点による「外国人向け表示が小さく見にくい」「街中では、交通案内以外は店名もメニューも英語表記が極端に少ない」「観光地への道筋に期待感を盛り上げる演出がない」などの問題点を洗い出した。次にその結果を踏まえて「名古屋のおもてなしシステム」はどうあるべきか、どうすべきかの考え方として、「地元の人との温かいふれあい」が大事であり、それを誰もが気軽に楽しくおもてなしできる「ちょこっとコンシェルジュ」システムの創設と運営を提案。そのコンセプトを名古屋の西エリアで観光客が散策するシミュレーションを実施した結果より、サービス提供の可能性を説明され、最後に来年度、コンシェルジュ組織の具体的な展開までを研究成果として報告した。





IAUDアウォード2015表彰式

質疑応答の様子
受賞者一同


表彰状授与
表彰状授与

IAUDアウォード2015審査委員会による審査の結果、「大賞」3件、各部門の「金賞」6件、「銀賞」8件が発表された。銀賞以上の受賞者は、清水隆明理事長より表彰状の授与が行われた。その後、金賞以上の受賞者から熱のこもった受賞対象の先進的な取り組みが紹介された。最後に本プレイヴェントに出席できなかった審査委員長であるロジャー・コールマン氏より、音声メッセージにて、大賞および金賞の受賞対象作品ごとに評価されたポイントなどの審査講評が述べられた。その中で「応募作品のレベル向上、そしてユニヴァーサルデザインが現場で広く理解され、普及が進んでいるという証を得たことに強い感銘を受けました。」と評価された。

<< IAUDアウォード2015の結果発表はこちら


受賞者プレゼン
受賞者プレゼン

受賞者プレゼン
受賞者プレゼン


ロジャー・コールマン審査委員長
審査講評(ロジャー・コールマン審査委員長)




交流会

森岡愛知県副知事
愛知県副知事 森岡氏

名古屋学芸大学のヒューマンケア学部の食堂ルポゼにおいて、プレイヴェントの参加者による交流会が開催された。IAUD理事長の清水の開会の辞に始まり、愛知県副知事の森岡様のご挨拶、名古屋市長の川村様のご挨拶と乾杯のご発声、名古屋学芸大学副学長の杉浦様の歓迎挨拶が行われた。その後和やかに歓談が行われ、第6回国際ユニヴァーサルデザイン会議へと繋がる場として参加者間の交流が図られた。会場ではIAUDアウォードの受賞作品が投影され、UDの優れた活動として話題を提供していた。最後にIAUD研究部会長の小暮の閉会の辞をもって、交流会は盛況の内に終了した。


川村名古屋市長
名古屋市長 川村氏

杉浦名古屋学芸大学副学長
名古屋学芸大学副学長 杉浦氏


交流会会場の様子
会場の様子


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