満員となった「IAUD国際デザイン賞2019プレゼンテーション/表彰式」会場
一般財団法人国際ユニヴァーサルデザイン協議会(IAUD)は2019年12月18日(水)に「IAUD国際デザイン賞2019」のプレゼンテーション及び表彰式を開催し、成功裏に終了しましたので、下記のとおりご報告いたします。
開催概要
- 日時:2019年12月18日(水)14時20分~16時40分
- 会場:デザインハブ インターナショナル・デザイン・リエゾンセンター(東京・赤坂)
- 参加人数:海外5か国(タイ・スペイン・ドイツ・スイス・韓国)からの受賞者など約100人
- プログラム:IAUD国際デザイン賞2019結果発表・表彰式
- 審査委員長 ロジャー・コールマン氏(英国王立芸術大学院名誉教授)講評
- 審査副委員長 益田文和氏((株)オープンハウス代表取締役)講評
- 審査委員 荒井利春氏(金沢美術工芸大学名誉教授)講評
- 大賞・金賞受賞者によるプレゼンテーション
開催報告
今回で9回目となる「IAUD国際デザイン賞」は、一人でも多くの人が快適で暮らしやすいUD社会の実現に向けて特に顕著な活動を表彰するもので、これまでに国内外の優れた活動や製品が受賞しています。
表彰式も2017年度はドイツ・ミュンヘン、2018年度はタイ・バンコクと海外で開催し、毎回世界各国から多数の方にご出席いただきました。
3年ぶりに国内での開催となった今回は、タイ、スペイン、ドイツ、スイス、韓国からの受賞者や報道関係者などをお招きし、情報保障として会場には日英の同時通訳を設けました。
今回は39件のエントリーの中から、国内外の学識経験者やUD専門家等から構成される「IAUD国際デザイン賞2019審査委員会」により「第1次審査(書類審査)」と「第2次審査(本審査)」が厳正中立に行われた結果、35点の入賞が選出されました。
表彰状を授与する益田副委員長(左)
当日は、まずは審査結果である「大賞」3件、「金賞」10件、「銀賞」8件、「銅賞」14件が発表され、審査副委員長の益田文和氏((株)オープンハウス代表取締役)から各受賞者に表彰状が授与されました。
続いて、当日会場にお越しいただいた大賞2件と金賞6件の受賞者によるプレゼンデーションが行われました。
大賞と金賞受賞者によるプレゼンデーションの様子
その後、審査委員長のロジャー・コールマン氏(英国王立芸術大学院名誉教授)からの総評がありました。
コールマン氏は、「審査員は今回、すべての参加者に一連の課題を設定することにより水準を引き上げる時期であると判断し、斬新で躍動的なすべての人のためのデザイン、そして人間中心デザインの新境地を開くアイディアを求めました。IAUD国際デザイン賞にインスパイアされたここ数年の進展に感動し、また毎年新たな応募を拝見することができ光栄に思っています。今回の水準が上がったことは間違いありませんが、これがユニヴァーサルデザインの新たなアドベンチャーの幕開けに過ぎないことを願っています」と述べました。
審査員長メッセージ英語原文・音声は、こちら(英語ページ)でご確認ください。
また、審査副委員長の益田氏からも講評として、「UD、あるいはインクルーシヴデザインを成立させる前提条件は多様性を受け入れることです。お互いの差異を認め合う共通認識と共存をテーマとするその考え方は、今日の世界状況だからこそ重みを増す価値観なのではないでしょうか。UDがデザインの特殊な専門領域から、すべてのデザインに通底する共通概念へと広がるよう活動を続けていきたい。」と述べました。
審査委員の荒井利春氏(金沢美術工芸大学名誉教授)からも講評として、「受賞されたデザインは、情報機器、ロボット、観光船、サイン、デザインガイド、化粧、教育など実に幅広い領域に渡っています。また、大小の様々な規模の企業やコンソーシアム組織、NPO、教育機関などの多様な活動主体が受賞しており、それらの総体がIAUD国際デザイン賞の果たす役割を物語っています。企業を超えたサウンドコンソーシアムの活動、極めて独創的で魅力的なユニヴァーサルかつエコロジカルな観光船、コミュニティー活動に連動するインクルーシブで実践的な建築デザインの教育等は、ユニヴァーサルデザインの新たな次元を私達に提示していると言ってよいでしょう。」と述べました。
終了後は、参加者間で和やかな歓談が行われました。
多くの受賞者にご参加いただき、UDについてさらに興味を深め共有することができた
受賞結果
IAUD国際デザイン賞2019 大賞 3件
- 交通デザイン部門
- Vision of The Fjords
The Fjords DA(ノルウェー)
- コミュニケーションデザイン部門
- SoundUD推進コンソーシアム
ヤマハ株式会社
- UXデザイン部門
- 音をからだで感じるユーザインタフェース“オンテナ”
富士通株式会社/富士通デザイン株式会社
IAUD国際デザイン賞2019 金賞 10件
- ソーシャルデザイン部門
- LAVENDER RING MAKEUP & PHOTOS WITH SMILES supported by SHISEIDO
株式会社資生堂
- 障がい者がやりたいことを諦めずにチャレンジし実現できる社会
須磨ユニバーサルビーチプロジェクト
- 住宅・建築部門
- From Innovation Act to Action Learning: Cultivating Inclusive Architects
Bangkok University(タイ)
- 誰もがいつまでも暮らしやすい住まいを。『ジオフィットプラス〈ステージ〉』の取組み
阪急阪神不動産株式会社/SENA Development Public Company Limited
- UXデザイン部門
- サッカー&ユニバーサルツーリズム 〜発達障害のある子どもたちのサッカー応援ツアー
富士通株式会社/富士通デザイン株式会社/株式会社JTB/全日本空輸株式会社/川崎フロンターレ/公益社団法人日本プロサッカーリーグ/川崎市
- 公共空間デザイン部門
- Accessibility Digest
CALICRATES(スペイン)
- Sintered Natural Stone and Sintered Concrete
Access Safety(スペイン)
- 医療・福祉部門
- moio. The smart care patch
MOIO GmbH(ドイツ)
- コミュニケーションデザイン部門
- Aira: Powering Inclusion for Blind, Low-Vision Individuals
Through Business Partnerships and Human AI Technology
Aira Tech Corporation(米国)
- 地域計画部門
- Gateway Arch National Park & Museum at the Gateway Arch
Cohen Hilberry Architects(米国)
※上記以外の受賞結果と審査講評の詳細は下記のリンクもご覧ください。
IAUD国際デザイン賞2019受賞結果
IAUD国際デザイン賞2019審査講評