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2006.03.11掲載
2006年2月14、15日、ドイツのハノーヴァーで行われたユニヴァーサルデザイン会議へ参加し、国際ユニヴァーサルデザイン協議会の代表として活動を報告しました。
この会議は、ヨーロッパで発言力を有するデザイン団体iF(アイエフ:国際デザインフォーラム)が主催するもので、ドイツではおそらく初めてのUD会議です。ハノーヴァーに本拠地を置くiFから、日本の先進的UDをぜひ紹介してほしいという依頼があり、国際担当の真剣な検討を踏まえて、理事会で代表派遣が決定されました。派遣のミッションは、ヨーロッパで日本のUD情報を発信し、本年10月の第2回国際UD会議を告知することと、iFとの良好な関係を構築することでした。同時に本会議や経済省との意見交換、同時開催のUD展視察などにより、ドイツでのUDの現状を調査することも期待されていました。
会議は、2000年にエキスポが開催されたハノーヴァーメッセにある未来的なコングレスセンターで開催され、UDについての7人の発表をもとに、デザイナー、コンサルタント、老人施設関係者、大学教員、公務員等などの約80名の参加者が活発に議論しました。発表内容は、人口問題に関する財団の調査研究からみたUDの必要性、ダイムラークライスラー社やミール社(電気機器)、包装会社の担当者によるUD実践報告、ハイデルベルグ大学教員やコンサルタントによるUDの市場性や実現に向けた課題でした。IAUDの発表は、UDのものづくりは日本のDNAであるという導入に続けてIAUDの規模や委員会活動、日本のUDプロダクトの現状とIAUDの方向性について行い、最後に第2回国際UD会議の紹介と参加要請で締めくくりました。
経済省(北ザクセン州)の企業担当役人とのヒアリングで、ドイツではUDを政策として扱う段階ではなく、この会議が最初の一歩という発言がありました。会議やUD展だけで判断することは危険ですが、概念の域にとどまっているような企業の発表からも、まだまだこれからという印象でした。先日の国際会議プレイヴェントの基調講演者であるヴァレリー・フレッチャーさんが、日本はUD最先進国と評価されていました。今回のハノーヴァーで、その感をいっそう強くし、今秋の第2回国際UD会議でのUDリーダー国としての責務を改めて感じました。