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2004.12.20掲載
情報保障委員会 担当理事 吉浜万蔵(リコー)
イヴェント企画委員会 主査 久保行雄(丹青社)
9時からの開会式スタート時間には、日本からの参加者はほぼ全員が会場に集合していましたが、スピーカーはまだ半数以上が集まらず、ましてや参加者はまばらな状態でした。スピーカーの壇上の席順も幾度も並べ替えられるなど、なかなか定まらないでいました。そのうちに人も徐々に集まってきて、9時40分頃になってようやく、ブラジル国歌斉唱で開会式が始まりました。その間、スクリーンにはまるでブラジルの観光案内のような映像が映し出されていました。時間管理を気にしていないのか(米国人スタッフらしき人がイライラする様子は見られましたが)、日本では考えられない、これがブラジル流のやり方なのかと、先の思いやられるスタートでした。
写真1:殿下のメッセージを披露する戸田評議員会議長
さて、ヴァレリー・フレッチャー女史の進行で、ゲストスピーカーそれぞれのスピーチが行われました。障害者団体の代表やブラジル政府の役人、リオデジャネイロの副市長など、お祝いのメッセージが次々と述べられました。そして、いよいよ戸田評議員会議長が、IAUD総裁の親王殿下からのメッセージを殿下の映像をバックに披露されました。この会の開催のお祝いの言葉とともにIAUDの成り立ちと意義などについて触れられており、IAUDを広くアピールすることができたと思います。
会場での言語は、英語とポルトガル語、スペイン語が保障されていました。殿下のメッセージは日本語で読み上げられ、3カ国語に同時通訳されました。しかし驚いたことに、同時通訳レシーバーの貸し出しには顔写真入りの身分証を預けなければならず、我々とすればパスポート・運転免許証・社員証ということになり、ちょっと躊躇しました。これも盗難等を危惧するブラジル流ということでしょうか。IAUDセッションを翌日に控え、IAUDメンバーがAEと交渉し、翌日からは名刺など、名前を示せば貸し出し可能となりました。
決して音響設備が良いとは言えない会場は、RIO2という一番広い部屋でしたが、約210席がほぼ満席。車いす参加者は15人程度、男女比は男性60%、女性40%といったところでしょうか。女性の比率が多いのを改めて感じました。会議参加者は425名とのことでしたので、会場外(ホワイエ)にリアル映像の伝達手段があれば良かったのではないかと思いました。 また、車いすの方のための場所が、特別に準備されていることは無く、それぞれ適当に通路に止まっていました。あえて場所を指定しないこの方法が良いのか、考えさせられるところです。手話通訳は3カ国語の手話通訳がありました。
本会議は、メインのプレナリーセッション(全体会儀)と、カレントセッションとしてプロジェクトとフォーラムがあります。プロジェクトは実施事例の紹介等をもとに議論を進めるセッションですので、比較的分かりやすいのですが、ワーキンググループと呼ばれるセッションもあり、これは議論中心になっていて、話し合いを通じてUDに目覚め、深く理解するといった教育的観点からのセッションです。
会議が進むにつれ、「ブラジル時間」ということを理解していきましたが、何もかもがブラジル流で良いのか、日本では問題になりかねないような運営ではなかったかと思います。良くも悪くも2006への参考としていきたいと考えます。