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2004.06.30掲載
ユニヴァーサルデザインの標準化についての現状と実践事例
3月10日、アムラックストヨタの「アムラックスホール」(東京・池袋)にて、国際ユニヴァーサルデザイン協議会定例研究会を、03年度事業計画に基づいて開催しました。
総勢194名の会員の参加を得ました。来賓として、経済産業省製造産業局人間生活システム企画チーム長・清水 誠様にご参加いただきました。
定例研究会は、会員間でのUD視点の知識、ノウハウの共有を目的に定期開催していくもので、今回は、「ユニヴァーサルデザインの標準化についての現状と実践事例」をテーマとして、2名の講師をお招きしました。
星川 安之 様 (財団法人共用品推進機構 専務理事)
自らの商品開発を振り返りながら、共用品を開発するに至った経緯と、シャンプーボトルのギザギザ、テレカの切り欠きなどが、日本はもとより海外にも広がっていることなどを、実例を挙げて説明していただきました。結果として、2001年には日本提案としてISO/IECガイド71(高齢者及び障害のある人々のニーズに対応した規格作成配慮設計指針)が制定され、より広く普及させる活動が行われている現状を紹介いただきました。
また、共用品推進機構の事業紹介では、利用者の「不便さ実態調査、研究」のデータベース化の活動、「共用品データベース」の公開、「共創システム及びモニタリング調査」の受託体制、「高齢者・障害者配慮標準化の原案作成」など、多面にわたっての活動をご紹介いただきました。
講演後のアンケート結果でも、「日本から世界に広がっていったものがあることを知った」、「不便さについてのデータベースはぜひ使ってみたい」といった声が多く聞かれました。
金森 等 様 (トヨタ自動車株式会社 車両技術本部 第一車両技術部)
人に優しいクルマ開発の一端として、ユニヴァーサルデザインを推進し、2つの指標を軸に開発車展開を行っていることを、具体的に紹介いただきました。
一つは人の身体・生理機能面の特性を基に使いやすさを定量化した「エルゴインデックス」(人のハード面)という評価指標。もう一つはユーザーニーズの達成度合いを示す指標で、人とクルマの様々なシーンの中でユーザーの期待や要望に対してどれだけ達成できたかを示す「シーン適合度」(人のソフト面)と呼ばれる指標。独自のユニヴァーサルデザイン評価指標の考え方及び活用について、新型ラウムの開発事例を引いて紹介いただきました。
アンケート結果でも、「事例がリアルでわかりやすかった」、「指標をつくるプロセスが役立った」、「ユーザー対話、スパイラルアップの大切さを感じた」とのご意見を多数いただきました。一方、「もっと手法についてくわしく知りたい」とのご意見もありました。この点は、金森さんも加入されている「標準化WG」の場で、より深く論議していけるものと期待されます。