2019.11.25
第3回 IAUD住宅学生コンペ 佳作作品①
2019.11.25掲載
佳作:
「借りぐらしと貸しぐらし」
大阪市立大学大学院
樋渡 聖
芝浦工業大学大学院
梅本 晟司
コンセプト:
-空き部屋の境界を解く-
30年前の高度経済成長期に建設された三階連続建て住宅を対象とする。6年後さらに高齢者が増加するとみられるこの町に高齢者と学生が共存する貸し借りの生活を提案する。これは住宅を分断していた共有壁を取っ払いシェルターユニットを含む多様な可動式ユニットによる安心と喜びから日々の生活が豊かになる計画である。
審査委員による講評①
審査委員長:古瀬 敏/静岡文化芸術大学 名誉教授
古い住宅を壊すのでなく、広さを再調整することでお互いの必要な空間をつくりだしてみるという試み。基本モジュールを設定するのは戦後の工業化の過程で考えられたことであるが、ただ畳1枚を基本とするというのは、実際には非現実的である。実用的なユニットのサイズとしてはやはり一坪が妥当なところだろうか。
審査委員による講評②
空き屋・空き部屋の活用による既存をベースに、新しい住まい方と、住む人のニーズに柔軟に対応するシステムを提案している点が、実施可能性はともかく考え方として面白かった。高齢者と学生の組み合わせによる新しい住環境の提案が評価できる。高齢者の健康の問題や学生の長期の休暇(夏休み)などを考えるともっと深い思慮が必要にも思われる。東大阪の特定地域をターゲットとした提案で他への展開がどの程度可能か、高齢者と若者のマッチングが本当に現実的なのかなど検討の余地もある。空間と居住者だけに頼らない加速するコトとしての工夫と高齢者側の必然、メリットをもう少し知りたいと思った。
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