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「聴覚障害者への情報保障のあり方調査」報告書

2005.07.15掲載

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情報保障委員会では、2006年の国際会議を目標に3ヵ年計画でイヴェントの情報保障ガイドライン作成に取り組んでいますが、その基礎調査としてアンケートとヒアリング調査を実施しました。

この調査については5月の定例研究会でも簡単にご紹介しましたが、各種イヴェント(講演会、セミナー、会議等)での情報保障ガイドライン作成に向けて、ユーザーのニーズの的確な把握を目的とし、2004年度の初回は聴覚障害にフォーカスして実施したものです。このたび報告書がまとまりましたので、公開いたします。


聴覚障害者への情報保障のあり方調査 IAC_report_050526.pdf(1.6MB)
同調査 参考資料 IAC_report_050526_reference.pdf(3.6MB)


障害を持つ人の日常生活での自立を支援し、幅広く社会活動で活躍していただくためには、広範囲な「情報保障」の実現が重要課題と考えますが、情報保障委員会ではIAUD主催の各種イヴェントでの情報保障を適切に行うため、2006年の国際会議での発表と適用を目指し、3ヵ年計画でガイドラインの作成に取り組んでいます。最初の2年間は、まず幅広くユーザーのニーズ=課題を探り、併行して支援技術や事例研究を進め、最終の2006年度は京都での開催が決定している国際会議での成果発表と運用を目指して委員会活動に取り組んでいます。


調査企画にあたっては委員の知見をもとに、調査会社5社に調査計画のプロポーザルをお願いし、そのうち3社から提案をいただきました。委員会にて内容、費用などを総合的に比較評価し、調査会社を決定しました。


今回の調査では、多様な障害と生活経験を持つ方からご意見を集めるとともに、可能な限り生活者の視点から情報保障を実現するための課題抽出に努めました。また、聴覚障害を持つ方だけでなく、健常者も含めた社会活動での情報保障のあり方についても、広くご意見をいただくよう努めました。


報告書については入手した情報をできるだけ生の形でまとめることで、今後の情報保障の実現に向けての議論と研究に役立てられるよう心がけました。内容としては4つのパートから成っています。IおよびIIでは、インターネットとペーパーを併用したアンケート調査と、被験者の方にタイプの異なる3件のイヴェントに実際に参加していただき、そのプロセスを追いかけてヒアリングしたストーリー調査の2種の調査概要と結果についてまとめました。IIIおよび参考資料には、情報保障のためのコミュニケーション手段や支援技術の現状と新しい取り組み、障害についての理解を深めるための関連情報や用語解説を含んでいます。


聴覚障害に限れば、イヴェントの企画・運営に関わる方だけでなく、商品開発などUDに関わるIAUD会員の皆さまにも幅広くご活用いただけるものと自負していますが、不足している部分もまだまだ多く、今後は調査対象を障害の種類だけでなくUDの視点からさらに幅を広げ、調査結果を実際のイヴェントの企画・運営で活用しやすいかたちにまとめていくことが重要と考えています。


本調査結果をUD活動の一助としてご活用いただくとともに、今後、会員の幅広いご意見やノウハウをフィードバックいただき、さらに実用に耐えるものに内容強化していきたいと考えていますので、ご協力をいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

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