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「IAUDの委員会活動での情報保障を考える」情報保障委員会

2004.07.30掲載

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「あなたは目や耳が不自由になったらどうやってコミュニケーションしますか?」
「情報保障」という言葉をご存知ですか? 実のところ私も2002年の国際UD会議の運営に関わるまで知らなかったのですが、さまざまなコミュニケーション手段や支援技術を用いて、障害の有無や年齢、性別などに関わらず誰でも、でき得る限り平等な情報提供を目指すことを意味します。

現在取り組んでいるテーマのひとつに、IAUDの委員会活動における情報保障という問題があります。会員の方で、もっと積極的に委員会活動に参加したいが、さまざまな障害により、それが困難となっているケースがあります。


ご存知のように、障害といってもその内容・程度は多様で、どこまで対応するかということは、費用的な問題や参加者のスキルにも大きく関わってきますが、IAUDにとって、「生活者との対話」という活動スタンスを重視し当事者の方とともに活動を進めてゆくうえで非常に重要な課題のひとつと考えています。


当委員会では、まず自ら実践するという意味も込めて、6月の委員会にIAUDの賛助会員で聴覚に障害のある方に、手話通訳の方とともに参加いただきました。聴覚障害者としての状況をお聞きし、IAUDのイヴェントや委員会活動での情報保障のあり方についてディスカッションを行いました。この模様の一部はNHK教育テレビの取材を受け、この方のUDに対する活動を紹介する番組として放送されました。


当日はパソコンの画面を大型ディスプレイに拡大表示しました。この方の場合は中途失聴者で、手話と口話ができるということもあり、コミュニケーションは比較的容易で、委員会はスムーズに進みましたが、委員の多くは初めてのことで、問題点や課題を実感できる貴重な経験でした。



写真1:事業開発委員会のミーティング

写真2:要約筆記中のパソコンディスプレイ

この方は事業開発委員会のプロジェクトにも参加されており、メンバーがパソコンによる要約筆記のシステムを使用してプロジェクトへの参加を支援されています。私も6月に開催されたミーティングに同席し、状況を拝見させていただきました。


テキスト化された情報は健常者にとっても有効であり、記録として活用ができるなどのメリットもありますが、一方で要約やキーボード入力の高いスキルを要することや、入力者が発言しづらいなどのデメリットもあります。しかし、システムとして比較的簡易であることや、メンバー同士の協力で実現できる点など、大変有効な方法であるといえます。


当委員会にも低視力者の方が参加されていますが、大変積極的な姿勢で臨まれているため、口頭やMLでのコミュニケーションにはまったく支障がないばかりでなく、逆にリードしていただいています。ただ、電子化された資料は事前にお渡ししておき、文字サイズや書体などについてはできるかぎり配慮するよう心がけています。


どんな小規模なミーティングでも、まずお互いの状況を理解し、伝えようとする気持ちが重要ですが、一人でも多くの方にIAUDの活動に参加いただけるよう、それらを支援するしくみやITの活用について、今後も検討を行っていきたいと考えています。


最後に、現在の悩みは、こういった活動を効率よく進めてゆくには幅広い知識やノウハウが必要ですが、現在、担当理事も含め8名という少数メンバーで取り組んでおり、この場をお借りして、興味と熱意のあるメンバーを募集します!

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