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「第8回国際ユニヴァーサルデザイン会議2021 in ザ・クラウド」開催速報

2021.03.04掲載

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「第8回国際UD会議2021 in ザ・クラウド」開会式でメッセージを述べられる菅内閣総理大臣



IAUDは新型コロナウィルス感染防止対策の一環として、2月26日(金)と27日(土)の2日間、「第8回国際ユニヴァーサルデザイン会議2021 in ザ・クラウド」を開催し、英国、デンマーク、ドイツ、ヨルダン、インド、タイ、メキシコ、オーストラリアなど世界25の国と地域からIAUD会員をはじめ技術者やデザイナー、学生、メディア関係者など約660人の参加を得て、大変盛況のうちに終了いたしました。

初のオンライン開催となった今回は、2021年秋に開催予定の「第9回国際ユニヴァーサルデザイン会議2021 in ドバイ(仮)」に至る前哨戦として、今後複数回実施するオンライン国際会議の第1回目です。
今回のテーマは、「新型コロナウィルス感染防止のためのデザイン」。国内外の専門家による講演やパネルディスカッションを通して最新の感染防止対策に関する研究成果が披露され、科学的根拠に基づいた対処法を確立するためのデザインを考察しました。

そして、多数の方々と知識共有をすることができ、UDをより多くの人に理解していただく大変よい機会にもなりました。


2021年2月26日(金曜日)

初日には、開会式及び2つの基調講演とパネルディスカッションからなる公開シンポジウムが行われました。

会期中の情報保障としては、全プログラムに日英の同時通訳を配信し、参加者は日本語と英語の音声を自由に選択できるようにしました。さらに、画面上には日本語の手話通訳と要約筆記も用意されました。


画面上には手話通訳と要約筆記を用意


■ 開会式

まずは古瀬 敏実行委員会委員長(IAUD理事長/静岡文化芸術大学名誉教授)より開会の辞がありました。

続いて、古賀 尚文組織委員会会長(共同ピーアール株式会社会長)から主催者を代表して挨拶がありました。
さらに、来賓のご挨拶として、菅 義偉内閣総理大臣からのヴィデオメッセージが放映されました。菅内閣総理大臣は、「科学的な知見とUDを融合させることで、 感染防止にもつながるものづくり、まちづくりを進めていくことは非常に意義深い取り組みです。参加者の皆様が有意義な意見交換を行い、その成果が感染終息に向けた大きな一歩となるよう、心から期待しています」と述べられ、大変励みとなるお言葉を頂戴しました。

最後に、司会進行の川原 啓嗣実行委員会副委員長(IAUD専務理事/名古屋学芸大学教授)による閉会の辞をもって開会式が終了しました。



■ 公開シンポジウム

今回のテーマ「新型コロナウィルス感染防止のためのデザイン」に関して、国内外の招聘講師による2つの基調講演及びパネルディスカッションが行われました。

写真:秋吉 優史氏
基調講演1:様々な感染症に対応可能な工学的感染制御技術の活用
秋吉 優史
(大阪府立大学 研究推進機構 放射線研究センター / 工学研究科 量子放射線系専攻 准教授)
写真:五十嵐 龍志氏
写真:錦織 千佳子氏
基調講演2:222nm紫外線のコロナウィルス不活化効果と安全性について
五十嵐 龍志
(ウシオ電機株式会社 事業統括本部インキュベーションセンター CARE 222nmプロジェクト 最高顧問)

錦織 千佳子
(神戸大学大学院医学研究科 教授)


パネルディスカッション:パンデミック vs ユニヴァーサルデザイン
写真:フランセスク・アラガイ氏 写真:ラーマ・ギーラオ氏 写真:荒井 利春氏 写真:オンニ・エイクハウグ氏 写真:ヴァレリー・フレッチャー氏 写真:益田 文和氏

パネリストのアラガイ氏、ギーラオ氏、荒井氏、エイクハウグ氏、フレッチャー氏、益田氏


司会進行の山中氏

世界5か国からUDの有識者6名をお迎えし、今回のテーマ「新型コロナウィルス感染防止のためのデザイン」に関する意見や感想を伺うとともに、基調講演で提示された内容を広げ、スペイン、英国、ノルウェー、米国、日本での現状やパンデミック対応事例などが紹介されました。




2021年2月27日(土曜日)

2日目は国内の専門家による専門的・技術的な知識に関する5つのレクチャーセッション及びパネルディスカッションが行われました。さらに、2週間にわたるオンラインUDワークショップがスタートしました。


レクチャーセッション

写真:松尾 浩一氏
新型コロナウィルス感染防止のためのデザイン1
紫外線殺菌ライトの効用と使用上の注意点
松尾 浩一
(岩崎電気株式会社光・環境事業部光デバイス部部長)

写真:村上 知美氏
新型コロナウィルス感染防止のためのデザイン2
222nm紫外線の特徴と製品化について
村上 知美
(ウシオ電機株式会社事業統括本部光源事業部第5営業部課長補)

写真:宮内 雅浩氏
新型コロナウィルス感染防止のためのデザイン3
光触媒の抗菌効果と製品への応用
宮内 雅浩
(東京工業大学物質理工学院教授)

写真:吉川 昌孝氏
新型コロナウィルス感染防止のためのデザイン4
抗菌・抗ウィルス効果を持つリン酸チタニウム化合物の無光触媒作用によるコーティングの実用事例について
吉川 昌孝
(株式会社コスモ技研代表取締役)

写真:小澤 隆氏
新型コロナウィルス感染防止のためのデザイン5
銅の抗菌効果と製品への応用
小澤 隆
(一般社団法人日本銅センター技術開発部長)


クロージングセッション

パネルディスカッション:パンデミック終息と持続可能な社会の発展に向けて
    パネリスト:
  • 荒井 利春(金沢美術工芸大学名誉教授)
  • 益田 文和(株式会社オープンハウス代表取締役/名古屋学芸大学客員教授)
  • 大島 誠(名古屋学芸大学客員教授/IAUD理事)
  • 久保 雅義(京都工芸繊維大学名誉教授/IAUD理事)
  • 相良 二朗(神戸芸術工科大学教授/IAUD理事)
  • 古瀬 敏(静岡文化芸術大学名誉教授/IAUD理事長)
  • 司会進行:川原 啓嗣(名古屋学芸大学教授/IAUD専務理事)
写真:荒井 利春氏 写真:益田 文和氏 写真:大島 誠氏 写真:久保 雅義氏 写真:相良 二朗氏 写真:古瀬 敏氏

パネリストの荒井氏、益田氏、大島氏、久保氏、相良氏、古瀬氏


司会進行の川原専務理事

2日間のプログラムの総括として、国内のUD専門家5名をパネリストにお迎えし、会議テーマ「新型コロナウィルス感染防止のためのデザイン」及びセッションテーマ「パンデミック終息と持続可能な社会の発展に向けて」について、感想や意見が述べられました。
また、この後に開始する「UDワークショップ」へのアドバイスや要望なども提示され、ワークショップ参加者にとって励みとなる内容になりました。

参加者からも質問や意見が寄せられ、国際会議の締めくくりにふさわしい大変充実した議論が行われました。


UDワークショップキックオフ
    ファシリテーター:
  • 大島 誠(名古屋学芸大学客員教授/IAUD理事)
  • 相良 二朗(神戸芸術工科大学教授/IAUD理事)
  • 久保 雅義(京都工芸繊維大学名誉教授/IAUD理事)
写真:大島 誠氏 写真:相良 二朗氏 写真:久保 雅義氏

ファシリテーターの大島氏、相良氏、久保氏

2月27日(土)〜3月13日(土)まで、オンラインUDワークショップ「疫病退散 !!」を実施します。
世界5か国から約30人の参加者が3グループに分かれ、「新型コロナウィルス感染防止のためのデザイン」に関して、デザイン提案を行い発表します。

初日はキックオフとして、ファシリテーターである大島氏、相良氏、久保氏からワークショップの方針や進め方についてお話しがありました。



最後に、川原啓嗣専務理事の閉会の辞をもって、2日間にわたる国際会議が閉幕しました。
日本全国及び海外から多くの方にご参加いただき、お陰様で初めてのオンラインでの国際会議を無事に終了することができました。
登壇者の皆様には、この時期に大変関心の高い、科学的所見を活用した感染防止対策へのイノベーションデザインについて非常にわかりやすく素晴らしい講演をしていただき、非常に充実した内容になりました。
参加者からも「科学的、刺激的かつ有意義な内容だった」「非常に貴重で興味深い話を聞くことができた」など、大変高い評価をいただきました。
IAUDはこれからも、今回の国際会議で得た知識や成果、課題など会議の総括をしっかりと行い、次のステップに繋げたいと考えています。

今後ともIAUDへのご指導ご協力をどうぞよろしくお願い申し上げます。

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