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日本は世界にUDを広めるリーダーに

2013.03.14掲載

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写真:高 榮俊氏

高 榮俊

ソウル科学技術大学校デザイン学科教授/韓国デザイン学会副会長:韓国

■インタヴュアー:秋谷 英紀(トヨタ紡織)
■日時:2012年10月13日 18:00~

プロフィール


―2003年にIAUDが設立され来年で10年になりますが、この10年で、日本のユニヴァーサルデザイン(以下 UD)がどのように進化したとお考えになりますか?


高 榮俊(以下 高):ユニヴァーサルデザインの観点からみまして、日本はアメリカに比べますとユニヴァーサルデザインの導入が少し遅かったと思われるんですが、今の日本はユニヴァーサルデザインにおいては世界のリーダーの一国だと思われます。特に感銘を受けましたのは、企業がユニヴァーサルデザインの活動に参画しているという事です。私の国では大企業がたくさんありますが、彼らはユニヴァーサルデザインに興味がないようです。本日も国際展示ホールに行かせていただきましたけども、東芝さんやパナソニックさんなど大企業が各ブースをお持ちになって、ユニヴァーサルデザインの製品やカタログなどをお出しになっている。それが非常に羨ましいと思いました。ユニヴァーサルデザインに関して、日本は先進国だと思います。ですので、今後リーダーとして世界にユニヴァーサルデザインを広めていただく推進していく役割を持っていただきたいと思っております。



2つ目の質問です。UDに関して、アジア地域における日本の役割はどうあるべきだと感じていますか?


高:ユニヴァーサルデザインに関しまして、日本はすでにリーダーの一国です。今後はアジアの国々とネットワークをつくり、ユニヴァーサルデザインの製品だけではなく、コンセプトと共に広めていけばいいのではないかと思います。私は大学の教授ですので、私がおすすめできる事といいましたらIAUDのような団体が国際コンペを開くという事だと思います。これがユニヴァーサルデザインを韓国で広げていくのに非常に良い方法だと思います。なぜなら国際コンペを開きましたら、若い方をユニヴァーサルデザインに引き寄せる、呼び込む事ができます。これが非常に大事なポイントです。韓国の若いデザイナーは国際コンペがありましたら、絶対参加してくると思います。これを戦略としてユニヴァーサルデザインのすばらしさを広めていって頂きたいと思います。



―韓国の大企業があまりユニヴァーサルデザイン興味がないとおっしゃいましたが、一方で若い世代は興味があると思いますか?


高:他の分野に比べると、若い方々はユニヴァーサルデザインに興味があまりないと思いますが、だからこそ彼らを引き寄せなければいけない。積極的に若い方々が参加してくるというものが、韓国でユニヴァーサルデザインを広めていく事において、欠かせない重要なポイントだと思います。国際コンペを開いていただきますと、その後で仕事がとれる、大企業に入れる、チャンスになるからといった理由で参加してくる若い方が多いと思います。



―東日本大震災を機に、日本やアジアに住む方々の安全・安心に対する意識が大きく変わりました。「今後起こりうる自然災害から安全に命を守る」「震災後に取り組むべき安心した日常生活の回復」は、日本にとって切実な課題です。こうした「命を守る」「安心した日常生活の回復」という観点とサスティナブルな社会実現へ向け、どのように取り組んでいくべきだとお考えでしょうか?


高:サスティナブルに焦点を当てさせて頂きますけれども、ユニヴァーサルデザインのリサーチャーと致しまして、今後、ユニヴァーサルデザインがカバーするエリアを製品だけではなく、環境、社会の方にどんどん広げていく必要があると思います。そのためには災害におけるデザインのガイドラインをつくる、災害の起こる前、最中、起こった後に対して、よい対応の出来る準備をしておく事が必要だと思います。ただ、災害と一言で申し上げましても国によって災害の種類が違うと思います。韓国では日本と違いまして地震や津波がございません。その代わり地下で火事が発生する事があります。だんだん企業が増え、高層ビルが増えてきたという事もあり、地下にスペースをつくる会社が増えてきています。その事により災害が地下で増えてきています。
2003年に地下鉄で火事が起こり、韓国の大都市の1つテグという町で100人以上の方が亡くなりました。こういった事に対して対応していかなければいけないと思います。

災害とはちょっとずれるんですが、韓国では特に子供や女性に対する性犯罪が社会問題になっておりまして、こういったものに対しても防止対策を整える必要があります。こんな問題に対しましてデザイナーがきちんと使命を果たして行くというのが、必要だと思います。

写真:高 榮俊氏追加いたしまして、ビル火災というものまた災害の1つだと思います。ビル火災におきまして、障がい者の方や高齢者の方、こういった方々に配慮して、デザインをうまく活用していく。例えば私は、階段を移動する機器をデザインしたんですけども、これにより上下の移動が難しい車椅子の方でも簡単に移動が出来る、移動が困難な方々、逃げられない方々の移動を容易にする為の機器というものをデザインさせて頂きました。こういったもので地下だけではなく、ビル火災の問題に対しても、避難していく方法を考えていく必要があると思います。

昨年、日本の津波の時には高齢者や障がい者の方が多くお亡くなりにました。これはある意味、貴重な教訓だと思います。このように、災害に対する対応も必要なんですけども、避難に対する対応も重要だと思います。こうした事で様々な製品をデザインしていければと思います。



―今後さらに日本におけるUD活動に期待されることはありますか?


高:日本の企業は非常にすばらしいユニヴァーサルデザインの製品をお持ちです。こういったすばらしいユニヴァーサルデザインに関するスキルを広げていって頂きたいと思います。そうする事がユニヴァーサルデザインを広める1つの方法ではあるんですけども、それによりまして、経済も発展しますし、会社の売り上げも伸ばしていただけると思います。他の方法としましては、東アジアで展示会やセミナーを開いていただいて、ユニヴァーサルデザインを広めていくのがよろしいかと思います。日本と違いまして、他の国、東アジアの国の方々は、ユニヴァーサルデザインの重要性についてあまり認識をもっていらっしゃらない。ですので、日本の役割と致しましては、そういった東アジアの方々がユニヴァーサルデザインの重要性をキチンと認識できる様にしていただきたい。それが日本の役割だと思います。


―ありがとうございました。



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