IAUDアウォード2013は38件(海外からの応募4件)の応募があり、IAUDアウォード2013審査委員会による厳正且つ公正な審査の結果、「大賞」、各部門の「金賞」6件、「銀賞」7件のほか、UDにおいて一定の基準を満たしたものに対し「IAUDアウォード」14件を選定しました。
そして、11月21日に開催された「IAUD設立10周年記念イヴェント」において、表彰式とプレゼンテーションが行なわれました。
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IAUDアウォード2013 大賞
Honda新型軽乗用車N-BOX+車イス仕様
本田技研工業株式会社/株式会社 本田技術研究所
【概要】
軽自動車の限られたスペースの中で、燃料タンクのスペースを前方に移動しラゲージスペースの深さを増加させた。積載量が増しただけでなく重量物や自転車、車椅子等の大型機器の積載性を向上させ、更にウインチやアルミスロープを内蔵し、様々なユーザーの幅広い使い勝手の要求に答える、UDを実現した。
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IAUDアウォード2013 金賞
■公共空間部門 国土交通省後援
大田区役所本庁舎のスパイラルアップによるユニバーサルデザインの取り組み
大田区/株式会社ウチダシステムズ/株式会社クワハタデザインオフィス
【概要】
大田区役所本庁舎は2009 年にサインの全面改修を行い、障害当事者と連携UDのスパイラルアップを継続している。度重なる意見交換や検証を行ないながら独自のUDを展開させ、現在では全ての来庁者を迎える環境が実現し、そのノウハウを区保有の施設整備へと展開させている。
■事業戦略部門
視覚障がい者のQOL(Quality of Life)向上を目指した音声読み上げ商品の普及活動 ~競合企業によるユニヴァーサルデザイン理念に基づく垣根を越えた取り組み~
三菱電機株式会社/パナソニック株式会社
【概要】
三菱電機(株)とパナソニック(株)は、各々のUDの考えに基づき音声で読み上げる商品を開発している中、より多くの視覚障害者の方に情報源となる音声読み上げテレビを活用頂けるよう共同で、実機体験会や商品紹介及び操作方法を掲載した専門ポータルサイトの立ち上げ等、普及活動を推進している。
■交通部門
トレインビジョン
三菱電機株式会社
【概要】
トレインビジョンは、液晶表示装置(LCD)に乗車中の列車に関する情報(列車種別、行先など)、次に停車する駅の情報(駅名、乗換、駅設備、扉開閉方向など)、路線図、リアルタイムな運行情報などを表示する旅客案内情報を表示する列車内映像情報システムである。
■未来世代部門
ドクターユニバーサルデザイン授業 ~小学校での取り組み~
積水ハウス株式会社
【概要】
小学生向けのUD出張授業で、積水ハウスの研究所員が先生(ドクターUD)となって授業を行う取り組み。豊中市立上野小学校3年生の総合的な学習の一環として2 年連続実施。1 時間目はUD事例を用いて座学、2 時間目は学校のUDを探索するグループ実習。レポートを作成し合格すれば、「ドクターUD 授業修了証書」を授与。
■コミュニケーションデザイン部門
UD手書き
株式会社プラスヴォイス
【概要】
耳が不自由な方と健聴者の会話ツールとしてiPadやiPhoneを用いて筆談するためのアプリ。UDの概念を取り入れた誰もが簡単に手書きで使えるインターフェイスや、音声認識文字入力機能を搭載することで筆談に関わる労力と情報量の低減を抑え、耳が不自由な方のコミュニケーションの幅を広げるためのものである。
■医療福祉部門
Wells縦置き浴槽ユニットバスの開発
積水ホームテクノ株式会社
【概要】
現場の介護士さんのノウハウと人間工学検証実験により生まれた、介助サポート浴槽や浴槽位置の可変機能により、利用者の身体特性や介助動作に最適な空間をつくりだし、高齢者の快適入浴と介助者の負担軽減が可能な、新たな介助のかたちを実現した。
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IAUDアウォード2013 銀賞
■公共空間部門 国土交通省後援
スーパーマーケットにおけるチェックアウトカウンターのUD研究および提案
株式会社岡村製作所
【概要】
スーパーマーケットにおけるレジ精算時では、チェックアウトカウンターを通してお客様・買物商品・チェッカー(店員)が交接するが、そこには対象となる人の幅広い多様性に対し、店舗の立地・規模や企業方針、システムなどが複雑にいりこんでいる。これは、同社が常にUD視点での解決策を導いていく一連の研究および提案の活動である。
■未来世代部門
子どものためのスマートユニバーサルデザイン
積水ハウス株式会社
【概要】
子どもの特性に沿って安全を確保しつつ自主性を促す“子育ち”視点のUDの設計指針を作成。子どもの特性を、「小さい」「弱い」「分からない」とし、重篤な事故をなくし、小さな失敗を経験に、安心して子どもが自ら成長できる住まいづくりのための11 の指針を作成。また、生活者が自分で必要なアイテムを選択できるよう、専用のツールを開発。住宅展示場で親子でUDについて学習、体験できる仕掛けを用意し、住まいの計画の段階でUDを理解し確実に実現できるようにした。
書籍『考えよう 学校のカラーユニバーサルデザイン』
教育出版株式会社
【概要】
色弱の子どもが、学校生活のどのような場面で困るのか、先生や周囲の者が配慮したり工夫したりできることは何かを、具体的な状況に即した説明と詳しいイラストで解説。
■コミュニケーションデザイン部門
音声読み上げ機能搭載TVのグローバル展開
パナソニック株式会社
【概要】
音声読み上げ機能は、電子番組表の表示中や選局時に、放送局名や番組名を音声で読み上げるなどの便利な機能である。開発当初は日本国内のみの対応だったが、2012 年にイギリスで、2013 年には26 言語に対応し、欧州、アジア、北南米などにグローバル展開した。多くの国で、健常者の方はもちろん、視力の低下した高齢の方や視覚障害者の方のテレビ視聴を支援できる。
カラ―ユニバーサルデザイン・マネジメントシステム認証(CUDMS認証)の開発および事業者の認定
大日本印刷株式会社/NPO法人カラ―ユニバーサルデザイン機構/株式会社DNPメディアクリエイト
【概要】
色覚の個人差を問わず、多くの方に見やすいように配慮したカラーユニバーサルデザイン(以下、CUD)を社会に広げていくための基幹プロジェクトの研究開発。CUD 工程標準化によるマネジメントシステムの構築事業所認証制度。
■医療福祉部門
Universal Physical Medicine & Rehabilitation [PM+R] Environments for All Ages & Abilities
Moore Design Associates
【概要】
私たちは大事故に遭って、あるいは大怪我をして自分の存在を見つめ直すときになって初めて「自分の認知能力や身体能力は当たり前のものではない」ということに気づく場合が多い。「PM+R」は、医学で命拾いをした後に生活の質を取り戻すものである。この独自のUDによるケアのアプローチでは、患者や家族の実際の環境を用いて自立生活技能を回復する。
■ソーシャルデザイン部門
チャージ機能付きソーラーランタン BG-BL03
パナソニック株式会社
【概要】
日中に太陽電池で発電したエネルギーを充電池に蓄電し、夜間の灯りや携帯電話など小型機器充電用の電源として活用できるランタン。世界の無電化地域の多くでは照明として灯油ランプが使われているが、明るさが不十分なだけではなく、煙による健康被害や火事の危険にさらされており、クリーンで安心な“灯り”と“電源”を安定して供給したいという想いから、「チャージ機能付ソーラーランタン」を開発。
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表彰式
11月21日に富士ゼロックス R&Dスクエア(横浜・みなとみらい)で開催された「IAUD設立10周年記念イヴェント」において、「IAUDアウォード2013表彰式/プレゼンテーション」が開催され、260人が来場しました。38件(海外からの応募4件)のエントリーの中から、IAUDアウォード2013審査委員会による厳正・中立な審査の結果選定された「大賞」、各部門の「金賞」6件、「銀賞」7件、「アウォード賞」14件が発表されました。
その後、岡本一雄理事長による表彰状授与が行なわれました。
プレゼンテーション
表彰後、大賞および金賞の受賞者による受賞した取り組みのプレゼンテーションが行なわれました。
審査委員長の講評
表彰状授与に続き、審査委員長のロジャー・コールマン氏(英国王立芸術大学院名誉教授)よる講評が、川原啓嗣審査員の代読により紹介されました。
審査委員長による講評
パネル展示
「IAUD設立10周年記念イヴェント」会場において、受賞内容のパネルが展示されました。