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2004年度 第5回定例研究会開催報告

2015.01.14掲載

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『Designing for the 21st Century III』ブラジルUD国際会議レポート


1月14日、東芝本社ビル会議室において、2004年度第5回定例研究会が開催され、115名の参加がありました。今回の定例研究会は、12月のUD国際会議の参加者によるレポートと「IAUD特別セッション」の再現を中心とした構成でした。


1)ブラジルUD国際会議 IAUD参加レポート
《14時00分~14時25分》

最初に、国際委員会・小山委員長より「UD国際会議 総括」として、次のようなお話がありました。


1日目(12月9日)に、オープニングセッションとキーノートスピーチが行われました。ここでは300名近い出席者がありました。その中でIAUDの総裁でありますともひと親王殿下のメッセージが、戸田議長によって代読披露されました。

2日目(10日)の特別プレナリーセッションでは、戸田議長による基調講演として日本の伝統的なUDの製品やIAUDの活動が紹介され、あわせて2006年に京都で国際UD会議を開催することのアナウンスがありました。その後にIAUDを代表して6社7名によるUD活動の実践が発表されました。このセッションで印象に残ったのは、IAUDが日本の企業135社以上の会員をもってまじめにUDに取り組んでいることが、会場に集まった人々に強いインパクトを与えたという点と、2006年の国際UD会議への期待が高いと感じられた点でした。今回の会議では、報告の8割以上が建築中心のバリアフリー的な話であったこともあって、日本の企業が消費者向けの工業製品に多く取り組んでいることに大きな関心が寄せられたように感じました。また、その日のお昼には、第2回ロン・メイス賞授賞式が行われ、IAUDも受賞いたしました。夜にはIAUD主催のレセプションが行われました。国際会議に出席した会員、国内外のIAUDアドヴァイザー等関係者を招待してのレセプションで、意見交換やいろいろな話が聞けた有意義なものでした。

3日目(11日)には、個別のセッションとクロージングセッションが行われました。 展示についてですが、日本から10社ほどの展示参加をいただきました。



写真2:ともひと親王殿下のお写真を映写してのメッセージご披露

最後にまとめとして、工業製品についてまじめにUDに取り組んでいるのは日本が多いようで、特に出席者のNPO団体や多くの建築家の方々から関心を持たれました。また、ヨーロッパやアメリカの団体から「一緒に活動をやりませんか」あるいは「情報提供してほしい」という申し入れが国際委員会に寄せられました。このあたりについては来期の事業計画に組み込みたいと思います。そして会議そのものを含め、IAUDのツアーとしては大成功であったと思います。


続けて、本会議初日と同様に、ともひと親王殿下のお写真を映写してのメッセージご披露がありました。


2)IAUDセッション(再現)《14時25分~16時30分》

続いて、IAUDセッションで発表された内容そのものが再現されました。

戸田議長の基調講演を、テーマ研究委員会・細山委員長が行いました。IAUD会員企業6社7名によるプレゼンテーションが "Quality of USE" という視点を取り巻く "People" "Process" "Product" の側面からそれぞれアプローチして発表するという説明が冒頭あったことで、それぞれの企業の発表であるプレゼンテーションがIAUDとしての活動というつながりのあるものになったと思います。

写真3:テーマ研究委員会・細山委員長による戸田議長の基調講演

写真4:戸田議長の基調講演を再現


3)国際会議レポート《16時40分~17時00分》



写真5:ブラジルUD国際会議に関する説明

イヴェント企画委員会担当の加藤理事から「UD国際会議 感想と課題」というテーマで、「2002横浜会議」と「2004ブラジル会議」の比較および「2006京都会議」へのつながりという視点でお話がありました。

「2002横浜会議」と「2004ブラジル会議」を、会議のテーマ、登録人員、セッション数、セッションの分野別内容等、数値を挙げて比較すると、今回はブラジル開催ということもあり規模が小さく、テーマの偏りが若干見られました。また、音声同時字幕システム等いくつかの点では、横浜会議が優れていた点もあったと言えます。

次に、2006年京都国際UD会議に向けて、ブラジル会議のキーワードや昨今の状況を考えると以下のポイントが挙げられます。

一つは「企業団体の成果展示」という部分が日本で開催されることでの特徴としてあると思われる点。もう一つはCSR(コーポレート・ソーシャル・レスポンシビリティ)、社会貢献、人権法制化の問題、安全、安心、それから京都議定書が発効されていることからエコロジー、サスティナブルも含めたUDという視点が考えられる点。そしてグローバルという視点で海外からの参加も当然考えられるという点です。

そして、2006年京都国際UD会議に向けて皆様のご理解ご支援をお願いしたいと、まとめました。

続いて、広報委員会・酒寄委員長より『UD国際会議 風景』と題して、写真を中心にした現地の雰囲気(会場の様子、開会式、IAUDセッション、展示ブース、レセプション、ロン・メイス賞授賞式とブラジルのクリッピング)が伝わる報告がありました。


今回の定例研究会は多くの参加者を得、タイムリーなテーマをホットなうちに提供できた点で大変有意義な研究会であったと思います。


なお、実際のブラジルUD国際会議の内容詳細につきましては、「21世紀のためのデザインIII、ユニヴァーサルデザインに関する国際会議報告」に掲載されていますので、ご覧ください。

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