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ワークショップ委員会の活動報告

2013.04.10掲載

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ワークショップ委員会 牧野克己委員長

ワークショップ「48時間デザインマラソン」とは

牧野克己委員長

ユーザーとの対話や共通行動を通じ一人一人の人間性を尊重し、使い手中心の考え方を重視したものづくりや、社会環境作りを目的としたワークショップです。 「UDの普及啓蒙」「将来のUDを担うリーダーやデザイナー育成」「新たなデザイン開発手法を探求する学びの場」を目的としています。



48時間デザインマラソンこれまでの歩み

千葉、名古屋、浜松、金沢と、毎年全国各地で開催を行い、日本各地にUD活動の種を撒いてきました。
この結果として、多様な個性をもつユーザーさん達との出会いや、各地の大学や行政機関そして地元の方やメディアの方との出会いやご協力をいただき、多彩で魅力的な提案を数多く創出することや、意識を高めることができました。
そしてTVや新聞でも紹介され、多くの方にワークショップを知ってもらい、今後の社会の課題を共に考えてもらうことができました。また参加者メンバー同士の親密なつながりをはじめ、デザイナーの所属会社を越えたネットワークをひろげ、視野を広げることができたと思います。



2012年48時間デザインマラソンin 福岡 開催概要

「48時間デザインマラソンin福岡」は2012年10月10から13日まで、九州大学芸術工学部大橋キャンパス多次元実験棟で行いました。
障害を持つユーザーを中心に、多くの業界からデザイナー、学生など6チーム、46人が参加しました。
今回のテーマは、「世界の玄関 福岡と観光」です。

初日のフィールドワークでは、車いすユーザー、視覚障害のあるユーザーとチームを組んで街へ繰り出し、障害者を取り巻く様々な課題や切実な問題を発見しました。


障害者を取り巻く様々な課題が発見できる

2日目のクリエイションワークでは、フィールドでの気づきを元に解決策やアイデアを展開します。時にはぶつかり合いながら意見を出し合うこともありました。さらに、簡易モデルを使ったデザイン検証をするなど、妥協せず深夜にまでプレゼンの準備をしました。


フィールドでの気づきを元にアイディア展開

3日目のチームプレゼンテーションは、「第4回国際UD会議2012in 福岡」内で行いました。



チームプレゼンテーション概要


作品 TeamA~F

Aチーム「Bookerchief」: 清潔でオシャレに使える本のように綴じたハンカチです。
Bチームの「NIWACA」: 「博多にわか」にちなんだ形で、手や腕に張り付けられる1day観光パスポートです。
Cチーム「PITATTO」: 車イスユーザーや補助が必要な人のバス乗降を、事前通知します。
Dチーム「MOMOCHI WALK」: 地場の八女杉を使い、百地浜に設置するウッドの遊歩道です。車イスやハイヒールでも楽しめ、人を誘う形状を特徴とします。
Eチーム「OCHOCO」: 首掛け式の利き酒情報が記録されるオチョコで、アクセサリーにもなります。
Fチーム「てことばT」: 手話の所作をグラフィック化したご当地みやげのTシャツです。

ベストデザイン賞はAチームの「Bookerchief」に、ベストプレゼンテーション賞はファッションショーに見立てた提案を行ったFチームの「てことばT」が受賞しました。 国際会議での発表審査と表彰が終わった後、各チームは48時間を一丸となって取り組んだ達成感と、ワークショップが終わった安堵感を同時に感じていました。受賞の喜びを分かち合うチームや、プレゼンを振り返り、反省の意見を交わす光景がありました。 翌日は振り返りの会を行い、次回につながる様々な意見がありました。
また、参加者の意見では、「今まで出会ったことのない自分に出会えた」という言葉や、そしてユーザーさんの感想では、「デザイナーのパワーと情熱を感じた」「こんな感動は初めて味わった」など、たった48時間の活動を通じて、チームメンバーにはかけがえのない深い絆が出来上がっていきました。
ともに行動して切実な問題に気づき、コミュニケーションを繰り返しながらアイデアを具体的な形にしてゆく。そしてアイデアを発展させて、可能性や魅力を広げてゆくデザイナーの創造力。企業の枠を超えて一つの課題に集中して取り組む体験は、将来を担うデザイナーの考え方や心に、確かな手がかりと新しい可能性を与えたことでしょう。


一緒にやれた!そして障害者との壁のない世界へ!



監修者 荒井利春教授からの総括

私たちは歴史の中の「今」を共に生きています。
企業の枠を超えた活動に、歴史に刻むようなデザインが生まれる可能性があります。 坂本龍馬のように新しい社会を築く行動は、デザイナーの仕事に通じるものがあるはずです。
「企業デザイナー」「社会のデザイナー」「ひとりの人間」3者の立場を行き来しながら、私たちはデザインの歴史を築きます。


開会の辞

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