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開会の辞 山本会長

2011.03.20掲載

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山本でございます。皆様、本日はお忙しい中、ご参集ありがとうございます。 本日は総裁の寬仁親王殿下が、先ほど話がありましたように、ぜひご臨席されたいというお考えでしたが、残念ながらご体調が十分でないとのことで、私どもとしては一日も早い本格的なご回復をお祈りしつつ、本日は、組織委員会での殿下のお言葉やお考えなども併せてできる限りお伝えしたいと思います。


さて、本日はご来賓として内閣府より共生社会政策ご担当の村木厚子政策統括官をお迎えし、また、国際会議の開催地である静岡県や浜松市からも多数のご出席をいただいております。
村木様には国際会議初日に、来賓としてご挨拶をいただきました。岡崎トミ子国家公安委員会委員長・内閣府特命担当大臣のメッセージを代読いただきました。殿下とともに展示会場の内覧にもご同行いただきました。本日の成果報告会へのご臨席と合わせ、改めまして重ねて御礼申しあげます。


さて、2010年度の活動を振り返ってみますと、何と言っても最大のハイライトは浜松市での第3回国際ユニヴァーサルデザイン会議の開催が挙げられます。
日本のUDは2002年の、今から9年前ですが、横浜の国際会議を一つの契機として本格的な取り組みが展開され、発展してきました。2006年の京都ではさらに領域が広がり、取り組みも深まりました。そして第3回目となる今回は、国際色豊かな浜松市という中規模の都市での開催となりました。
横浜、京都とは様々な点で状況が異なり、その成果だけでなくプロセスも含め、今後の国際会議の企画・運営を考える上で貴重な経験となりました。経済環境をはじめ、大きく揺れ動く社会情勢の中での開催でしたが、今回の大きな特徴はそのような状況も踏まえたテーマの広がりと深まりが挙げられるでしょう。 ここ4年間におけるUDを取り巻く環境の変化は想像以上に大きく、サステイナビリティやグローバリゼーションの問題と深く関係づけて取り組む必要性を、改めて強く感じさせられました。
そして、開催地である静岡県や浜松市、地元企業の皆さまの大変熱心で真摯な取り組みは、展示会場やこどもUDコンテスト、歓迎レセプションでの楽器演奏や、視覚障害者の琴の演奏など、数えあげればきりがありませんが、数々実施された多彩なプログラム内容にも表れていました。関係者の皆さまには多大なるご協力をいただきましたこと、改めまして深く感謝申し上げます。


開会式では殿下より、「10年かかって日本はようやくユニヴァーサルデザインのトップランナーとして認められるようになったと思います」というお言葉をいただきましたが、国際会議終了後の組織委員会では、会議の成果とともに、もっと積極的に日本のUDを世界に発信した方が良いだろう、とおっしゃられていました。また、国際会議に海外から参加された方からも、同じようなご意見を複数の方から伺っております。
IAUDでは、さらに情報発信だけでなく、具体的な製品・サービスについても、グローバル展開がなされ、世界の人の暮らしの中に浸透させていくことは、社会貢献であると同時に、日本経済のさらなる発展にも重要な要素になると思います。
また、ちょっと口幅ったいですが、これからの日本の広い意味の文化発信、クールジャパンの1つの大事な要素になるのではないかとも思います。


幅広い領域にわたる世界各地、各界からの講演者と参加者を迎え、国際会議としては前回の実績に迫る手応えが感じられる結果といえます。


しかし、一方で実社会に目を転じますと、最近の不安定な社会情勢や富の偏在といった深刻な問題を例として、世界にはまだまだ多くの課題が残されています。この会議を主催・推進したものとして、責任をもって活動し続けるとともに、今回の会議の成果や会議後の進展などに関しても、世界に向けてしっかりと伝え、日本発のUDを広めていきたいと思います。
その一環として、本日の報告会では、国際会議の成果を中心としたご報告とともに、そういったIAUDの今後の活動に向けた思いや新たな決意を、会員の皆さまにお伝えし、共有できればと思います。


繰り返しになりますが、今回の国際会議開催のためにご尽力いただき、支えていただいた多くの皆様方に改めまして感謝を申し上げます。そしてこの会議で共有し確認した知恵と変革への思いをUD社会実現の牽引力として、今後も活動を持続していくことを会員の皆さまとともにここに確認し合い、本日のご挨拶のくくりとさせていただきます。
どうも、ご静聴ありがとうございました。



 

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