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「2007年度 IAUD活動報告会」開催速報

2008.02.14掲載

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2008年2月8日、トヨタユニバーサルデザインショウケース(東京・青海)において、「2007年度 IAUD活動報告会」が開催されました。当日は、総勢309名の方々が参加し、社団法人日本フィランソロピー協会理事長・高橋陽子氏による基調講演、各WGやPJの研究・活動報告、交流会などが行われました。

【写真1】会場となったトヨタユニバーサルデザインショウケース
【写真2】会場受付の様子

● 開会挨拶

午前の部は会員限定で公開され、吉浜理事長からの開会挨拶に続き、標準化研究WGと国際担当から発表がありました。

【写真3】吉浜理事長
【写真4】会場の様子

● 標準化研究WG「IAUD/UDマトリックスの活用」(佐武主査)

標準化研究WGの佐竹主査からは、2007年10月に公開したUDマトリックスの特長や具体的な活用方法などについて説明がありました。また、2007年度に実施したマトリックスの評価会を通じて得られた成果と課題について報告があり、さらには今後の課題として、UDマトリックスに写真事例などを挿入した「UD絵本」が提案されました。

【写真5】標準化研究WG・佐武主査

● 国際担当「インクルード2007を通して見た欧州のUDの動向」(富岡氏)

続いて国際担当の富岡氏からは、2007年4月に開催された「Include2007」について、当日の会場の様子や各セッションの発表内容などについて参加報告がありました。また、参加した所感として、人間中心設計が拡張していること、UD教育が必要であること、IAUDが取り組むべき課題として「学」・「官」との連携があげられることなどが、述べられました。

【写真6】国際担当・富岡氏
【写真7】手話通訳の様子

● 挨拶「IAUDの果たすべき役割」(吉浜理事長)

昼食休憩の後、午後の部は一般公開で開催されました。最初に、吉浜理事長が登壇し、IAUDの設立趣旨や役割、中期ヴィジョンなどについての再確認があった後、2007年度の具体的活動、今後の展望と課題などについて話がありました。

【写真8】パソコン要約筆記による情報保障

● 基調講演「CSRにおけるUDを考える」(社団法人日本フィランソロピー協会理事長・高橋陽子氏)

続いて、社団法人日本フィランソロピー協会理事長の高橋陽子氏から、「CSRにおけるUDを考える」と題した基調講演がありました。高橋氏は、日本や世界におけるCSRの変遷について解説した後、企業と社会が対立しあう概念からの脱却を図ることの必要性を言及し、CSR推進のポイントとして「経営トップの哲学とコミットメント」「社内の体制づくり」「従業員の意識の共有」「風通しのよい社内風土の醸成」の4つをあげられました。

また、「CSRの観点からのUD」について企業や自治体の取り組み事例を示し、今後のCSRについて、企業(Corporate)の論理からではなく、市民(Citizen)としての社会的責任へと概念を変えていくことの必要性を述べました。それを踏まえた上で、ステークホルダーとの関係はパートナーに変化し、これを大きくSR(社会的責任)の段階と表現されました。さらに、各企業がCSR推進に資するUDを実践するためには、プロセスに多様な人が参加すること、チーム内に社内の横断的な部署を置くこと、社外ネットワークを作ることなどが必要であると述べられました。

【写真9】社団法人日本フィランソロピー協会理事長・高橋陽子氏
【写真10】会場の様子

● 移動空間PJ「シームレスな移動空間の研究」(近藤主査・佐藤氏・増氏)

続いて、移動空間PJから「移動情報のUD調査手法」と「カーコックピットのUD」について、発表がありました。

「移動情報のUD調査手法」については、2006年度までの成果として提唱された「シームレスモビリティ」について簡単な説明があった後、2007年度に構築した具体的な調査手法とその調査に基づく結果、結果から得られた成果と課題などについて報告がありました。

【写真11】移動空間PJ・佐藤氏

「カーコックピットのUD」については、2007年度は問題の再分析を行ううえで「生活者の視点」を取り入れ、カーコックピットと家電機器との相違点を「作法」「かたち」「表記」「色」の4つの視点から再分析。その上で立てた仮説を、ユーザーインタビューなどを通じて検証したことが報告されました。

【写真12】移動空間PJ・増氏

● 余暇のUD-PJ「CM字幕に関する提言」(飯泉主査)

続いて余暇のUD-PJの飯泉主査から、「CM字幕に関する提言」と題した発表がありました。発表では、字幕付きのテレビ番組が増えている一方でテレビCMには字幕がないことを問題として捉え、2007年度はその要因等の調査を行い、CMに字幕を付ける上で幾つかの障壁があることが報告されました。また、それらの障壁はいずれも解決可能であり、今後は当たり前の情報保障として、また広告効果の拡大や新たなビジネスチャンスの獲得という観点からも、テレビCMに字幕を付すことの必要性が述べられました。

【写真13】余暇のUD-PJ・飯泉主査

● ワークショップWG「ワークショップ活動報告」(秋谷主査)

最後に、ワークショップWGの秋谷主査から、2007年10月に千葉市・美浜文化ホールで開催された「48時間デザインマラソン」についての報告がありました。報告では、その時の模様が動画で映し出され、各チームの活動の様子や実際に提案したUD製品などが紹介されました。

【写真14】ワークショップWG・秋谷主査

● 閉会挨拶

最後に、岡本議長から挨拶があり、これまでのIAUD各WG・PJの活動の意義と成果などについて言及し、今後さらなるUD社会の実現に向けて努力していく必要があることなどについて、話がありました。また、活動報告会と同時に、会議前室で行われたパネル展示では、UDの発展・普及に向け活発な意見交換がなされました。

【写真15】岡本議長
【写真10】会場の様子

活動報告会の終了には交流会が行われ、多くの会員が参加して親交を深めました。

【写真17】交流会の様子

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