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聴力】感音難聴 70dB以上

特徴

【身体障害者手帳対象】

・感音難聴は内耳以降の感音系の問題による難聴で、音が小さく聞こえるだけでなく、ひずんで聞こえる。治療や手術による改善が困難なことが多い。
・伝音難聴は外耳、中耳など伝音系の問題による難聴で、音が小さく聞こえる。医学的な治療や手術などで改善可能な場合が多い。
・混合難聴は、伝音難聴と感音難聴が合併した状態。

生まれつき障害がある場合(先天性)、言葉を覚えた後に聴力を 失う中途失聴、高齢者の加齢にともなって進行していく (老人性難聴)など原因、種類、程度、時期によりさまざまな ケースがある。

聴力レベルの基準はdB(音の強さを表す 単位)で表され、大きさの目安は以下のとおり

身障者手帳等級 2級 100dB (ガード下の騒音程度)以上
           3級 90dB (怒鳴り声や叫び声)
           4級 80dB (電車がホームに入る音)
           6級 70dB (騒々しい街頭)
(身体障害者施行規則第七条第3号別表第5号の身体障害者障害程度等級表より)

(聴覚障害単独での1級はない。5級は平衡感覚に著しい障害を持つ場合など)


(参考)聴覚障害がある人(補聴器を用いても10メートルの距離で、90デシベルの警音器の音が聞こえない人)であっても、ワイドミラーを活用して慎重に運転することにより、普通自動車を安全に運転することができるものと認められた。
(警察庁、平成20年6月1日)

原因となる主な疾病

・伝音難聴の原因
外耳道閉塞、耳垢栓塞、耳管狭窄症、滲出性中耳炎(中耳カタル)、急性中耳炎、慢性化膿性中耳炎、真珠腫性中耳炎、中耳の先天性奇形、外傷性奇形、耳硬化症

・感音難聴の原因
突発性難聴、音響外傷、メニエール氏病、蝸牛窓破裂症、薬物中毒、騒音性難聴(職業性難聴)、妊娠中の事故

代替手段、自助具、携行医療機器、対処法、など

手話、口話、筆談、読唇、ジェスチャー、以上の手段の複合的利用、聴導犬、補聴器(伝音難聴に有効)、骨伝導スピーカ(伝音難聴に有効)、携帯電話のメール機能、要約筆記

日本の該当者数

聴覚・言語障害36.0万人
(1級:1.6万人、2級:10.3万人、3級:7.7万人、4級:5.3万人、5級:0.3万人、6級:7.9万人、不明:3.1万人)
(身体障害児・者実態調査:平成18年版(平成17年7月1日調査))
(聴覚障害単独での1級はない。5級は平衡感覚に著しい障害を持つ場合など)
WHO定義による聴覚障害者(40dB以下が聞き取れない) は日本人口比で4.7%(600万人)。

一般的な配慮方法

特に先天性の聾者や難聴者の場合、言語の習得過程に困難が生じるため
・漢字の多用を避ける
・比喩や婉曲、二重否定などの複雑な言い回しや長文を避け、簡潔な文章で伝えるなどの配慮
また、同じ理由で聾者や難聴者の表現が直接的できつく感じられることがあるので、それらに対する周囲の理解が必要。

Ex.音以外の伝達方法(光、振動、文字)、ボリューム可変機能、音声速度、音質(高低)の可変機能、倍音、メロディ音、和音の活用

※特に危険通知の場面では、上記手段をふくめた複合的な情報提供が重要。