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【初日】10月12日(金曜日)

2012.10.20掲載

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開会式

会議初日

冒頭に本年薨去された故寬仁親王殿下と故山本IAUD会長に黙祷を捧げ、伊久副会長の開会の辞により『第4回国際ユニヴァーサルデザイン会議 2012 in 福岡』が開幕した。瑶子女王殿下のご臨席、野田首相のメッセージ代読、小川福岡県知事、高島福岡市長のご挨拶など、この会議への大きな期待が伝わる開会式となった。大震災の経験を活かし、安心・安全~UDの基本を考え、福岡という開催地にふさわしくUDをアジアに拡げることを目指すと確認した。


伊久副会長

伊久副会長

瑶子女王殿下

瑶子女王殿下

野田首相のメッセージ代読

野田首相のメッセージ代読

小川福岡県知事

小川福岡県知事

高島福岡市長

高島福岡市長




記念講演:「ユニヴァーサル デザインの新たな挑戦」 戸田 一雄氏(IAUD顧問)

戸田一雄IAUD顧問

故寬仁親王殿下への感謝を黙祷で表明、殿下のご指導によるIAUD発足の経緯などを具体的なエピソードを交えて紹介した。また、第1~3回の国際会議の内容と成果を紹介しその意義を確認した。大震災については世界の支援に感謝するとともに、被爆国、津波被災国、原発事故経験国である日本は災害に備え、人間性を大切にするUDによる課題の克服を各国と協力しようと呼びかけた。




基調講演1:「平常と非常の境」 曽野 綾子氏(作家)

曽野綾子氏

自身の経験したエピソードを中心に、世界の困難な状況にある人への支援などを紹介した。アフリカでの支援事例では現場任せにしない同氏ならではの活動から、日本との文化や社会環境の違いを指摘、震災については日本の終戦直後との比較で、いかに現在の日本が恵まれており、世界では特殊な環境かを指摘した。各国の良いところも見て、老人がより活躍できる国にしようと締めくくった。




基調講演2:「被災地から日本の建築やまちの未来を考える」 伊東 豊雄氏(建築家/多摩美術大学客員教授)

伊藤豊雄氏バリアフリーは「壁」の取り払いであるとし、自身の建築における革新的事例を紹介。機能の壁を取り払った「せんだいメディアテーク」では、空間の共有により、老人が活性化するなどの効果があった。性能の壁を取り払った事例では高層ビルの高さを活かした自然空調を、プライバシーの壁を取り払った事例で大震災後の仮設住宅に建てた「みんなの家」交流空間について感動に満ちたエピソードを紹介した。



パネルディスカッション~災害に備えるためのUD

パネルディスカッション風景

それぞれの専門の観点で、これまでの災害の現場で見えてきた課題などが議論され、今後の有効な施策の方向性が提示された。




ミホ・マゼレウ

○ミホ・マゼレウ(マサチューセッツ工科大学講師:米国)

防波堤の高さや避難路の長さ、坂道斜度、階段、車の渋滞など災害時にいかにバリアになるかが現地調査のデータと共に報告された。徒歩による避難が有効ではあるが課題も多いことが指摘された。また、非日常性のためにメンテナンスコストが割高になる災害特化施設の課題も提起された。
課題解決の策として「ユニヴァーサルアクセス」が提案された。移動時間の最短化や緩い傾斜地を随所に取り入れた公園のデザインが示され、日常から利用できる町作りが示された。
さらに、有る程度の高さのエリアのアクセス(上でのつながり)可能な動線確保も提案され、2次的避難所(食料庫兼ねる)の設置も提案された。



田村太郎氏

○田村 太郎(財団法人ダイバーシティ研究所代表理事)

災害に備えるための仮設住宅のデザインについて報告があった。避難中、避難所での死亡原因として肺炎、心筋梗塞が多いことの顕在化が報告された。長い通路、階段などトイレに行くことの困難や、暗い、和式トイレに行きたくない現状や、そのために水を飲まないなど、喉/血管系のトラブルの証との報告。日本の避難住宅の基本的な考え方(水害、台風対応、数日対応仕様など)が地震などの長期化にそぐわない、また、仮設住宅(2年標準)の長期使用実態(神戸震災5年)、生活の場としての適性、工事現場的建物などデザインの問題が多く指摘された。(ユニットバス各戸に必要か? 共同浴場の希望、公園や田んぼの上への設置=水はけが悪い、湿気)。今後は50代男性の肝疾患(仕事が無い)、80代女性の心血管疾病が課題になる



ギーラオ氏

○ラーマ・ギーラオ(英国王立芸術大学院ヘレンハムリンセンター副所長:英国)

災害、暴動、テロの災害の観点で課題が指摘された。人は多様であり人権の尊厳はミニマムであることや、プライバシーを守ることの有効性が提起された。災害時の排斥行動など国や宗教、文化に起因する諸例も報告された。(国際的な特徴)ソリューションにデザイナーが参加することの重要性や合目的デザイン(テントに水をかけるとコンクリート化する仮設住宅、ホイール折りたたみ式の車椅子など)災害時を想定したシーンをデザイナーと開発者とが一緒に考えることの重要性が提起された。



董华氏

○董 华(同済大学特任教授:中国/ブルネル大学上級講師:英国)

災害時UDの効率的な開発方法として以下のいくつかのキーワード場提示された。

  • 通常思わない使い方(=革新が起こる)
    電気を使わない 文脈で考える ひとつの文脈では他への展開は× 多様性を考える
  • 参加、経験、対等の立場での発想
    アプロプリエイト:適正技術
  • 人々に権限を委譲する
    価値観、プロ観点、市民レベル(=多様性)で考える。例えば、住宅は建築家と居住者とが一緒に考える仕組みが必要


コーディネーター:小島 文代
コーディネーター:

○小島 文代(国際ユニヴァーサルデザイン協議会理事長)

研究部会活動報告の後、全員でディスカッション。以下のキーワードで議論が進んだ。

ディスカッションのキーワード

災害とコミュニケーション
ラジオが有効 ラテン系移民の孤立(ロサンゼルス地震)
よく知っている子どもに聞く(スリランカ地震)
食事の表示
最初からキャリーバックパック(仕分けしない知恵、高齢者の持ち返りデザイン)
文化や地域の違い
共通なことと個別を切り分ける
コミュニケーション
文脈、共有、聞く心



48時間デザインマラソン プレゼンテーション/表彰式

会議初日
牧野理事藤木理事
担当理事
  • 牧野理事(左)
  • 藤木理事(右)


Aチーム「Bookerchief」(ユーザー:視覚障害)
ブック型ハンカチーフ
きれいは誰しも一緒 「おしゃれを楽しみたい」を実現
ユーザの感性を尊重した提案

Bチーム「niwaka」(ユーザー:運動障害)
シール状のICカード
乗り降りの不自然な姿の観察からスムーズな移動を提案

Cチーム「PITAT」(ユーザー:車椅子利用)
コミュニケーション型ICカード
車椅子でのバス利用の観察から 運転手などの対応作業に要する所要時間の実感
バス停から早めに知らせるシステムで少しでもスムーズな移動を

Dチーム「MOMOCHI WALK」(ユーザー:車椅子利用)
素敵なエリア(百道浜)を安全に楽しみたいエリアのデザイン(ユニバーサルエリア)

Eチーム「OCHOCO」(ユーザー:車椅子利用)
陶芸家の熱い思いの実現 ネックレス型お猪口
博多はお酒がおいしい お酒巡りを楽しく 盃の一杯をおいしく飲みたい

Fチーム「てことばT」(ユーザー:聴覚障害)
手話の動きをモチーフにデザインされたTシャツでのコミュニケーション
手話への導入として“てことば”の提案 手話を誘発するTシャツで手話の体験を共有する


ベストプレゼンテーション賞 Fチーム

ベストプレゼンテーション賞 Fチーム

ベストデザイン賞 Aチーム

ベストデザイン賞 Aチーム

小島理事長よりトロフィーの授与

小島理事長よりトロフィーの授与


荒井先生(金沢美術工芸大)よりご講評

荒井先生(金沢美術工芸大)よりご講評

見事に若い人の知恵が福岡に集結でき立派な成果が出た
ユーザー参加型がしっかり機能していた

  • 現場観察などの実体験とユーザーの声を聞くプロセスが回った(ユーザー検証)
  • さりげない心遣い、お互いを思いやる心、みんなで共有する気持ちが大事であることの再確認ができた
高島福岡市長よりご講評

高島福岡市長よりご講評

ここ福岡でみんな参加型のデザインの成果が出た
いろいろな得意分野の人が集まってみんなで楽しく進められたのが良かった




歓迎演奏会 航空自衛隊西部航空音楽隊によるブラスバンド演奏

行進曲と童謡、テレビドラマ主題曲を合わせ多彩で厳格な演奏技術が披露された。

ブラスバンド

披露された楽曲

  1. 行進曲「祝典行進曲」(作曲:團伊玖磨)
  2. わらべ歌・童謡「砂山」(作曲:中山晋平)
  3. NHK大河ドラマ作品集(メドレー) 「天地人」(2009)、「竜馬伝」(2010)、「江」(2011)、「新撰組」(2004)、「篤姫」(2008)
  4. 行進曲「航空自衛隊行進曲」

特に「祝典行進曲」は1959年、当時皇太子であった天皇陛下の成婚を祝して作曲された象徴的な曲であり日本を代表する行進曲。東京オリンピック(1964)、ロサンゼルスオリンピック(1984)でも演奏され、即位の礼(1990年 平成2年)、紀宮清子内親王の結婚式(2005年 平成17年)など皇室の行事でも演奏された。






歓迎レセプション

岩下IAUD国際会議組織委員

岩下国際UD会議組織委員

瑶子女王殿下にご臨席いただき、本会議出席者への歓迎の意を表すために開催された。合わせて関係者の懇親の場として活発なコミュニケーションがされた。


プログラム

  1. 岩下IAUD評議員(国際UD会議組織委員):主催者を代表して開会の挨拶
  2. 小川福岡県知事(共催):歓迎の挨拶
  3. 高島福岡市長(共催):歓迎の挨拶
  4. 末吉福岡商工会議所会頭:歓迎の挨拶
  5. 石原JR九州会長:歓迎の挨拶および乾杯
小川福岡県知事

小川福岡県知事

高島福岡市長

高島福岡市長

末吉福岡商工会議所会頭

末吉福岡商工会議所会頭

石原JR九州会長

石原JR九州会長

レセプション風景

レセプション風景




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