UDは時代が必要とし、時代をリードするものである

潮谷 義子
元熊本県知事
Yoshiko Shiotani
Ex-governor of Kumamoto / Board Chairperson, Japan College of Social Work
知事就任の2000年は、地方分権一括法、社会福祉法の施行という国全体の大きな変革があった年であり、熊本県の高齢率は全国の7年先を歩む状況を示していた。更に、水俣病、川辺川ダム問題、ハンセン病国賠熊本地裁提訴という全国的にも関心と注目を集めてきた熊本県独自の問題があった。
県政は「県民から、未来社会からの預かりもの」であるという認識のもと、県の総合計画のテーマ「パートナーシップ21熊本」とし、基本目標に「創造にあふれ、"生命が脈うつ"くまもと」、人権と平等と自己実現が図られ「だれもが暮らしやすく豊かなくまもと」の実現をめざすためにUDを基本理念とした。
一方、私自身最大の取り組みの視点は、県のトップが交代しても、職員がどのセクションに異動してもUDの理念が県政にしっかりと根を張り、豊かにニーズに対応し、スパイラルアップしていく力、エンパワメントできることであり、生き続けることにあった。
2期8年を終え、県民として県政を省みる時、東日本大震災、7月の北部九州豪雨災害への県職員の対応にはUDの精神が生かされていることを確信するものである。