被災地から日本の建築やまちの未来を考える

3・11以降私は、他の建築家にも呼びかけて「みんなの家をつくろう」というプロジェクトを推進しています。これは被災地で家を失った人々が集まって語り合ったり、一緒に食事ができる小さな家を提供しようという運動で、既に三軒の「みんなの家」が完成し、さらに年内に二~三軒が出来上る予定です。
「みんなの家」は単に被災地支援という目的以外にも、設計者も施工者も住民も学生も、皆が話し合いながら協力し合ってつくり上げることによって、建築の本質的な意味を問い直したいという試みでもあるのです。
このプロジェクトは小さなプロジェクトですが、人と自然との関係、人と人の心のつながりを大切にした、これからの建築やまちのあり方を考えるきわめて重要な意味を持つと思います。それは日本の未来の希望を示してくれるのではないでしょうか。