第7の敵

さまざまな問題を抱えたこの世界は、人間以外の6つの大きな脅威—人口過剰、食料供給の不均衡、石油や水など基本的資源の不足、環境悪化、核拡散、制御不能な技術と「成長」に向かう一般的傾向—に直面している。
しかしながら、さらに深刻な脅威は、「第7の敵」である人間の不適切な対応、すなわち政治的惰性と個々人の無知にある。
私たちの政治における集団的対応は緩慢であり、一貫性に欠け、曖昧であった。国家間の対立関係のなかで、私たちは地球規模のニーズに目を向けぬままにきた。民主主義諸国は、その長所があるとは言え、きわめて近視眼的になりうる。一方、民族やイデオロギーの対立は、私たちの問題をさらに深刻化させ、将来の見通しは地球温暖化や経済危機によって一層悪化するだろう。
しかし私たちは、政治的惰性に対応するとともに、長期的な判断を高めるだけでなく、個々人の無知と闘う必要がある。より深いレベルの自己を再評価し、正すことも必要だろう。いくつかの提言を行い、さらに、想像力、感情そして純然たる遊びの役割について再確認したい。