第3回国際ユニヴァーサルデザイン会議2010 in はままつ 大会宣言
2002年、横浜から広がった小さな波紋は、世界中に共感の輪を広げ、ここ浜松に届いた。
ユニヴァーサルデザインの考え方が広く理解される以前、少数者のニーズは特別な方法で解決されるべきだと誰もが思っていた。
しかし私たちは今、一人ひとりのニーズは等しく尊重され、開かれた議論を通じて社会に包み込まれる形で解決されるべきだと考えている。
ユニヴァーサルデザインの考え方から多くの柔軟な発想が生まれ、人びとの創造性を刺激した。それは一人ひとりのニーズをもとにしてみんなを満足させる結果を導くための創造性である。
富の偏在、資源の枯渇、環境の悪化、持続可能な社会への転換と、解決すべき問題は数多い。
しかし、臆せず行動しよう。
私たちは、一人ひとりを見つめ、その人間性を尊重することが、世界規模の問題を見つめることにつながっていることを学んできた。
私たちは、一人ひとりの声なき声を拾い上げ、反映させていく社会システムを築かなければならない。ひとつの地域、ひとつの国にとどまらず、世界全体でその社会システムを共有する必要がある。
人は多様である。文化は多様である。習慣は多様である。
一方で私たちは普遍的でもある。人は等しく笑い、泣き、悲しむ。
ユニヴァーサルデザインのゴールは差別をなくし、人びとの違いを尊重し、世界をつなぎあうことである。