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財団法人尾崎行雄記念財団副会長/難民を助ける会会長

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今、世界は、グローバリゼーションという大きな流れの中にあります。グローバリゼーションにはいろいろありますが、一つ言えることは、地球が狭くなっている、一体化しつつあるということです。人や物やお金が世界中を行き交うことで、互いの関係がどんどん深まっています。
そうした中、例えば環境問題や紛争問題など、一つの国が自国のことだけを考えていたのでは解決できない問題も起こっています。自国のことだけではダメ―それは個人も同じです。自分のことだけではいけない。自己本位、自国本位という狭い視野、狭い利益のことだけを考えていては立ち行かないと思います。

私の父・尾崎行雄(咢堂:がくどう/1858−1954)は、今から半世紀以上前に「世界連邦論」というものを唱え、国家の枠を取り去った協力体制の必要を説きました。この日本についても、「日本だけ」という考えをやめて、常に「世界の中の日本」―世界が今どうなっているのか、どうあるべきかを考えた上で、日本の進むべき道を考えることが必要です。

国や地域は違っても、困っている人を放っておけないという思いから、私は1979年に「難民を助ける会」を立ち上げ、当時のボートピープルの救済にあたりました。この会の活動は、現在では難民支援にとどまらず、各国の障害者への支援や、対人地雷の廃絶などにも向けられています。

また国内では、尾崎行雄の雅号を冠した「咢堂塾」という市民向けの勉強会を尾崎財団主催で行なっています。これは、世界的視野と民主主義精神を持ったリーダー・実践者を育てようということで始め、これまでに300名が卒業しました。

ユニヴァーサルデザインが意味するところの「一人一人の人間性を尊重した社会環境づくり」のためには、まさに「地球益」という観点が必要だと思っています。そこでは、一人一人が世界的視野で物事を考え、行動することが求められます。

国や地域や民族を越えて、一人一人が互いに尊重され大切にされる社会。ユニヴァーサルデザインの実践を通じて、そうした社会が実現することを願っています。

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