主人と北海道へ行った。単なる帰省だが、主人の闘病や私の仕事の都合でまさに6年ぶりの北海道である。主人は脳卒中の後遺症で右手首から先にまったく力が入らない。右片マヒだが、リハビリのかいあって右足は小走りができるぐらいにまで回復した。
そんな主人と北海道に帰省することにしたのだ。
まず、インターネットでチケットを予約。普段から180センチメートルの身長をもてあましているので、広めの「クラスJ」をとった。彼は「障害2級」なので、料金が安い。半額とはいかないが、ありがたい。
さて、いざ羽田空港へ。今はチケットを機械で購入できるので、予約に使ったクレジットカードを機械に挿入。無事購入できた。その機械でそのままチェックインまでできてしまう、なんて便利な時代なんだ!
あれ、主人のチケットを受け付けてもらえない。そうなのだ。チケット購入時には、障害者手帳を見せなければならない。機械では、手帳のチェックができないのだ。
しかたがないので、10人ほど並んでいる窓口に並ぶ。通路にいた係の人が機械でチェックインすると早いと言う。障害者だと言ったら、急にかしこまって、「大変失礼いたしました。こちらへ」とクローズしていた窓口をあけてくれた。並んでいる人たちを横目に、少々複雑な気持ちで…。でも良い席をゲット。
チェックインが終わったので、近くの手荷物カウンターへ行くと、北海道行きの手荷物はショッピングアーケードの反対側のカウンターで預かるのだという。そろそろ時間も無くなってきたので、私は二人分の荷物を抱えて走った。空港が立派になって、移動距離が確実に増えたように思う。
何とか飛行機に乗り込んだ。
主人がバッグを棚に上げようとしてモタモタしていた。私が手伝おうとしたら、近くにいた初老の男性が手伝ってくれた。それを見ていたキャビンアテンダントの女性が、なぜか「気が付かないで申し訳ございません」と謝った。
主人の右どなりの座席には、外国人の若い女性。日本語が上手なので、留学生だろうか。主人の右手に気が付いたらしく、何かと気をつかう。主人の右側にコントロールパネルがあるので、ライトを付けたり、ヘッドホンのジャックを差し込んだり…。私が手を伸ばせば十分届くのだが、自分の使命だと思っているかのように、常に気にしてくれる。ありがたいが申し訳ない。
飛行機は無事新千歳空港に着陸。止まるのを待って、棚から荷物を降ろした。また、キャビンアテンダントの女性が来て、「お手伝いできずに申し訳ございません」と謝った。なぜ謝る?私の背が低いからか?
羽田空港に着いてから、新千歳空港で飛行機を降りるまでのほんの3時間ほどの間だったが、何かの違和感を覚えた旅路だった。
(文・機上の天使)
※この文章は、2007年12月20日発行のゆうまぐ[第72号]に掲載されました。
<掲載日:2007年12月21日>