レディー・ファーストの国アメリカ、要領の悪い男はなかなかエレベーターに乗り込むことができない。当然エレベーターに乗るのも女性が優先。流れを見てタイミングを見計らってスット乗り込まないと冷たい目線にあったり、ヤット乗れると思って足を踏み入れたとたんに定員オーバーの警報が鳴るという、憂き目を見ることになる。
女性が強くなったと言われるアメリカでもこのレディー・ファーストの習慣は子どものときから厳しくしつけられる。これをおろそかにすると、親は子どもに向かって厳しくしかる。
年齢のわりに肉体の衰えが早いと思われる欧米人、特に大きな体を支える足腰の弱まりにより、車いすを利用する人を多く見る。私の知っているアメリカ人は、60歳になったら空港のゲートを結んでいるカートに乗ることができるとうれしそうに自慢していた。
最近訪ねたときは70歳に近くなっていたが、買い物には車を手放せない。老人の運転はのろのろ。周りの車には迷惑だろうが、道の右側をゆっくり走っていく。しかしクラクションを鳴らされることはない。
オフィスの通路や、街路でも押し開くドアが多くある。足早に先を急ぐ若者たちも、後ろに続く人のために通過したドアが閉まるのを少し手で押さえて、次の人へ配慮する。こんな日常から人を思いやる心がユニヴァーサルデザインをはぐくむのではないだろうか。皆さんも心がけてはいかが?
(文・遊閑子)
※この文章は、2007年10月30日発行のゆうまぐ[第69号]に掲載されました。
<掲載日:2007年11月06日>